「総合格闘技」タグアーカイブ

堀口恭司選手、まさかの逆転KO負けで王座奪取ならず【連載:アキラの着目】

総合格闘技「Bellator(ベラトール) MMA」主催の『BELLATOR 272』が12月4日(土・日本時間)米国モヒガンサンアリーナで開催され、ベラトール世界バンタム級タイトルマッチが行われた。

挑戦者のRIZINバンタム級王者・堀口恭司選手(31歳 アメリカントップチーム所属)が王者セルジオ・ペティス(28歳 米国)に4R3分24秒バックブローによるKOで敗れた。

RIZINバンタム級王者・堀口恭司選手 Wikipediaから引用
RIZINバンタム級王者・堀口恭司選手
Wikipediaから引用

1R、伝統派空手出身の堀口恭司選手は距離を取りながらの細かいステップによる俊敏なフットワークで、ガードを固めてプレッシャーをかけてくるペティスに対し、ふくらはぎを狙うカーフキックで攻める。

堀口恭司選手は左ストレートから飛び込んでのテイクダウンでペティスを寝かせ背後を取るも極め切れず。

その後スタンドでは、飛び込む堀口恭司選手に対し慎重な姿勢のぺティスに対し、引き続きカーフキックなどで攻める展開が続き、1R終了。

2Rも右のカーフキックでぺティスのバランスを崩し、テークダウンに成功した堀口恭司選手。

ぺティスは下から三角締めやオモプラッタを仕掛け、堀口恭司選手は冷静に対処するが、下から繰り出されたペティスのペタラーダを被弾し、堀口恭司選手は右目下から出血。

一時は腕を足で極められそうになった堀口恭司選手だが、背後を取って亀になったぺティスへパウンドを叩き込み、試合を優勢に進めた。

3R、サウスポーからテイクダウンを狙う堀口恭司選手は、再びオーソドックスの構えに戻し、カーフキックを当てる。

ぺティスはジャブを伸ばすがさほど手数が出ず、その間隙を縫って堀口恭司選手がタックルし、シングルレッグからのテイクダウンに成功。

ハーフガードをキープながらコツコツとパウンドを落とし、相手をコントロールし続けた堀口恭司選手だったが、ペティスに凌がれ、スタンディングに戻ったところで3R終了のゴング。

4R、堀口恭司選手がまたもテイクダウンに成功するが、ペティスに凌がれてしまい、スタンディングの攻防に。

飛び込んで組み付いた堀口恭司選手の離れ際にぺティスは右ハイを繰り出すも、それをダッキング気味に堀口恭司選手が上手くかわしたのだが、次の瞬間、ぺティスが右ハイ空振り後にすかさず繰り出した左のバックハンドブローが堀口恭司選手の顎を見事に捉え、堀口恭司選手はそのまま大の字失神のKO負け。

堀口恭司選手は担架で運ばれ、ベラトール世界バンタム級王座奪取ならず、RIZINとベラトールのバンタム級王座2冠への返り咲きにも失敗した。

堀口恭司選手が1Rから終始優勢に試合を進めていたことから、ネット上では「手合が違う」くらい両者の間には実力差があり、堀口恭司選手の勝利は間違いなしと目されていたが、堀口恭司選手はまさかの大逆転負けを喫してしまった。

それでも、堀口恭司選手はこのクラスでは文句なしにトップレベルの選手であることには変わりがないので、またタイトル戦線に挑戦してもらいたいものだ。

 

 

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

”格闘王”前田日明 著『日本人はもっと幸せになっていいはずだ』6月9日発売!!【連載:アキラの着目】

これまでにプロレス界、格闘技界で輝かしい活躍と貢献をしてきた前田日明リングス総帥。

往年のプロレスファンであれば、前田日明といったら、大巨人アンドレ・ザ・ジャイアントとのセメントマッチ(喧嘩試合)、ドン・中谷・ニールセンとの死闘、従来のプロレスと一線を画し、キック・サブミッション・スープレックスを駆使したプロレスのUWF(Universal Wrestling Federation)での活躍、世界最強の男を決める総合格闘技団体リングスをたった独りで旗揚げしたこと、等々を思い浮かべることかと。

そうしたリング上での活躍とは別に前田日明リングス総帥は政権や世相をぶった切るなど、批評家としての面も持ち合わせているのだ。

出演番組では政府の対応や国際情勢について独自の意見を述べたり、また、関西の出版社と組んで「前田日明ゼミ」を3ヵ月毎に開催し、そこでは著名な文化人や評論家、憲法学者などを招き、トークをしたりしてきた。

