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貴方の”推し仏”は?「国宝臼杵石仏美仏総選挙2021」【連載:アキラの着目】

日本は言わずと知れた仏教国。

全国各地に大小・古今問わず多くの仏像が存在する。

そんな数ある仏像の中から今回のニッポンニュースで取り上げるのは、大分県臼杵市にある臼杵石仏(磨崖仏)。

平安時代後期から鎌倉時代にかけて彫刻されたと伝えられている臼杵石仏(磨崖仏)は、その規模と数量、また彫刻の質の高さにおいて我が国を代表する石仏群で、61体の石仏(磨崖仏)が平成7年(1995年)6月15日に磨崖仏では全国初、彫刻としても九州初の国宝に指定された。

その国宝に指定された61体の石仏(磨崖仏)から厳選された9体の石仏から、貴方の”推し仏”を選んで投票しようというイベントが開催中だ。

そのイベントが「国宝臼杵石仏 美仏総選挙2021」。

エントリーされた9体の石仏は以下の通り。

エントリーNo.1 不動明王

厳しさで世の人々を助ける!

エントリーNo.1 不動明王 国宝臼杵石仏美仏総選挙公式サイトから引用
エントリーNo.1 不動明王
国宝臼杵石仏美仏総選挙公式サイトから引用

エントリーNo.2 阿弥陀如来立像

即行動!フットワークで極楽住生を約束!

エントリーNo.2 阿弥陀如来立像 国宝臼杵石仏美仏総選挙公式サイトから引用
エントリーNo.2 阿弥陀如来立像
国宝臼杵石仏美仏総選挙公式サイトから引用

エントリーNo.3 あみだ如来坐像

行動の前にしっかり熟考!

エントリーNo.3 あみだ如来坐像 国宝臼杵石仏美仏総選挙公式サイトから引用
エントリーNo.3 あみだ如来坐像
国宝臼杵石仏美仏総選挙公式サイトから引用

エントリーNo.4 地蔵菩薩半跏像

「地獄で仏」を実践している!

エントリーNo.4 地蔵菩薩半跏像 国宝臼杵石仏美仏総選挙公式サイトから引用
エントリーNo.4 地蔵菩薩半跏像
国宝臼杵石仏美仏総選挙公式サイトから引用

エントリーNo.5 大日如来坐像

小さくても宇宙を背負って頑張っている!

エントリーNo.5 大日如来坐像 国宝臼杵石仏美仏総選挙公式サイトから引用
エントリーNo.5 大日如来坐像
国宝臼杵石仏美仏総選挙公式サイトから引用

エントリーNo.6 阿弥陀如来座像

過去から未来を考え、よい世の中を創造!

エントリーNo.6 阿弥陀如来座像 国宝臼杵石仏美仏総選挙公式サイトから引用
エントリーNo.6 阿弥陀如来座像
国宝臼杵石仏美仏総選挙公式サイトから引用

エントリーNo.7 愛染明王坐像

愛憎問題の解決ならお任せ!

エントリーNo.7 愛染明王坐像 国宝臼杵石仏美仏総選挙公式サイトから引用
エントリーNo.7 愛染明王坐像
国宝臼杵石仏美仏総選挙公式サイトから引用

エントリーNo.8 金剛力士立像

正義の筋肉で魔物の来ない住みやすい社会を作る!

エントリーNo.8 金剛力士立像 国宝臼杵石仏美仏総選挙公式サイトから引用
エントリーNo.8 金剛力士立像
国宝臼杵石仏美仏総選挙公式サイトから引用

エントリーNo.9 多聞天立像

皆さんの声を聴き、社会生活(特に北)を守る!

エントリーNo.9 多聞天立像 国宝臼杵石仏美仏総選挙公式サイトから引用
エントリーNo.9 多聞天立像
国宝臼杵石仏美仏総選挙公式サイトから引用

以上選りすぐられた9体の石仏の中で貴方の”推し仏”は?

