令和に時代が変わったばかりというのに、2年号前の昭和を振り返るのはいかがなものか、という気がしないでもないが、今回はとにかく昭和50年代中盤以降にヒットした「ヤング歌謡曲」にスポットライトを当ててみたい。
1.中森明菜『少女A』
清楚な中森明菜さんのイメージを尊重したかのような、緩やかなメロディのデビュー曲『スローモーション』。
そのイメージを一新させ、イントロからギンギンにエレキの爆音で始まる『少女A』は、清楚な中森明菜さんは仮の姿で、本物は「チョイ悪」のヤンキー少女なんだ、と錯覚させるような「路線変更曲」に思えたものだ。
もちろん、「エレキ=ワル、ヤンキー」という単純図式ではないのだが、『スローモーション』から『少女A』への変質は、中森明菜さん自身のイメージをガラッとチェンジさせるのに最も有効な手段だったかと。
2.近藤真彦『ブルージーンズ メモリー』
絶叫系歌詞や、やや巻き舌を要すような歌詞の曲は、近藤真彦さんか薬丸裕英さんが最も適任だと筆者は思うのだが、その”2強”のうちの1人である近藤真彦さんが本領発揮する曲が、この『ブルージーンズ メモリー』だ。
エレキが、イントロではメインのメロディラインを奏でるのだが、イントロが終わり本編に入ると、メインのメロディラインを近藤真彦さんの歌声に譲り、しばらく”裏方”に徹する。
あとは近藤真彦さんがやや巻き舌っぽく歌ったり、絶叫したりで、インパクトの強い曲だ。
3.中森明菜『1/2の神話』
またまた、中森明菜さんの曲。
オススメ3曲ではなく、5曲とかに広げると、筆者の中では近藤真彦さんの曲もさらに入ってくることは確実で、中森明菜さん・近藤真彦さんの曲はかなり盤石だ。
大沢誉志幸さん作曲の『1/2の神話』は、「ヤング歌謡曲」の範疇に入れてよいのか、それよりもロックに入れた方がよいのでは、ということもあるのだが、昭和のアイドルが歌うこともあり、とりあえず「ヤング歌謡曲」に分類してみた次第。
のっけから畳み掛けてくるイントロは、歌い出す直前ですでに気分が高揚するようなかまし方。
間奏も同様で、リリースされてから30数年経っているというのに、令和の今に聴いても全然陳腐でなく、ノリノリになれるのがこの曲の良いところだ。
以上、昭和50年代中盤以降の「ヤング歌謡曲」を3曲取り上げてみた。
もっと新しい時代の曲が良いとか、いやいやもっと古い曲にも焦点を当ててくれとか、様々な意見をお待ち申し上げる。