その延長線上で、この度6月9日に『日本人はもっと幸せになっていいはずだ』(著者:前田日明、出版社:サイゾー)が発売される。

『日本人はもっと幸せになっていいはずだ』は、前田日明リングス総帥のこれまでの批評活動、論評活動の集大成ともいうべき書籍。

「日本人はもっと幸せになっていいはずだ」 著者:前田日明、出版:サイゾー Amazonから引用
「日本人はもっと幸せになっていいはずだ」 著者:前田日明、出版:サイゾー
Amazonから引用

「日本に生まれてすでに60年以上が過ぎた。日本と日本人について、ことさら考えなければならない環境の中で生きてきた年月だった。日本人であることが当たり前ではなかったからこそ、日本についてずっと考えてきた、ということだ。」(前田日明 著『日本人はもっと幸せになっていいはずだ』から引用)。

息子ができ、娘ができ、父親となった現在、この子らが成長し大人になった時に、はたして日本という国は、世界の中でしっかりとやってゆけるのだろうかという憂いが、ここ数年の前田日明リングス総帥を突き動かしてきたのだ。

各メディアが「臭いものに蓋」して避けてきた問題に対しても”前田節”が炸裂しているので、ぜひ前田日明 著『日本人はもっと幸せになっていいはずだ』を購入し読むことを推奨する。

【『日本人はもっと幸せになっていいはずだ』前田日明 詳細】

・出版社:サイゾー (2021/6/9)
・発売日:2021/6/9
・言語:日本語
・単行本:312ページ
・ISBN-10:4866251425
・ISBN-13:978-4866251424

■日本人はもっと幸せになっていいはずだ | 前田日明 |本 | 通販 | Amazon
https://www.amazon.co.jp/dp/4866251425/

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

大晦日のRIZIN.26で朝倉未来選手、弥益ドミネーター聡志選手を1R葬【連載:アキラの着目】

2021年もFJ時事新聞ニッポンニュースを宜しくお願い申し上げます。

2020年の大晦日を締めくくるようにさいたまスーパーアリーナにて開催された『Yogibo presents RIZIN.26』。

その『Yogibo presents RIZIN.26』の第13試合で朝倉未来選手が元DEEPフェザー級(65.7kg)王者の弥益ドミネーター聡志選手を見事に1ラウンドKOに仕留めた。

偏差値70超えで大学院卒のインテリ会社員格闘家・弥益選手と、高い格闘IQの朝倉未来選手の対戦は、どちらが勝利に向けた正答をはじき出し、試合で実践するのかが注目された。

変則的なステップや構えで翻弄しつつ、朝倉未来選手の攻撃を巧みにかわす弥益選手だったが、その変則的な動きも、朝倉未来選手の解析により、次第に何らかの法則性が得られたのだろう、横っ腹にミドルキックが食い込むようになった。

それにより、弥益選手の意識が顔面から腹、足元に集中しだし、僅かの隙が生まれた瞬間を狙って、朝倉未来選手の左ストレートが弥益選手の顔面をとらえ、さらに立て続けに右ハイキックが綺麗に弥益選手の側頭部に入った。

元DEEPフェザー級(65.7kg)王者の弥益ドミネーター聡志選手(右)を見事に1ラウンドKOに仕留めた朝倉未来選手(左) RIZIN公式サイトから引用
元DEEPフェザー級(65.7kg)王者の弥益ドミネーター聡志選手(右)を見事に1ラウンドKOに仕留めた朝倉未来選手(左)
RIZIN公式サイトから引用

こうなると、弥益選手は崩れ落ちるしか成す術がない。

朝倉未来選手の見事な1RKO勝利となった。

試合後は「(前回のRIZINで対戦し、朝倉未来選手が負けてしまった)斎藤裕選手と早くリベンジマッチをしたい。正直、負ける気しない」と朝倉未来選手はコメントし、借りを返すことが最重要課題であることを明確にしたのだった。