【国宝臼杵石仏美仏総選挙2021】

・開催期間:2021年8月1日(日)~10月31日(日)
・拝聴時間:6:00~19:00(8~9月)、6:00~18:00(10月)
・開催場所:国宝 臼杵石仏(大分県臼杵市深田804-1)
・投票方法:現地投票 国宝臼杵石仏に来場し、入場券と共に受け取った投票用紙に必要事項を記入し、古園石仏または石仏事務所に設置してある投票箱に投函
      WEB投票 https://www.usuki-kanko.com/bibotoke/#bihotoke_form
      ※イベントへの参加無料、来場に別途要拝観料(大人:550円、子供:270円 各種共通券・団体割引あり)
・投開票結果:国宝臼杵石仏 公式サイトおよび国宝臼杵石仏美仏総選挙 公式サイトにて発表
・URL:https://www.usuki-kanko.com/bibotoke/
・問合せ:(一社)臼杵市観光協会 TEL.0972-64-7130

■国宝臼杵石仏美仏総選挙
https://www.usuki-kanko.com/bibotoke/

■国宝臼杵石仏
https://sekibutsu.com/

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

天下一やさしく、わかりやすい!まつえ時代案内人城郭ツアー【連載:アキラの着目】

戦前には国宝に指定されていた城が多くあったが、第2次世界大戦での日本全土への空襲により焼失してしまい、2021年4月18日現在では国宝に指定されている天守は12城(弘前城[青森県]、松本城[長野県]、丸岡城[福井県]、犬山城[愛知県]、彦根城[滋賀県]、姫路城[兵庫県]、松江城[島根県]、備中松山城[岡山県]、丸亀城[香川県]、伊予松山城[愛媛県]、宇和島城[愛媛県]、高知城[高知県])。

これら現存する12の城を一般的には「現存12天守」という。

この「現存12天守」の中で最も後に国宝に指定されたのが松江城だ(2015年7月8日国宝指定)。

松江城がようやく国宝に指定されることになった大きな理由は、2012年5月に「慶長十六年」と記された祈祷札2枚が再発見され、その後の研究により松江城天守が慶長16年(1611年)の築造であることが明確になったことと、2階分の通し柱や包板の技法を用いた特徴的な柱構造が解明され、天守建築に優れた技法を用いた構造であることが判明したからだ。

なので、松江城は鉄筋コンクリートの”なんちゃって城”ではなく、列記とした江戸時代に建てられた歴史的価値のある城なのだ。

しかし、この松江城を1人で観るには難しいな、よくわからないな、と思う人は少なくない。

それに大抵の観光客は天守を観て満足し、国宝指定の決め手になった肝心の祈祷札の箇所を観ずに帰ってしまいがち。

そんなふうな見逃しをしたくない人にオススメなのが、「まつえ時代案内人」最強の城!松江城郭ガイドツアー。

まつえは武者のまちまつえ時代案内人 公式サイトから引用
まつえは武者のまちまつえ時代案内人 公式サイトから引用

松江城に由来する武者や忍者の「まつえ時代案内人」が「天下一やさしいお城ガイド」を合言葉に、戦に対する備えの粋を凝らした松江城を「攻める目線」、「守る目線」で語りながら案内してくれるのだ。

当然、その案内には築城から400年を越える松江城が国宝指定される決め手となった、前述した当時の革新的築城技術も案内してくれるのは言うまでもない。

キャラが立ち、天下一やさしい「まつえ時代案内人」の案内を聴けば、決して松江城の思い出が消失することはないだろう。

【まちまつえ時代案内人 城郭ツアー 詳細】

・参加料:1,600円/1人(ガイド料・松江城登閣料含む)
・催行日:毎週土曜日
・出発時間:10:00~/13:30~ 1日2回
・所要時間:約1時間30分
・集合場所:国宝松江城大手前「堀尾吉晴公銅像前」
・コース:出発堀尾吉晴公銅像前→枡形虎口→二の丸御殿跡→国宝松江城天守→解散本丸
・特典:「仏の茂助(堀尾吉晴)」限定クリアファイル
・料金:小中学生 800円、未就学児 無料
・予約:https://www.kankou-matsue.jp/machiaruki/course
・問合せ:電話での予約不可 (一社)松江観光協会 武者ガイド担当(8:30~17:00)TEL.0852-27-5843
※1名から催行可能、先着15名まで
※本丸解散後、希望者には塩見縄手まで案内
※新型コロナウイルス感染症の拡大防止策で、まつえ時代案内人は「黒マスク」を着用してのガイドとなる

