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ここは一体東京のどこ?~Part20~【連載:アキラの着目】

しばらくお休みしていた「ここは一体東京のどこ?」。

FJ時事新聞ニッポンニュース恒例の、昔の東京の街に関する写真や絵を見て、それがどこなのかをあてるシリーズの第20弾だ。

ではいつもの通り早速問題へ。

Q1.ここは東京のどこなのか?

Q2.ここは東京のどこなのか?

Q3.ここは東京のどこなのか?

おわかりになったであろうか。

では順番に正解を発表する。

A1.港区芝浦(竹芝橋 東京ポートボール方面)

港区芝浦(竹芝橋 東京ポートボール方面)

正解は港区芝浦で、それも竹芝橋だ。

古いほうの写真は、もうFJ時事新聞を見慣れている人ならおわかりかと思うが、伝説の刑事ドラマ『西部警察』でのワンシーン。

加納竜さん演じる新人刑事・桐生一馬が一般道を高速で走行し、ダイブした名シーンなのだ(芝浦運河を飛び越えたシーンとは異なる)。

背景の窓ガラスが細かいビルは現在も存在している東京ポートボールというボーリング場。

この竹芝橋のある通りは「旧海岸通り」で、『西部警察』では頻繁にカーアクションで使われたロケ地なのだ。

A2.港区芝浦(芝浦運河通り 愛育病院前)

港区芝浦(芝浦運河通り 愛育病院前)

これまた正解は港区芝浦で、芝浦運河通りのほう。

写真右手には現在、愛育病院が建つ。

地図をご覧頂ければ一目瞭然だが、芝浦運河通りの愛育病院前は、第1問の竹芝橋とは目と鼻の先ほどの距離。

つまり、『西部警察』のカーアクションは、同じ芝浦界隈で撮影されても、同じエリアばかりで撮影したと視聴者から悟られないように、様々な角度から撮影されていたのだ。

A3.港区芝浦(竹芝橋 北側)

港区芝浦(竹芝橋 北側)

正解は、これもやはり港区芝浦で、竹芝橋の北側から撮影している写真だ。

「3つ連続で港区芝浦とは、いいかげんにしろ!」と怒り心頭の人もいるかもしれないが、そこは気長にお付き合い願いたい。

竹芝橋は道路の平地部分に比べ、一段高いため、古い写真でいうと、クルマ3台の背景に映り込む道路面が高くなっているのが判別ポイントの1つ目。

もう1つの判別ポイントは、やはり背景に映り込んでいる、道路の突き当りにある茶色の建物だ。

この茶色の建物は現在も存在しているので、ゆえに東京都港区芝浦と判別できるのだ。

では最後に恒例の今昔対比でおさらいを。

港区芝浦(竹芝橋 東京ポートボール方面)の今昔

港区芝浦(竹芝橋 東京ポートボール方面)の今昔

港区芝浦(芝浦運河通り 愛育病院前)の今昔

港区芝浦(芝浦運河通り 愛育病院前)の今昔

港区芝浦(竹芝橋 北側)の今昔

港区芝浦(竹芝橋 北側)の今昔

今後も気になる昔の東京の街の写真や浮世絵、錦絵、木版画、『西部警察』のロケ地を見つけたら、取り上げてみたい。

昭和の名刑事ドラマ『西部警察』のロケ地は港区芝浦多し【連載:アキラの着目】

昭和のドラマを観るのが好きな人は、結構いるものだ。

現在と異なる東京の町を観ることができるから、という理由で観る人もいるのだが、筆者もその1人だ。

それも、自分の知っている町だとなおさら嬉しくなり、何回も録画あるいはDVDを巻き戻しては、再生して確認するということまでしてしまうのだ。

特に昭和の名刑事ドラマ『西部警察』は根強いファンがいることから、ロケ地の”解析サイト”まであるくらいだ。

そうした”解析サイト”で把握してから『西部警察』を観ると、「なるほど~、あの場所か!」といとも簡単にわかってしまうのだ。

そんなわけで、『西部警察』は、主に港区芝浦エリアで撮影されていたことが判明。

昭和の芝浦は、倉庫だらけで今ほど一般車両の交通量が多くなく、比較的カーチェイスやカーアクションを撮影しやすかったのかもしれない。

数あるカーチェイスやカーアクションの中でも、「東京都芝浦御循水路 護岸対策工事」の衝立を高速走行で突き破り、運河を飛び越えるシーンはダントツで視聴者の脳裏に焼き付いたが、その場所もどこだか解析されているのだから、『西部警察』マニア恐るべしだ。

まずは、その場所の地図。
ドラマ『西部警察』のカーチェイスやカーアクションのロケ地だった港区芝浦エリア

赤い線の通りにフェアレディZが走行し、運河を飛び越えたわけだ。

あとはシーン毎に今昔で対比しよう。

昭和 『西部警察』ドラマ『西部警察』のカーチェイスやカーアクションのロケ地だった港区芝浦エリア
現在

ドラマ『西部警察』のカーチェイスやカーアクションのロケ地だった港区芝浦エリア 現在は右手に愛育病院が建つ
ドラマ『西部警察』のカーチェイスやカーアクションのロケ地だった港区芝浦エリア
現在は右手に愛育病院が建つ

「東京都芝浦御循水路 護岸対策工事」の衝立を突き破って運河を超える
「東京都芝浦御循水路 護岸対策工事」の衝立を突き破って運河を超える
別の角度から
別の角度から