これほどまでに2人の間に差があるとは思わなかっただけに、やはりキッチリ仕留めた朝倉未来選手の強さは別格だ。

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

初代タイガーマスクとコラボ、武道精神と日本文化を発信、神田明神【連載:アキラの着目】

先日のニッポンニュースで取り上げたばかりの江戸総鎮守・神田明神。

今回のニッポンニュースでも神田明神を取り上げる。

日本全国に数多くの神社あれど、かなり”攻めている”神社となると、数えるほどしかない。

神田明神のどこが”攻めている”のかというと、アニメとコラボして展示会を開催したり、積極的に公式YouTubeにて祭り動画や「神田明神音頭」の踊り・振り付けを発信したりして、時代の流行や最先端に対しての感度が高いからだ。

そんな神田明神が現在進行形で”攻めている”のが、「初代タイガーマスクの武道精神と日本文化展」だ。

初代タイガーマスクの武道精神と日本文化展 神田明神公式サイトから引用
初代タイガーマスクの武道精神と日本文化展
神田明神公式サイトから引用

神社とプロレスが融合する展示会を企画・開催するのは前代未聞である。

すでに7月11日(土)より開催されており、神田明神資料館にて8月30日(日)までだ。

初代タイガーマスクは、劇画「タイガーマスク」が少年誌面から飛び出したかのような、四次元空中殺法を駆使し、対戦相手を翻弄し、観客を魅了しながら勝ち続けたスーパー・ヒーロー・プロレスラー。

その初代タイガーマスクに扮していたのが佐山サトル氏で、これまでに総合格闘技「修斗」、武道「掣圏道、掣圏真陰流」、日本精神の原点「須麻比(すまひ)」と絶えず創り続けてきた格闘技や武道を通じ、武道精神や愛国心、日本文化の良さを率先して伝えることもしてきた。

なので、日本の伝統文化そのものである神田明神と、武道・日本文化を発信してきた佐山サトル氏こと初代タイガーマスクがコラボするのは、ごく自然なことなのかもしれない。

平日と土日祝日とでは、受付場所が異なるため、公式サイトにて確認してから訪れてみよう。

【初代タイガーマスクの武道精神と日本文化展 詳細】

・会期:令和2年7月11日(土)~8月30日(日)
・時間:9時~16時(受付終了 15時30分)
・受付:7月11日~19日、土日祝日 資料館1階
    それ以外の平日 文化交流館1階
・場所:神田明神資料館2階展示室 ※3階展示室は常設展示(拝観可)
    〒101-0021 東京都千代田区外神田2-16-2
    JR中央線・総武線「御茶ノ水」駅徒歩5分
    JR山手線「秋葉原」駅徒歩7分
・拝観料:大人300円、学生200円、中学生以下無料
・主催:神田明神資料館
・協力:初代タイガーマスク(佐山サトル氏)、中村之洋氏、リアルジャパンプロレス、コラボ総研・伊藤翼氏

■江戸総鎮守 神田明神 東京都千代田区外神田2-16-2
https://www.kandamyoujin.or.jp/

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

4月29日は「前田日明 VS アンドレ」セメント試合があった日【連載:アキラの着目】

今日4月29日はプロレスファン、総合格闘技ファンにとって忘れられない日だ。

というのも1986年4月29日は三重県津市体育館にて格闘王・前田日明と大巨人アンドレ・ザ・ジャイアントのセメント試合があった日なのだ。
前田日明 VS アンドレ・ザ・ジャイアント セメント試合

“セメント”とは、昨今一般人でもやたら遣うようになった「ガチンコ」や「ガチ」と同義語だ。

でも「前田日明 VS アンドレ」セメント試合は、ガチンコなのかといったら、それは断じて違うと思う。

やはりこのプロレスの範疇を逸脱した、極めて奇形でいびつな「前田日明 VS アンドレ」セメント試合は、「ガチンコ」や「ガチ」ではなく、”セメント”でしか表現できない試合なのだ。