■まつえは武者のまちまつえ時代案内人
https://matsue-musya.com/344

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

国宝・彦根城(滋賀県彦根市)~FJ時事新聞おすすめ名城~【連載:アキラの着目】

彦根城天秤櫓今回のニッポンニュース「FJ時事新聞おすすめ名城」で取り上げるのは現存12天守であり、なおかつ姫路城、松本城、犬山城、松江城と並ぶ国宝城郭の彦根城だ。

代々、井伊家が城主を務めた彦根城は、慶長9年(1604年)に江戸幕府初代将軍・徳川家康の命により着工された。

築城工事には尾張藩や越前藩等、計7ヵ国12大名(15大名とも)が動員される天下普請であった。

慶長11年(1606年)には2期までの工事が完了、同年の天守完成と同じくらいの時期に井伊直継が入城。

元和2年(1616年)、大坂夏の陣で豊臣氏が滅亡後、彦根藩のみにより第3期工事が開始され、元和8年(1622年)には表御殿の造営、城郭改造などを含む全部の工事が完了して、ようやく彦根城が完成した。

明治時代初期の廃城令で滋賀県の城郭のほとんどが破却・解体される中、彦根城は奇跡的に破却・解体を免れ、往時の天守が現存する貴重な城だ。

長い説明となったが、早速みてゆこう。

石段を登ってゆくと、石垣とともに見えてくるのが彦根城天秤櫓と廊下橋。

彦根城天秤櫓と廊下橋
彦根城天秤櫓と廊下橋

万一、敵の侵入があった場合は、この廊下橋を切断し、本丸方面に入らせないようにするのだ。

この廊下橋の下を通過し、さらに鐘の丸を経て方向を転換すると、自ずと視界に入るのが先ほど下でみた天秤櫓だ。

彦根城天秤櫓
彦根城天秤櫓

その名の如く左右のバランスをとった、シンメトリーな構造をした櫓だ。

ここを通過すると、さらに天守に近づくことができ、太鼓門櫓を潜れば、もう彦根城天守のお目見えだ。

ゆるキャラの魁として全国に名を轟かせた「ひこにゃん」がお出迎え。

彦根城天秤櫓
彦根城天秤櫓

この「ひこにゃん」と一緒に彦根城を背景に撮影するのが定番だ。

天守に登ると、下界には彦根城表御殿を見渡すことができる。

彦根城表御殿
彦根城表御殿

天守から下りたら終わり、という観光客が多いが、さらに城の裏や背後に回り込んで観るのがオススメだ。

天守裏手の西の丸から撮影した彦根城が↓。

天守裏手の西の丸から撮影した彦根城
天守裏手の西の丸から撮影した彦根城

観終えたら往きと同じ道を通らずに、黒門山道から下山するのもオススメ。

基本的に城巡りでは、同じ道を通らずに、可能な限り様々な角度から天守や櫓、多くの郭(城の区画・エリア)等を観たり、様々な道を歩いてみよう。

コンパクトな造りの彦根城だが、天守のある本丸に辿り着くまでに幾つもの門や枡形が設けられており、かなり強固な城であることがわかるはずだ。

国宝の城ということで、それなりに登城者による混雑が予想されるため、登城の際は、開城時間に行くくらいのほうが良いだろう。

滋賀県観光の折には、ぜひ行ってみる価値のある城だ。

■彦根城 – 彦根観光ガイド : 公益社団法人 彦根観光協会
https://www.hikoneshi.com/jp/castle/

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

国宝甲冑5点を観るチャンス!春日大社国宝殿「Enjoy 鎧 ―日本一の鎧を楽しむ―」【連載:アキラの着目】

春日大社国宝殿「春季特別展 Enjoy 鎧 ―日本一の鎧を楽しむ―」日本国内のみならず、海外でも人気のサムライ。

そのサムライが戦の際に着用していたのが、甲冑だ。

甲冑もピンからキリまであり、どこの馬の骨が着ていたかわからぬ甲冑もあれば、天下人が着用していた国宝級の甲冑もあったり。

とりわけ国宝級の甲冑ともなると、一般人での所有はそうそうなく、美術館や博物館の所蔵である場合が多い。

そこで、いきなり出題。

国宝に指定される甲冑を日本で一番多く所蔵している美術館をご存知だろうか?

