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毎年恒例の城郭イベント、「お城EXPO 2021」2021年12月18日(土)・19日(日)開催!【連載:アキラの着目】

今年もやってきた、毎年恒例の「お城EXPO」!

「お城EXPO 2021」は2021年12月18日(土)・19日(日)にパシフィコ横浜ノースで開催される。

2021年12月18日(土)・19日(日)にパシフィコ横浜ノースで開催される「お城EXPO 2021」
2021年12月18日(土)・19日(日)にパシフィコ横浜ノースで開催される「お城EXPO 2021」

城にまつわる資料展示やスペシャリストによる講演等、城の知識を深めることができるプログラムが盛りだくさんの日本最大級の城イベントが「お城EXPO 2021」。

開催期間は前述の通り2021年12月18日(土)・19日(日)の両日なのだが、プレミア前夜祭と題したイベントも充実しており、京都交響楽団のメンバーによって特別編成された演奏者の方々が、戦国時代ドラマのテーマ曲を金管五重奏によって披露するスペシャルコンサートが予定されている。

これ以外では、城郭マニアや歴史マニアにはお馴染みの小和田哲男先生(日本城郭協会理事長)と小和田泰経さん(歴史研究家・日本城郭協会理事)親子による「2021年お城の10大ニュース」もあるし、信州・武田家研究で知られた平山優先生による「三方原合戦と徳川方の諸城」という講演もある。

前夜祭ということでこれらプログラムは昼間でなく、夜の時間に組まれており、会社帰りに寄れる時間帯でもあるので、興味のある人はぜひ訪れてみることをオススメする。

本開催では城郭研究で名を馳せる千田嘉博先生や中井均先生が講演されるし、春風亭昇太師匠も「最強の城の条件は」というテーマで加藤理文先生との対談形式によるプログラムもあり、城好きにとってはどれもこれも聴きたくなるものばかりだ。

講演会場は「本丸御殿会場(1階)」と「天守会場(3階)」に分かれており、同じ時間帯にそれぞれの会場で行われているプログラムを聴きたくて、迷ってしまうこともあるかと思うが、そこは割り切ってどちらか1つのプログラムに絞って聴くしかない。

それくらい魅力的な講演ばかりなのだ。

今年も城好きはパシフィコ横浜へ繰り出せ!

 

【お城EXPO 2021 開催概要】

・会期:<プレミア前夜祭> 2021年12月17日(金)17:00-21:00(途中入場可)
2021年12月18日(土)9:00-18:00(最終入城 17:30)・19日(日)9:00-17:00(最終入城 16:30)
・会場:パシフィコ横浜ノース(神奈川県横浜市西区みなとみらい1-1-2)
・主催:お城EXPO実行委員会(公益財団法人日本城郭協会、城びと〈株式会社東北新社〉、株式会社ムラヤマ、パシフィコ横浜)
・問合せ:「お城EXPO 2021」事務局(株式会社ムラヤマ内)
メールアドレス oshiroexpo2021@murayama.co.jp
電話番号 03-6221-0830(受付時間 平日10:00~17:00)
・後援:日本政府観光局(JNTO)/神奈川県/横浜市/公益財団法人 横浜観光コンベンション・ビューロー/一般社団法人 日本旅行業協会(JATA)/横浜商工会議所/朝日新聞Reライフプロジェクト/読売新聞社/神奈川新聞社/tvk/日本忍者協議会/全国山城サミット連絡協議会/北条五代観光推進協議会
・協賛:ヨコハマ グランド インターコンチネンタルホテル/横浜ロイヤルパークホテル/ヒビノメディアテクニカル株式会社/株式会社マザーズシステムジャパン/JFEテクノス株式会社/株式会社セノン/和光産業株式会社/株式会社伊藤園/株式会社ソフテム/あっぱれ!JO
・特別協力:日販セグモ株式会社/横浜みなとみらいホール/株式会社ワン・パブリッシング/NAKED, INC