なぜならば、単なる実力測定やどちらが強いか弱いかを決めるのではなく、相手を壊す・潰すという要素が多分に含まれた試合だったからだ。

突如、何のサイドストーリーや脈絡もなく組まれた「前田日明 VS アンドレ」。

終始不穏な空気が流れていたが、試合開始早々から”セメントモード”で前田は戦っていたわけではなかった。

前田は努めて最初のうちは”プロレス”をしていたのだ。

そんなわけで”プロレスモード”で前田はアンドレと対戦し、「プロレス用の蹴り」を繰り出してた。

それに対しアンドレは、ロープの反動を使って突進してきた前田に対し、”セメントモード”で容赦なくエルボーを顔面に叩き込む。

またアンドレは、己の全体重(約236kg)を浴びせて、前田をガブり、前田を「コ」の字状の、極めて窮屈な体勢を強いらせる。

その後も全圧力をかけ、前田の背後からフルネルソンで絞り上げる。

並みのレスラーならこの時点で簡単にギブアップするところを、身体が人一倍柔軟な前田は、何とかこれを耐え忍ぶ。

そしてようやくUWFの十八番であるゴッチ流サブミッションで前田は反撃。

腕ひしぎ十字固めやアキレス腱固めは、アンドレがあまりにも規格外の身体であるがゆえに、思ったほどの効果を上げられなかったものの、当時まだ正式名称のなかったヒール・ホールドでアンドレの左膝を破壊。

グラウンドからスタンディングに移行した後のアンドレは、かすかに左足をかばい出した。
前田日明 VS アンドレ・ザ・ジャイアント セメント試合

やがて前田は、リングサイドで見ていた星野勘太郎に「本当に(セメントを)やっちゃっていいんですか?」と一応の確認をした後、覚悟を決め、ついに100%の「格闘家・前田日明」モードに切り替わる。

「タダではやられない、せめて1箇所でもアンドレを壊してからやられてやる!」

そう覚悟を決めた後の前田は、重いローキックや、膝の皿にブチ込む”タイマン”仕様の関節蹴りを多用、ついにアンドレを戦闘不能に陥れる。

ノー・コンテストの裁定が下った後、リング上で大の字になり、戦意喪失した大巨人アンドレに対し前田が問い詰める。

それに対しアンドレは、「This is not my business.」。

俺のしわざじゃない、と手を広げて弁明したのだ。

プロレスの試合でありながら、プロレスとして成立しなかった試合。

それは前田を潰すために仕掛けられた”公開処刑”だった。

当時の新日本プロレスにとって目の上のタンコブだったUWF(UNIVERSAL WRESTLING FEDERATION)勢。

そのUWF勢で最も”出る杭”であった前田日明を潰さんがために組まれた試合だった。

223cmの大巨人アンドレを遣って、大勢の観客の前で192cmの前田を壊し、前田に赤っ恥をかかすつもりだったのだ。

だからこの試合は「ガチンコ」や「ガチ」ではなく、”セメント”なのだ。

ゆえに、決して名勝負ではないし、感動を呼ぶ試合でもないし、好きな試合でもない!

しかし筆者にとって一番、「プロレスファンで良かった」、「前田日明ファンで良かった」と心底から思えた試合だ。

覚悟を決めるということ。

己を信じるということ。

これらが高濃度で凝縮されたのが、この「前田 VS アンドレ」のセメント試合だった。

元々この「前田日明 VS アンドレ」は地上波TVにてオンエアされる予定だった。

ところが、新日本プロレスの思惑に反し、前田日明がアンドレを戦意喪失させてしまったから、オンエアするとむしろますます前田やUWF勢の株が上がってしまい、これはマズイ。

たぶんそんな理由で結局この試合は、当時の新日本プロレス=テレビ朝日の判断でオンエアされずにお蔵入りしてしまったのだろう。

だからこの試合は伝説の”裏ビデオ”として極々一部のマニアにしか流通しなかった。

その”裏ビデオ”を、それもダビング5万回重ねたような、かなり粗い画質の”裏ビデオ”を、20年前にやっと入手できた時は、言葉では語りつくせぬ幸福感があった。

でも今では、このお蔵入り試合も鮮明な映像で公式に『秘蔵Ⅰ』としてDVD発売されてるし、YouTubeでも簡単に観ることができる。

「これまでの入手苦労は何だったんだ?」と言いたくなるが、それも時代の流れだから仕方あるまい。

とにかくこの時、もし前田日明がアンドレに負けていたら、その後のプロレス界・総合格闘技界の歴史は現在までの流れとは丸っきり異なっていたことだろう。

前田日明がアンドレに負けていたら、後の第2次UWF(新生UWF)は結成されなかっただろうし、さらにそこから分裂・派生するRINGSも、他のU系団体もなかったことだろう。

また、RINGSと提携し、興行ノウハウを得たことで大成功した正道会館のK-1も出現してくることもなかっただろうし、総合格闘技も生まれることなく、いまだにプロレスだけのままだったかもしれない。