正解は春日大社国宝殿。

春日大社国宝殿の所蔵数は5点を数える。

5点しかないのか、ではなく、5点も国宝級甲冑を所蔵しているのだ。

特に5点の中の1点、赤糸威大鎧(竹虎雀飾)は、小中学校の教科書や資料集でもすっかりおなじみで、まさに日本一豪華な鎧である。

国宝 赤糸威大鎧(竹虎雀飾)
国宝 赤糸威大鎧(竹虎雀飾)

それら国宝級の甲冑を一度に観賞できるチャンスが実はあるのだ。

前置きが長くなってしまったが、それが春日大社国宝殿「春季特別展 Enjoy 鎧 ―日本一の鎧を楽しむ―」だ。
春日大社国宝殿「春季特別展 Enjoy 鎧 ―日本一の鎧を楽しむ―」

春日大社国宝殿「春季特別展 Enjoy 鎧 ―日本一の鎧を楽しむ―」
春日大社国宝殿「春季特別展 Enjoy 鎧 ―日本一の鎧を楽しむ―」

「春季特別展 Enjoy 鎧 ―日本一の鎧を楽しむ―」では、春日大社所蔵の作品以外にも奈良県立美術館所蔵の腹巻等や、甲冑師・小澤正実氏による鎧製作資料等も併せて展示している。

甲冑の魅力満載の展示イベントなので、興味のある人はぜひ行ってみよう。

ただし、新型コロナウイルス感染症の感染予防・拡散防止のため、3月14日(土)より開催の「春季特別展 Enjoy 鎧 ―日本一の鎧を楽しむ―」は延期になる可能性もあるため、行く際は公式サイト等で確認してから行くように。

【春季特別展 Enjoy 鎧 ―日本一の鎧を楽しむ― 詳細】

・開催期間:2020年3月14日(土)~7月12日(日)
・休館日:2020年5月18日(月)前後期展示替えのため休館
・拝観料:一般500円、高校・大学生300円、小中学生200円

■世界遺産 春日大社 公式ホームページ/国宝殿・植物園・庭園喫茶/国宝殿/展示のご案内
http://www.kasugataisha.or.jp/h_s_tearoom/museum/museum2.html

国宝・松本城(長野県松本市)~FJ時事新聞おすすめ名城~【連載:アキラの着目】

今回のニッポンニュース「FJ時事新聞おすすめ名城」で取り上げるのは現存12天守で、姫路城、彦根城、犬山城、松江城と並ぶ国宝城郭の松本城だ。本丸御殿跡を通りながら、松本城天守へ

文禄2~3年(1593~1594)に建てられた五重六階の現存天守としては日本最古を誇る。

松本城の歴史は戦国時代にまで遡る。

元々、現在松本城のある地には永正元年(1504)に島立氏によって建てられた深志城(ふかしじょう)があり、この深志城が現在の松本城の前身であるといわれている。

その後、深志城を拠点とした武田氏の統治が32年間続くも、天正10年(1582)織田信長による武田氏滅亡で、木曽義昌、小笠原洞雪と城主が替わり、小笠原長時の嫡子・貞慶が深志城を奪還し、深志を松本と改名、さらに時代が進み、石川数正によって大天守が建てられた。

標高590メートルの盆地内平地に位置する平城の松本城は、大天守(だいてんしゅ)・乾小天守(いぬいこてんしゅ)・渡櫓(わたりやぐら)・辰巳附櫓(たつみつけやぐら)・月見櫓(つきみやぐら)の五棟で形成されており、大天守と乾小天守を渡櫓によって連結し、辰巳附櫓と月見櫓が複合された連結複合式の天守として有名だ。

ちなみにこの連結複合式天守は、全国広しといえども、松本城だけに見られる特徴的な天守構造だ。

では実際に写真で松本城を観ていこう。

まず1枚目の写真は、松本城北側の堀端から、堀と石垣と天守を樹木越しに捉えたもの。

松本城北側の堀端から樹木越しに捉えた松本城の堀と石垣と天守

現在の松本城は二重の堀で周らされているが、建てられた当時は三重の堀で周らされていたとのこと。

2枚目の写真もやはり松本城北側堀端の松本神社の交差点から撮影。

松本城北側堀端の松本神社の交差点から撮影した松本城

3枚目の写真も松本城北側の堀と石垣だ。

松本城北側の堀と石垣

4枚目の写真は大手側の堀で、画面左側にかすかに写っている橋を渡り、真っ直ぐに進むと、二の丸になる。

松本城大手側の堀松本城案内図現在の地図と重ね合わせた松本城縄張図

松本城の石垣は、未加工の自然石を使用した野面積み(のづらづみ。「乱積み」ともいう)という積み方で構築されており、約400年前に積まれた状態のままで、石の積み替えは行われていない。