 

■お城EXPO 2021
http://www.shiroexpo.jp/

 

 

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

好きな時にどこからでも受検可能、日本城郭検定オンライン入門級【連載:アキラの着目】

日本には国宝・姫路城をはじめとした優美な城が全国に存在する。

しかし、そうした優美な城は全体の一部にしか過ぎない。

というのも、日本全国には天守のない城のほうが圧倒的に多く、その数は3万~4万ともいわれているからだ。

なので、城というと大抵の人は前述の姫路城のように天守のある城を思い浮かべるが、多くの城は山に土塁や堀、切岸、虎口(こぐち。城の出入口)、馬出(城門防御&出撃口)などが築かれた、天守のない城ばかりなのだ。

天守のない城でも愛好家やマニアがおり、様々な城を巡ってはそれらの知識・情報をインプットし、各自が”自称「城博士」”となってゆくのだ。

”自称「城博士」”は他の城マニアと比較して、どのくらいの位置に自分はいるのか気になるものだ。

それを測ることができる指標にもなり、ステータスにもなるのが日本城郭検定だ。

検定主催者側からすれば、日本の財産である、城の奥深い魅力をより多くの人に知って欲しいという思いで日本城郭検定を行なっている。

その日本城郭検定がなんとWeb上で、それも無料で受けられるという画期的なオンライン入門級が登場した!!

日本城郭検定 オンライン入門級 公式サイトから引用
日本城郭検定 オンライン入門級 公式サイトから引用

好きな時にどこからでも無料で受検できるのは、とてもありがたい。

受検に失敗してもお金がかからないし、クイズ感覚で受検できるから、城マニアでなくともとにかくチャレンジしてみよう!

貴方でも認定証をもらえるかもしれない。

【日本城郭検定 オンライン入門級 詳細】

・出題形式:50問出題(四者択一)
・制限時間:60分
・合格基準:30問以上正解で合格
・受験料:無料
・認定証:合格後すぐにダウンロード可能
・主催:日本城郭協会
・特別協力:株式会社ワン・パブリッシング
・企画・運営:日販セグモ株式会社

■日本城郭検定 オンライン入門級 公式サイト
https://www.kentei-uketsuke.com/shiro/online/

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

城マニア垂涎の1冊『日本のお城 縄張図集』【連載:アキラの着目】

ここ最近でかなり増加してきた城マニア。

一口に城マニアといえども、天守のある城だけを巡る人もいれば、天守なしの城やかつての城下町や総構えの内側をも丹念に巡る人もいる。

後者の城マニアの場合、「縄張図」という城のレイアウト図を見ながら巡ることが多く、その縄張図があるとかなり重宝するのだ。

有名な城ならば、案内図や縄張図が確実にあるので、それを見ながら城を巡ることができるのだが、それほど有名ではない城だと縄張図がないことがあったり、見つけにくいことがある。

そうなると、”手探り状態”で城を巡ることになるのだが、効率が悪いのだ。

そんな城マニアにとって重要な縄張図、それも多くのマニアックな城ばかりの縄張図集が自費出版された。

それが『日本のお城 縄張図集』(渡邉敬 著 山城出版)だ。
『日本のお城 縄張図集』(渡邉敬 著 山城出版)

今から18年前に50の手習いならぬ60の手習いで始めた縄張図描きが、80歳を迎える今では描きためた縄張図が430城を超えるまでに。

毎年恒例の「城郭研究者セミナー」での情報公開コーナーでその年に描いた縄張図を発表するも、城マニアの先輩方から「このまま城の縄張図が埋もれているのはもったいない。ぜひ縄張図集として出版すべき!」と勧められ、満を持しての書籍化となったのだ。

1頁1頁繰ると、城マニア大好物の城ばかりが出現する。
『日本のお城 縄張図集』(渡邉敬 著 山城出版)