それだけ「前田日明 VS アンドレ・ザ・ジャイアント」セメント試合の持つ意味は絶大で、プロレス・総合格闘技史上、最も重要な事件の1つとして後世まで語り継がれる試合だと筆者は思っている。
前田日明 VS アンドレ・ザ・ジャイアント セメント試合

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

アウトサイダー・朝倉海、二冠王者・堀口恭司をまさかの初回TKO!【連載:アキラの着目】

RIZIN FIGHTING FEDERATION『RIZIN.18』
2019年8月18日(日)愛知・ドルフィンズアリーナ

▼第13試合 RIZIN MMAルール 5分3R(61.0kg)※肘あり
○朝倉海(トライフォース赤坂)
TKO 1R 1分8秒
×堀口恭司(アメリカン・トップチーム)

RINGSアウトサイダー上がりの格闘家・朝倉海(25=トライフォース赤坂)が、ベラトールとRIZINの二冠王・堀口恭司(28=アメリカン・トップチーム)を、まさかの初回1分8秒のTKOで下し、大金星を上げた。

SNS上では「お前じゃまだ早い」、「お前じゃ勝てない」という声が少なくなく、下馬評では堀口勝利を予想する格闘技ファンが多かったにもかかわらず、戦前は「勝てるチャンスもある」と豪語していた朝倉海。

この朝倉海の強気な発言の裏には、地元愛知での開催で「応援団の前で負けるわけにはいかない」という並々ならぬ決意と覚悟、そして兄・朝倉未来との二人三脚で作り上げた緻密な研究・分析がある。

それらに裏打ちされた朝倉海の戦いぶりは、これまでにKO負けしたことのない堀口をパニックに陥れた。

1R、飛び込んで右ストレートを出そうとした堀口を朝倉海の右ストレートがカウンターで炸裂、大きくぐらつき、腰を落とす堀口!

さらに朝倉海は頭が下がった堀口に右のアッパーを2連打!

なおも堀口をロープに詰める朝倉海は、左ヒザのテンカオをヒット!

堀口は手を着きながらもなんとかダウンをこらえるものの、容赦なく連続で繰り出される朝倉海の右フックには後退一方。

最後はダメージで中腰になった堀口へ朝倉海がとどめの打ち下ろすような右ストレート!

脱力した堀口へ朝倉海がパウンドを落としたところでレフェリーが試合を止め、朝倉海のTKO勝ちとなった。

敗れた堀口は試合後、KO惨敗を「全然覚えていないんで分からないです」とコメントしつつも、「朝倉選手が勝ったのでたぶん、ベルトをかけて戦えると思うのでそこできっちり勝ちたい」とベルトをかけての再戦に向けて意欲を示した。

■RIZIN.18 朝倉海 VS 堀口恭司 2019年8月18日(日)ドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

神童・那須川、堀口をキックルールで撃破!【連載:アキラの着目】

2018年9月30日(日)さいたまスーパーアリーナで開催された格闘技イベント「RIZIN.13」の実質メイン試合(キックボクシング特別ルール)において、キックボクサーで”神童”の異名を持つ那須川天心選手(20)が総合格闘家・堀口恭司選手(27)を3―0の判定で撃破した。

RIZIN.13 キックボクシング特別ルールでの那須川天心選手 VS 堀口恭司選手
RIZIN.13 キックボクシング特別ルールでの那須川天心選手 VS 堀口恭司選手

終わってみれば、順当な結果だった。

特別ルールとはいえキックルールだったので、キックボクサーの那須川選手に有利で、勝つのは当然とみられていたからだ。

元々は伝統空手出身で打撃に自信がある堀口選手でも、空手とキックボクシングは似て非なるもので、相手の得意な土俵で戦ったため、負けてしまった。

打ち合いを前提としたスポーツであるキックボクシングと、相手の攻撃をかわしてつつ、遠い間合いから一気に飛び込んで正拳を放つ伝統空手とでは、考え方や戦い方が異なるのだから、そういった意味においては、那須川 VS 堀口は異種格闘技戦だったと言えよう。

那須川選手の土俵だったと言っても、独特のリズムで那須川のキックに合わせ、カウンターで素早く飛び込む堀口選手のストレートは、那須川選手の顔面を何回か捉え、1Rから目が離せない緊張感のある打撃の応酬合戦となった。

試合後の那須川選手のインタビューでも「このカードが決まった時から、本当に緊張でいっぱいでした。こういう勝ちになりましたけど、成長できたと思います」と語り、これまで自身が対戦してきた相手とは異なり、緊張していたことを明かし、まさに戦う前も戦っている最中も緊張感に溢れていた試合だったことが、このインタビューからもわかる。