その野面積みの中でも、横目は通っているのだが、所々乱れているものを「布積み崩し」といい、松本城本丸北側の外堀の石垣はこの布積み崩しによる構築だ。

松本城の天守・黒門・堀・石垣松本城松本城と埋橋

松本城本丸御殿跡の片隅にあるのが、松本市のマスコットキャラクター・アルプちゃんだ。

松本城と松本市マスコットキャラクター・アルプちゃん

松本城にいる際のアルプちゃんは「甲冑バージョン」の出で立ちで、背景に松本城天守を入れながら、このアルプちゃんと一緒に撮影する外国人観光客もいた。

本丸御殿跡を通りながら、松本城天守へと歩みを進めていく。

本丸御殿跡を通りながら、松本城天守へ

本丸御殿南側に回ると、本丸を取り囲む土塁が現れるので、忘れずに土塁も観ておこう。

本丸を取り囲む土塁

天守最上階まで有料にて登城できる。

その際、以下の2点に注意。

・階段が極めて垂直に近い傾斜であるため、お年寄りや子供は特に注意が必要のこと
・スカート着用の女性は、周囲の男性(スタッフ、観光客含む)の視線が集中してしまう可能性が高いので、必ず長ズボン着用で登城すること

天守最上階からの眺望は文句なし。

ただし、犬山城のような回り縁がないため、天守の外に出る建物構造にはなっておらず、金網越しに景色を観ることになる。

松本城天守最上階からの文句のつけようがない眺望

写真は金網の、意図的に広げられた最も大きな穴から撮影したため、金網越しにならなかっただけだ。

天守から降りると、最後は月見櫓に。

松本城月見櫓

月見櫓はその名の通り「風流に月見をして、歌を詠む」櫓であり、決して戦闘用櫓ではないため、「石落とし」や「矢狭間」、「鉄砲狭間」、「武者溜り」がなく、極めて平和な構造になっている。

そんなわけで、松本城は、戦国時代末期に建てられた大天守・渡櫓・乾小天守の三棟と、江戸時代初期に建てられたと考えられているこの月見櫓と辰巳附櫓の、相反する性格の建物が共存している天守群を持つ、我が国で唯一の城なのだ。

現代風にいうと、戦闘基地とカルチャーセンターの両方が併設された建物ということができ、これが松本城の特徴の1つだ。

松本城月見櫓

最後の写真は、松本城東側に位置する太鼓門を出た所、すなわち外枡形から撮影したものだ。

松本城二の丸太鼓門

現在は、写真で見る通り歩道が緩やかに曲線カーブを描くように施されているが、枡形であるから、進入路が直角に折れ曲がるように門を配した構造になっているのを確認できよう。

最後に付け加える点が1つ。

筆者は、観覧開始時間20分前に松本入りし、8時40分台には天守に登城したので、さほど困難や不便は感じなかったが、混雑ピーク時に訪れると、天守に登るだけでもかなりの待ち時間や、観覧時間がかかるかと予想される。

天守最上階への階段は、フロア毎に幅広かったり、狭かったりし(上の階は狭い幅の階段)、狭い階段を昇降兼用で使用しているところでは、筆者の訪れた時間帯でもやや「渋滞」となっていたからだ。

ゆったりと松本城を満喫したいのならば、それなりの早い時間に訪れることをおすすめする。

【国宝松本城 天守観覧時間等】
・観覧時間:午前8時30分から午後5時まで
 ただし、入場できるのは午後4時30分まで
 ※GWおよび夏期は時間延長あり
・定休日:12月29日~31日
 ※1月1日~3日は要問い合わせ

【松本城へのアクセス】
●電車:JR篠ノ井線「松本駅」下車 徒歩約15分
●バス:松本周遊バス「タウンスニーカー」北コース 「松本駅お城口」発→「松本城・市役所前」下車(乗車時間約10分)
●自動車:長野自動車道 松本ICから、国道158号を松本市街地へ向かい約3km(約15分)

