大仏様といえば、奈良・東大寺の大仏様や鎌倉の大仏様、茨城県牛久の大仏様が有名だ。
しかし、これらの有名な大仏様は人気観光スポットでもあり、常に観光客がごった返して、参拝するのが大変だ。
札幌市南区にあり、札幌中心部からクルマで約45分の真駒内滝野霊園・頭大仏殿は、前述した人気の大仏様とは異なって、かなり穴場で空いており、参拝しやすい。
そのうえ、大仏様としてはかなり異色の存在で、参拝客に幻想的なイメージを抱かせるのだ。
それというのも、ラベンダーの丘にちょこっと顔を出す大仏様だからだ。
紫色に包まれた小高い丘に頭だけちょこっと出している頭大仏殿は、他に類を見ない大仏様だ。
では、真駒内滝野霊園・頭大仏殿を訪れてみる。
まず門を抜けると、何体ものモアイ像がお出迎えだ。
両脇がラベンダーの、真駒内滝野霊園・頭大仏殿正面入口。
さらにその先を進むと、「三途の川」をイメージしているかのような、流れる水面(みなも)に出くわす。
この「川」が、現世と仏界とを仕切る境界線の役割を表現しているのだろう、水で心を清め、日常から非日常へと心を切り替えるのだ。
左右いずれかに回り込んで「川」を回避し、頭大仏殿を目指す。
やがて平たいコンクリートのトンネルのような建造物の中に導かれるように入ってゆくと、その奥に鎮座しているのが頭大仏殿だ。
ドーム状のコンクリート建造物の中に鎮座している頭大仏殿は、頭部だけ天井部分がなく、自然光が頭から降り注ぐ構造になっている。
木造建造物ではなく、ドーム状のコンクリート建造物の中に鎮座している大仏様は筆者の知る限り、この真駒内滝野霊園・頭大仏殿だけではあるまいか。
未来的というか、ハイパーというか、とにかく全体としては歴史的部分を感じさせないところが、真駒内滝野霊園・頭大仏殿の最大の特徴であるかと。
ドーム状建造物が覆いかぶさっているので、話し声も反響し、それがさらに幻想的イメージを増幅させている。
賽銭は、頭大仏殿の真下に据えられた賽銭箱に入れても、あるいはその手前の階段下に敷かれたゴザに置いてもよい。
筆者は、敷かれたゴザの上に賽銭を置くことにした。
定番の観光スポットを巡るのも悪くはないが、まだそんなに知られていない真駒内滝野霊園・頭大仏殿に行くと、自慢もでき、心も清められ、穏やかな心持ちになるので、札幌観光の際は訪れることを推奨する。
【頭大仏殿 詳細】
・所在地:〒005-0862 札幌市南区滝野2番地
・頭大仏:高さ 13.5m 総重量 1,500t(原石4,000tより選別・加工)
・拝観時間:4月~10月 9:00~16:00 11月~3月 10:00~15:00
・閉殿日:年末年始(12月29日~1月4日)ならびにメンテナンス日は閉殿
・問い合わせ:TEL.011-592-1223(受付時間 9:00~16:00)
※水庭は冬期(11月~4月頃)凍結のため、参拝不可
※路線バスで頭大仏にアクセスする場合は、札幌中央バス真108便を利用のこと(地下鉄「真駒内」駅2番乗場より出発)
路線バス運賃 370円(年末年始運休)4~11月・12~3月でダイヤ異なる
※自家用車でのアクセスは頭大仏周辺の南駐車場・北駐車場を利用のこと(245台)
■頭大仏殿(Hill of the Buddha)_English|【公式】真駒内滝野霊園
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