今回は那須川選手に有利なキックボクシング特別ルールで戦ったことから、もしまた、那須川選手と堀口選手の再戦が組まれたら、総合格闘技ルールでの戦いになるのか興味が集中している。

しかし、それについては堀口選手が「はっきり言うと、(総合格闘技では、那須川選手は私の)相手にならないと思う。自分が勝っちゃうので、面白くないかな」と一刀両断に語った。

したがって、この那須川選手、堀口選手による戦いは、今回の1回だけなのかもしれない。

もし再戦が組まれるとすれば、それは那須川選手が進化し、総合格闘技選手として完成した時だ。

その進化・完成までの期間が長いと、今度は堀口選手の選手としてのピークが過ぎてしまう可能性があるため、お互いの総合格闘技における「旬」次第となるだろう。

はたして那須川選手が、本格的に総合格闘技の領域に踏み込むのか、今後の展開を期待したい。

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

寝技&関節技が回転!「QUINTET FIGHT NIGHT in TOKYO」6.9ディファ有明【連載:アキラの着目】

伝説の”グレイシー・ハンター”桜庭和志選手プロデュース「QUINTET」

史上最大のグラップリング五人ピック QUINTET公式HPから引用

プロレスファン、総合格闘技ファンなら誰もが知っている、レジェンド的存在の”IQレスラー”桜庭和志選手。

なぜレジェンドなのかというと、総合格闘技の創世記において向かう所敵なしだったグレイシー一族に対し、絶対的な強さを発揮したからだ。

2000年当時、日本で人気を博していた総合格闘技団体・PRIDEにて桜庭和志選手は、ホイラー・グレイシー(ヒクソン・グレイシー、ホイス・グレイシーの弟)、ヘンゾ・グレイシー(ヒクソン・グレイシー、ホイス・グレイシーの従兄弟)を次々に撃破、いよいよグレイシー一族名誉回復のために立ち上がったホイス・グレイシーとの対戦に漕ぎ着け、見事に完勝したのだった。

桜庭和志 VS ホイス・グレイシー cdn-ak.f.st-hatena.comから引用
桜庭和志 VS ホイス・グレイシー cdn-ak.f.st-hatena.comから引用

あの伝説の試合から18年が経過、”IQレスラー”、”グレイシー・ハンター”の異名を持つ桜庭和志選手も、総合格闘技選手としての衰えには抗えず、第一線からいつの間にか退く形となった。

しかし、打撃なしのグラップリング(寝技、関節技)のみの限定ルールならば、まだまだ現役で戦えることもあり、そのルールに特化した格闘技興行「QUINTET」を桜庭和志選手が今年4月に立ち上げたわけだ。

そしてその第2弾興行「QUINTET FIGHT NIGHT in TOKYO」が、またまた桜庭和志プロデュースの下、本日6月9日ディファ有明にて開催される。

5人1組の団体戦である「QUINTET」は対戦順にも注目!

「QUINTET」という興行名の通り、5人1組のチームとなり、勝ち越したチームが勝ち上がるトーナメント方式を採用。

柔道団体戦のように、勝った選手は、負けか引き分けるかまで戦い抜く。

この5人による団体戦形式では、各チームとも対戦順にかなりの知恵を絞っている。

先に比較的弱い選手を並べておき、後半に強い選手を温存したりするチームがあったり、あるいは1番最初に強い選手を置き、その選手1人であわよくば「5人抜き」を画策しようというチームもあったりで、それぞれのチーム戦略が見え隠れするので、それを観るのも面白い。

実際に、前回4月の「QUINTET」旗揚げ興行では、1人の選手が「2人抜き + 引き分け」をし、実質的に相手選手3人に連続で負けなかった選手もいたのだ。

「QUINTET FIGHT NIGHT in TOKYO」6.9ディファ有明に所英男選手率いるチームや、世界トップレベルの柔術選手チーム等も参戦

「QUINTET FIGHT NIGHT in TOKYO」6.9ディファ有明大会では、ZST(ゼスト)やDynamite!で活躍した”リアル回転体”所英男選手率いる「TEAM TOKORO PLUS α」、田村潔司選手の愛弟子・中村大介選手率いる「TEAM U-ZUKIDO」、現在の柔術界で間違いなく世界トップ選手と評価されるホベルト・サトシ・ソウザ選手率いる「TEAM HALEO」、日本柔術最強軍団の呼び声高い「TEAM CARPE DIEM」の4チームが出場する。

