ここ数年、若い世代を中心に秘かなブームとなっているのがレトロだ。
カセットテープやそれを聴くためのカセットデッキが、若い世代にとっては新鮮に映り、物珍しさからあえてカセットテープに録音して聴いてみたりしている輩もいるのだとか。
興味の対象となるレトロものは、決してオーディオだけとは限らず、昔懐かしの娯楽遊戯ものにまで及ぶ。
それがスマートボールだ。
かつては全国至るところの温泉街にあった、アトミックピンボールのような、ボールが釘の間をすり抜けるアレだ。
高度経済成長期には”大繁昌”したスマートボールの遊技場だが、徐々に衰退し始め、昨年2020年1月には東京で唯一のスマートボール専門店「三松館」(浅草)が閉店し、ますますスマートボールは絶滅危惧種的な遊戯となってしまった感がある。
そんな希少価値があるスマートボールは、令和3年の現在、大阪ミナミでは健在だ。
知る人ぞ知る、下町情緒あふれる通天閣のすぐ近くにあるスマートボール専門店のニュースター(大阪市浪速区)は、老人客だけでなく、若い世代の客も見られる。
100円玉を投入すると、ピンボールほどの玉が25個出てきて、それを1個ずつ盤面に打ち込んでゆく。
5点、15点と書いた穴に入ると、得点数の分だけ玉が出てきて、最終的にその得点数によって景品と交換してもらえるという単純なゲームのスマートボールなのだが、最新のビデオゲームにはない、レトロでアナログで素朴なところが若い世代には珍しくてたまらないのだろう。
大阪ミナミにあるニュースターだけは、昭和の良きレトロな遊具をずっと後世にまで遺してほしいものだ。
【ニュースター 詳細】
・所在地:大阪府大阪市浪速区恵美須東3-5-19
・アクセス:地下鉄御堂筋線「堺筋線動物園前」駅5番出口より動物園方面へ徒歩5分
・営業時間:10:00~21:30
・休業:月4回不定