【松本城最寄りの駐車場】
・市営松本城大手門駐車場
 松本城まで徒歩約5分
 開場 7:30~22:30
 TEL 0263-33-1010
・市営開智駐車場
 松本城まで徒歩約5分
 開場 8:00~18:00
 TEL 0263-39-6650
・市営開智大型駐車場
 松本城まで徒歩約5分
 開場 8:00~17:00

【松本城管理事務所】
〒390-0873 松本市丸の内4番1号
TEL:0263-32-2902 FAX:0263-32-2904

■国宝 松本城 – 松本城をより楽しむ公式ホームページ
http://www.matsumoto-castle.jp/

※時間は平成30年6月24日現在のもの

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

国宝・犬山城(愛知県犬山市)望楼型天守から望む木曽川は圧巻!【連載:アキラの着目】

FJ時事新聞編集部ニッポンニュース担当は、地方の桜も見るべく、今回は国宝に指定された犬山城に繰り出した。

国宝・犬山城天守

まずは、犬山城の簡単な歴史から。

犬山城は、天文6年(1537)、織田信長の叔父、織田信康によって木之下城より城郭を移して築城されたと言われ、木曽川沿いの小高い山に築かれた「後堅固(うしろけんご)の城」だ。

その後、城主は度々変わり、元和3年(1617)に尾張徳川家重臣・成瀬正成(なるせまさなり)が拝領。

この時に現在我々が目にしている近世城郭としての天守ができたと言われており、以後、成瀬家が幕末まで城主を務めた。

その成瀬家末裔が犬山城を引き続き所有、全国唯一の個人所有の城として保存されてきたが、平成16年(2004)、「財団法人犬山城白帝文庫」の所有となり、現在に至る。

筆者は自動車で行くも、11:20の時点で犬山城に最も近い大きな駐車場は満車状態、そのまま仕方なく前の車の後に自然な流れでついて行ったら、犬山城からかなり離れた犬山市役所の駐車場へと吸い込まれた。

犬山市役所から歩くこと約20分で犬山の城下町に。

情緒ある木造建物を目にしながら、通り奥にある犬山城を目指す。

犬山城下にある木造建築木造建築が連なる犬山城下の通り

近道となる、突き当りの神社境内を抜けると、チケット売り場となり、その先が桝形虎口だ。

犬山城桝形虎口

真っすぐに敵を勢いよく侵入させないよう、右に90度折れ曲がる構造になっている。

暖かい春の日差しを浴びた桝形虎口は、ちょうど満開の桜とともに筆者を歓迎しているかのようで、リッチな心持ちになれる。

すかさず右に曲がると、遭遇するのが本丸へと通ずる鉄門(復元)だ。

犬山城桝形虎口鉄門

ここを潜れば、国宝・犬山城だ。

天守に登る列に並びながら、桜とコラボした犬山城天守をしっかり堪能。

国宝・犬山城天守

天守に上がっていくと、やはり最近多いコンクリートで再建された「なんちゃって城」とは異なり、正真正銘の江戸時代の木組みを観ることができる。

国宝・犬山城天守内部の木組み

年季の入った、飴色の木が、古(いにしえ)の情景に思いを馳せる手助けになっているのは言うまでもない。

天守最上階(四階)に登り、回り縁から望む絶景には息を呑んでしまう。

国宝・犬山城天守から望む木曽川

特に天守から望む木曽川は圧巻で、昔はこの川を利用した舟運が盛んで、この城下は繁栄していたのだろうな、と。

ただし、高欄が低く、大人の腰くらいまでの高さで、高欄外側には防御ネットもなく、リアルに転落リスクを感じるので(苦笑)、高所恐怖症の人はあらかじめ覚悟して登るか、登城を断念するか、決めておいた方が良さそうだ。

桜が散るまでには、まだ1週間くらいの猶予はあるかと思われるので、桜と絶景を堪能したい人には、超おすすめしたい犬山城だ。

【国宝・犬山城】

●所在地:犬山市犬山北古券65-2
●アクセス:[自動車]小牧IC・小牧北ICから25分、[電車]名鉄「犬山遊園駅」西口より徒歩約15分
●営業時間:9:00~17:00(入場は16:30まで)
●入場登閣料:大人550円、小・中学生110円
●駐車場台数:周辺に約200台
●ホームページ:http://inuyama-castle.jp/

※情報は、2018年3月28日現在のもの

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099