史上最大のグラップリング五人ピック QUINTET公式HPから引用
史上最大のグラップリング五人ピック QUINTET公式HPから引用

最高レベルの寝技・関節技の使い手たちが集結するだけあって、今からどのような華麗な技を観ることができるか、かなり楽しみだ。

ちなみに前回4月大会では、以下の動画のような瞬時に極まった試合もあった。

寝技や関節技が”回転する”展開なので、意外と膠着試合が少ない。

なので、ほぼ関節技・絞め技の1本で極まる試合が多かったゆえに、全然退屈することなく、スピーディーな展開で、初心者でも楽しめる内容だったのだ。

興行は”水物”であり、何が起こるかわからないので、「QUINTET FIGHT NIGHT in TOKYO」6.9ディファ有明大会も間違いなく100%面白いとは断言できないが、それでもかなりの高い確率で楽しめる試合が頻発することだろう。

「QUINTET FIGHT NIGHT in TOKYO」6.9ディファ有明大会は、6月9日(土)15:00~19:30AbemaTVにて独占無料生中継されるので、少しでも興味のある人には観戦をお勧めする。

QUINTET FIGHT NIGHT in TOKYO
-Light Weight Team Championship-

●日時:2018年6月9日(土)
●開場・開始:開場 14:30 開始 15:00
●会場:ディファ有明
●アクセス:東京都江東区有明1-3-25
新交通ゆりかもめ 有明テニスの森駅
臨海副都心線 国際展示場駅
●主催:株式会社ラバーランド
●協力:一般社団法人日本ブラジリアン柔術連盟
D-NET(DOJO NETWORK JAPAN)
●協賛:シンエネルギー開発
HALEO
CARPE DIEM
reversal.dogi.design.works
関総業
BRAVO
●メディア:AbemaTV
●入場料金(消費税込):S席 10,000円
A席 7,000円
B席 5,000円 (完売)
※小学生以上有料 小学生未満は席が必要な場合は有料
●お問合せ:ラバーランドinfo@quintet-fight.com

■史上最大のグラップリング五人ピック QUINTET公式HP
https://www.quintet-fight.com/

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

観客の期待値を上回る成長・進化の那須川天心選手(キックボクシング)【連載:アキラの着目】

観客の期待値を上回る成長・進化の那須川天心選手(キックボクシング)【連載:アキラの着目】

もうすでに格闘技好きの人からは「取り上げるのが遅いよ!」と言われそうだが、一応まだよく知らない人たちのために、FJ時事新聞で取り上げておこう。

今回のニッポンニュースで取り上げるのは、怪童・那須川天心選手だ!

昨日3月22日に高校(4年制)を卒業したばかり(2018年3月23日現在)で、まだあどけない表情ものぞかせる那須川天心選手は、キックボクシングで右に出る者がおらず、無敵を誇っている。

那須川 天心 公式Twitterより引用
那須川 天心 公式Twitterより引用

これまでに那須川天心選手の後塵を拝した相手選手たちは、現役ムエタイ王者や、ボクシングの全日本選手権・国体・インターハイ・全国選抜を制した超強豪選手、またILFJ認定ラウェイ王者でWPMFスーパーバンタム級王者でもあった選手など、錚々たる実績の猛者ばかり。

相手選手は面白いように、真正面から来る那須川天心選手のストレートに素速く反応できずに、そのまま顔面にもらってひっくり返る。

真っ直ぐ真正面から来るのがわかっているのだから、素人考えでは「真正面のストレートくらい防いでよ!」と簡単に思ってしまうだが、そんなことは相手選手も百も承知。

でも、その上を行く那須川天心選手の”光速”ストレートで、相手選手は皆、反応できずマットに沈められるのだ。

必殺技はパンチだけではない、相手が悶絶する暇すら与えないキックも威力抜群だ。

「百聞は一見にしかず」だから、とにかくこの動画を観てみよう。


※2’38″付近がKOシーン

この試合の時点では、那須川天心選手はまだ18歳。

この先まだどのくらいの伸び代があるのだろうか、と観客の期待値はさらに上昇し続けるも、那須川天心選手はその期待値を遥かに上回る成長・進化で、毎試合、観客・関係者の度肝を抜きまくっている。