昭和 『西部警察』
現在

フェアレディZが大ジャンプした運河を横から見る
フェアレディZが大ジャンプした運河を横から見る

昔に比べて、現在の運河は幅が狭くなっていることがわかる。

この幅ならば、大ジャンプは楽勝だが、昭和の当時はギリギリ対岸に着地した後、フェアレディZは裏返しになり、ドライバーのスタントマンは脊髄を損傷する大怪我を負ったとのことだ。

現在では、この港区芝浦の地が、『西部警察』のカーチェイスやカーアクションを撮影していたロケ地だったとは、昔からの住民でない限り、ほとんど誰も知らないだろう。

東京の町を今昔対比するのは面白いものだ。

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

旧芝浦花街の「見番」再生、地域住民交流の場・伝統文化交流館に【連載:アキラの着目】

港区立伝統文化交流館 港区立伝統文化交流館公式サイトから引用かつての東京には50近くの花街(かがい・はなまち)が存在した。

花街についてよく知らない人のために説明すると、花街とは元々、芸者屋、遊女屋が集まっているエリアをいっていた。

近年では、芸妓(=芸者)のいるエリアを花街といい、遊女・娼婦はいない。

話を元に戻すと、今でも東京で現存している花街は神楽坂や赤坂、新橋などで、廃れて消滅した花街のほうが圧倒的に多い。

芝浦(東京都港区)も花街が消滅してしまったエリアだ。

しかし、往時の姿を残す、見番(※)だった木造建築は、奇跡的に残されている。

旧芝浦花街にある見番だった木造建築(2012年当時)
旧芝浦花街にある見番だった木造建築(2012年当時)

芝浦花街の見番だった木造建築は、昭和11年に芝浦花柳界の見番として建設され、利用されたが、東京都が建物を買い取り、戦後は「協働会館」として港湾労働者宿泊所に利用されてきた。

平成21年に東京都から港区へ無償譲渡されたのを機に港区は、見番だった木造建築を港区有形文化財に指定したが、前掲画像および以前のニッポンニュース(2017年11月13日ニッポンニュース「FJ時事新聞近辺散歩 ~芝浦(東京都港区)~【連載:アキラの着目】」)で取り上げた通り、老朽化のためネットが張られ、しばらくは立入禁止だった。

ところが、平成26年度に、歴史的に貴重なこの、見番だった木造建築を保存し、かつ区民等の利用に供して利活用するために、地域との意見交換も踏まえ、整備計画を策定したのだ。

そしてついに、今年令和2年5月26日に伝統文化交流館としてオープン、様々な伝統文化や地域の文化に関する事業を行うことにより、伝統や文化を次世代へと繋いでいく施設に再生されたのだった。

港区立伝統文化交流館 港区立伝統文化交流館公式サイトから引用
港区立伝統文化交流館
港区立伝統文化交流館公式サイトから引用

施設内には地域の歴史・文化展示スペース、観光案内・散策立ち寄りスペース、福祉喫茶・特産品等紹介販売スペースが設置され、舞台もあることから寄席や演劇等の公演も催されることだろう。
港区立伝統文化交流館 港区立伝統文化交流館公式サイトから引用

港区立伝統文化交流館内 港区立伝統文化交流館公式サイトから引用
港区立伝統文化交流館内
港区立伝統文化交流館公式サイトから引用

無料だから、近隣に住んでいる人やオフィスで勤務している人は、行ってみるべし。

※見番とは、「置屋」、「料亭」、「待合」からなる「三業」を取りまとめて、芸者の取次や派遣、遊興費の清算をする施設をいい、検番と表記することも。

【伝統文化交流館(旧協働会館) 概要】

・所在地:港区芝浦1-11-15(2階建)
・アクセス:JR田町駅東口 徒歩8分、都営地下鉄三田駅A6出口 徒歩9分、ちぃばす芝ルート・芝浦港南ルート(品川駅港南口行)「みなとパーク芝浦」徒歩3分、芝浦港南ルート(田町駅東口行)「芝浦一丁目」徒歩4分
・開館日:1月4日~12月28日(その他臨時休館日あり)
・開館時間:午前10時~午後9時
・入館料:無料(「交流の間」を貸切利用する場合や、催しによっては別途料金かかる場合あり)
・敷地面積:618.10平方メートル
・延床面積:442.36平方メートル
・問合せ:03-3455-8451

港区立伝統文化交流館までのアクセス 港区立伝統文化交流館公式サイトから引用
港区立伝統文化交流館までのアクセス
港区立伝統文化交流館公式サイトから引用

【伝統文化交流館(旧協働会館) 貸室の案内】

2階「交流の間」を貸室として利用可能(要事前の利用登録)

・対象:区内在住・在勤・在学の団体または個人
・貸室使用料:午前 午前10時から正午まで 5,700円
       午後 午後2時30分から5時30分まで 8,500円
       夜間 午後6時から9時まで 8,500円

来館にあたっては、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、以下のことに理解と協力をすること

●ご来館前に健康状態の確認と検温を行い、体調のすぐれない場合は来館を控えること
 ※37.5度以上の発熱がある、息苦しさ(呼吸困難)・強いだるさがある、軽度であっても咳・咽頭痛などの症状があるなど
●過去2週間以内に、感染が引き続き拡大している国・地域へ訪問したことがある場合は、来館を控えること
●館内ではマスク着用必須
●手指消毒すること
●周囲の人との間に適度な距離(最低でも1メートル以上)をとること
●混雑時は入場制限で待つ場合あり
●来館時は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために、氏名・緊急連絡先等の記入に協力頂く

■港区立伝統文化交流館
https://minato-denbun.jp/

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099