まさに『日本のお城 縄張図集』は城マニア垂涎の1冊だ。

この『日本のお城 縄張図集』さえあれば、城の縄張がわからずただやみくもに歩き回って藪で立ち往生することもなくなり、実に効率的に城の造りを把握することができる。

ちなみに、『日本のお城 縄張図集』に掲載されている城郭は、北は北海道から南は沖縄までの全国津々浦々で、日本中の城マニアが満足すること確実だ。

【都道府県別 掲載城館名】

●北海道
桂ヶ岡チャシ、倉栄チャシ、アオシマナイチャシ、タブ山チャシ、カムイチャシ、館山チャシ、志海苔館、勝山館

●青森県
湯口茶臼館、真言館、浪岡城、石亀館、黒土館

●岩手県
一戸城、江刺家館、小国館、岩崎城、上須々孫館、立花高館、唐梅城

●秋田県
大湯城、小平館、羽後松山城、鎧ヶ崎城、八反田城、田代城

●山形県
金山城、愛宕山城、太郎田館、判兵衛館、小国城、清水城、次年子楯、河島山遺跡、小国城、中山城

●宮城県
大瓜城、大窪城、村田館、古屋館、荒山城、三沢城、柴小屋館、金山城

●福島県
新地城、比丘尼館、大森館、白土城、鯨岡館、下宿御所館、宇津峰城、大寺城、小屋山館、三森館、赤館城、関ノ森城、一夜館、三坂館、中丸館、赤坂館、上遠野城、東館、桑折西山城、大鳥城、檜原城、松山城、長沼城、九々布館、久川城

●新潟県
小野城、米山寺城、長峰城、荒砥城、京ヶ岳城、箕冠城

●富山県
銀納砦、海老瀬城、桑山城、西勝寺城

●石川県
萩城、松波城、二穴城、和田山城、鷹巣城、朝日山城

●福井県
越前大野城、戌山城、小山城、朝倉山城、細呂木館

●茨城県
車城、東野城、山入城、天神山城、田渡城、宇留野城、御前山城、上入野城、古徳城、足崎城、金上城、久下田城、橋本城、谷貝峰城、館岸城、小幡城、大館・小館、飯塚城、金田城、下小池城、小坂城、木崎城、楯ノ宮館、相賀城、木原城、林外城、守谷城、長山城

●栃木県
芦野城、伊王野城、岩谷要害、佐久山城、武茂本城、武部城、武茂西城、新地館、金枝城、下川井城、勝山城、千本城、茂木城、犬飼城、児山城、多功城、神楽ヶ岡城、箕輪城、皆川城

●群馬県
宮野城、明徳寺城、長井坂城、棚下砦、白井城、箱田城、鷹留城、膳城、五覧田城、大胡城、山名城、根小屋城、麻場城、内匠城、真下城

●埼玉県
猪俣城、金尾要害山城、高見城、杉山城、山田城、松山城、菅谷城、箕田の城山、大築城、大堀山城、柏原城、岡城、滝之城、勝楽寺城、三峰城

●東京都
深大寺城、小野路城、小山田城、片倉城、今井城、勝沼城、枡形山城

●千葉県
松ヶ崎城、根戸城、増尾城、佐津間城、長沼城、東和泉城、矢作城、山崎城、森山城、須賀山城、見広城、八日市場城、飯高城、久方城、本佐倉城、高田山城、師戸城、飯重城、鹿渡城、立堀城、山室城、坂田城、田間城、犬成城、真里谷城、三直城、富津砲台、千本城