その成長・進化とは、具体的には総合格闘技への挑戦とそこでのKO勝ちで、オールラウンドな対応力もピカイチだ。

那須川 天心 オフィシャルブログより引用
那須川 天心 オフィシャルブログより引用

また、那須川天心選手は入場シーンから常にファンの期待を裏切らないし、楽しませてくれる。

那須川天心選手の入場テーマ曲・矢沢永吉『止まらないHa~Ha』は、団塊の世代やその少し手前の世代の人たちの心にも響き渡り、彼らの共感が那須川天心選手のエネルギーに変換してるだろうことは、想像に難くない。

とにかく数十年に1人の逸材だから、まだ知らない人は、ぜひこの「那須川天心」という名前を脳裏に焼き付けておこう!

■那須川 天心 公式Twitter
https://twitter.com/teppentenshin?lang=ja

■那須川 天心オフシャルブログ
https://ameblo.jp/tenshin-0818/

プロレスファンを”教育”して、総合格闘技ファンに育て上げた前田日明【連載:アキラの着目】

昨日の大晦日、筆者はさいたまスーパーアリーナで『RIZIN』を観戦していたのだが、相変わらず歯がゆい思いを感じずにはいられなかった。

なぜならば、本来総合格闘技を取り仕切るべき人が取り仕切っていないからだ。

なぜ高田延彦が総合格闘技を取り仕切るのか、それよりも前田日明が取り仕切るべきなのではないか。

前田日明リングス総帥
前田日明リングス総帥
「前田日明45th Anniversary」より引用

今でこそ未熟ながらも総合格闘技という競技ジャンルが確立し、大晦日に興行が打てて、多くの観客・ファンが入っている状況だが、ここまでに至る道程は一朝一夕にできたわけではなかった。

そもそも総合格闘技自体が存在しない、ゼロからのスタートだったので、茨の道だったのだ。

総合格闘技のなかった時代では、プロレスが熱狂的な求心力を持っていた。

しかし、プロレスはかなり特異なジャンルで、知れば知るほど「?」ということが頭をよぎってしまうものでもあったのだ。

その疑問符を解消してくれ、というファンのニーズに応えたのが、佐山聡(初代タイガーマスク)であり、前田日明だったのだ。

佐山聡と前田日明の目指す所は、ほぼ同じで、ファンの「?」を解消すべく、「プロレスのスポーツ競技化」を推進しようとしたのだが、方法論が異なっていた。

佐山聡はラジカルに「プロレスのスポーツ競技化」を進めようとしたのだが、前田日明はじっくり時間をかけて進めようとしたのだった。

佐山聡の急進的な「プロレスのスポーツ競技化」だと、観戦の目が肥えた”エリート・プロレス・ファン”しかついてこれない。

まだアキレス腱固めやヒール・ホールドといった関節技や打撃技が、今のように多くのプロレス・ファンに幅広く認知されていなかったので、まずは関節技とはこんなふうにかけて、こんな所が痛いんですよ、利くんですよ、といったことを試合を通じて啓蒙するところから始めなければならなかったのだ。

だから佐山聡が創り出した総合格闘技「シューティング」(現・修斗)は、当時プロレスファンを多く誘導することができず、興行的に苦戦を強いられ、アングラな格闘技に過ぎなかった。

それを目の当たりにしていた前田日明は、選手が食っていけるようにするためには興行的な成功を収めなければならない、そのためにはプロレス・ファンを”教育”して、総合格闘技ファンへとバージョン・アップさせて、総合格闘技の会場に来てもらうしかないと考えたのだ。

その”教育”装置がUWF(ユニバーサル・レスリング・フェデレーション)なのだ。

第1次UWFでは、佐山聡と前田日明は共に在籍していたのだが、前述の方法論の違いで決別、佐山聡は独自の総合格闘技「シューティング」を興し、前田日明はその後第2次UWFへと突き進む。

特にこの第2次UWFがプロレスと総合格闘技の架け橋的存在というか移行的存在となり、プロレス・ファンは総合格闘技ファンとして前田日明に育てられたのだった。

だから、この功績により、本来総合格闘技を取り仕切るのは前田日明だろ、というのはそういうことなのだ。

今年2018年は、その前田日明が久々に本格的に動き出す。

かつてのRINGS(リングス)のようなヘビー級の大会を開催するという。

前田日明から目が離せない!

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099