今回のニッポンニュースで取り上げるのは、岡山県高梁市の臥牛山山頂(標高430m)にある、日本100名城で国指定重要文化財の備中松山城だ。
備中松山城は日本三大山城にも数えられ、また、最も高所にある現存天守の山城で、特に秋には雲海に浮かぶ幻想的なその姿から「天空の城」とも呼ばれている。
備中松山城の築城は、鎌倉時代に有漢郷(現高梁市有漢町)の地頭・秋庭重信が奥地の大松山に城を築いたのを起源とし、1683(天和三)年に水谷勝宗が3年の年月を費やし、現在の天守に修築した。
この地は、山陰と山陽の南北、さらに東西の主要街道も交差する要地であるため、戦国時代は絶えず激しい争奪戦が繰り広げられ、目まぐるしく城主の交代が繰り返されてきた歴史がある。
では早速、備中松山城に踏み入れてみよう。
登城坂の周囲は、高さ10m以上の巨大で切り立った岩壁が聳え立ち、その天然の岩盤を上手く融合させるように、その上に石垣を積んでいる。
この備中松山城の石垣は、本編とは無関係にもかかわらず、実は3年前のNHK大河ドラマ『真田丸』のOPシーンに使われたのだ。
筆者の推測なのだが、難攻不落の真田丸のイメージ形成に”難攻不落の名城”である備中松山城の石垣が最適だったから、わざわざOPに使われたのではあるまいか。
その堅固な石垣を抜けると、備中松山城の天守が顔を出す。
さらに歩みを進め、階段を登ると本丸になる。
真正面に建つ備中松山城の天守は小ぶりながらも、白い漆喰塗りの壁と黒い腰板のコントラストが映える威風堂々とした風格で、登城者を迎え入れてくれる。
なお、本丸にはそこそこ有名な「猫城主」もいるので、猫好きならば、撫で撫でしてあげよう。
天守に登ると、どこにでもあるような、鉄筋コンクリートの”なんちゃって城”とは異なり、天井に大きな梁がある。
大抵の登城者は、天守に登った後はそのまま城を下りて帰ってしまうのだが、天守裏手に回ると、これまた国指定重要文化財の二重櫓があるので、しっかり堪能しよう。
筆者の場合は、可能な限り登城する際は大手(正門口)から入り、搦手(退却口)から出る、出るのが難しい場合は観るだけでも、というスタンスにしている。
今回の備中松山城は搦手を抜けてしまうと、さらに奥へ奥へと行ってしまい、帰られなくなってしまうので、搦手を確認するに留まった。
ちなみにその搦手付近から見上げると、先ほどの二重櫓を裏手から望めるので、搦手を観た際には忘れぬように。
さすが標高430mの高所にある備中松山城だけに、眼下に広がる景色は絶景だ。
マイカーやレンタカーで備中松山城に行く際は、城まちステーション(5合目)で駐車し、そこからシャトルバスでふいご峠(8合目)まで行くのが良いだろう。
ふいご峠からは約20分も歩けば、備中松山城本丸・天守に辿り着く。
【「天空の城」備中松山城 詳細】
・所在地:岡山県高梁市内山下1
・入館料:【大人】500円 【小中学生】200円 団体割引あり30人以上1割引 100人以上2割引
※以下に該当する方は入城料免除(土・日曜日・祝日および休業中に観覧する市内の小・中学生、65歳以上の市内在住民、障がい者手帳持参の人と介助者1人)
・入場時間:【4月~9月】9:00~17:30 【10月~3月】9:00~16:30
※12/29から1/3まで本丸への入城不可
・休日:12月29日~1月3日
・駐車場:城まちステーション(5合目)110台、ふいご峠(8合目)14台
・バリアフリー対応:AED
・TEL:0866-22-1487
※料金・時間等は令和元年10月18日現在のもの