●神奈川県
小沢城、茅ヶ崎城、小机城、篠原城、深見城、上ノ山城、大矢部城、新井城、大庭城、河村城、湯坂城、土肥城

●山梨県
谷戸城、笹尾砦、獅子吼城、中山砦、白山城、牧野砦、駒宮砦、真篠砦

●長野県
後谷城、野尻新城、割ヶ岳城、古海城、壁田城、替佐城、雁田城、大倉城、小柴見城、寺尾城、飯田城、中山城、平尾城、城ヶ峰、妻籠城、田草城、式部城

●静岡県
上山田山陣城、韮山城、大見城、鎌田城、柏久保城、狩野城、大沢城、下田城、葛山城、

●葛山館、千福城、戸倉城、勝間田城、千頭峯城

●愛知県
日近城、慈眼寺館、下り地城、山中城、西川城、岩略寺城、和田城、二連木城、赤岩城、船形山城

●三重県
柚井城、治田城、保々西城、城山城、鹿伏兎城、宮山城、稲垣城、五箇所城、福地城

●岐阜県
広瀬城、篠脇城、加治田城、大森城、小原城、今城、松尾山城、前田砦、細野城、長山城、明智城

●滋賀県
賤ヶ岳砦、長比城、佐生城、布瀬山城、佐久良城、土山城、上野城、和田城、後藤氏館

●京都府
吉原山城、溝尻城、堂奥城、佐武嶽城、館城、高津城、中尾城、平山城、丹波城、直見城、大戸城、日置谷城

●大阪府
山辺城、野間城、野間館、安威砦、高安山城、金胎寺城、烏帽子形城、上赤阪城、稲葉城、根福寺城

●奈良県
菅生城、岡西山城、本郷城、本郷東城、赤埴城

●和歌山県
尾崎城、霜山城、今城山城、皮張城、志賀城、平岩城、南山城、神田城、手取城、高城山城

●兵庫県
竹田城、小谷城、荒木城、篠ノ丸城、長水城、上月城、下土井城

●岡山県
爪ヶ城、矢櫃城、高山城、尼ヶ城、林野城、矢櫃城、日上山城、小田草城、神楽尾城、嵯峨山城、州前城、、竹山城、荒神上陣城、楽万上陣城

●鳥取県
上ノ山城、二上山城、妙見山城、田内城、富長城、小松城

●広島県
渕上城、阿草城、桜山城、梨羽城、木村城、茶臼城

●島根県
土居城、茶臼山城、賀田城、石見城、鵜丸城、矢羽城、津和野城

●山口県
岩国城、若山城、萩城、高峰城、勝山御殿

●香川県
引田城、六車城、黄峰城、九十九山城、沙弥城山

●愛媛県
岡城、黒瀬城、大除城

●高知県
岡豊城、大津城、古井の森城、泰泉寺城

●徳島県
脇城、重清城、上桜城、吉田本城

●福岡県
松山城、馬ヶ岳城、戸城山城、花尾城、白山城、黒木城、犬尾城、覗山城

●佐賀県
三瀬城、獅子ヶ城、住吉城、須古城

●長崎県
梶谷城、鳥屋城、井手平城、平松城

●熊本県
山ノ井城、焼米城、神尾城、梅尾城、飛隈城

●大分県
妙見嶽城、烏帽子岳城、小牟礼城

●宮崎県
倉岡城、梅北城、六ヶ城

●鹿児島県
西原城、加瀬田城、手取城

●沖縄県
伊波グスク、座喜味グスク、勝連グスク、浦添グスク、玉グスク、具志川グスク

●大韓民国
釜山支城台城、亀浦城、梁山城、馬山城、永登浦城、南海城、順天城

さあ、この『日本のお城 縄張図集』の縄張図を元に全国の城へ繰り出そう!

【日本のお城 縄張図集 詳細】

・タイトル:日本のお城 縄張図集
・著者:渡邉敬 作図・編集
・著者標目:渡邉, 敬
・出版地(国名コード):JP
・出版地:横浜
・出版社:山城出版
・出版年月日等:2019.12
・大きさ、容量等:436p ; 30cm
・ISBN:9784991110313
・価格:6000円
・ISBN(エラーコード):978-4-9911103-1-1
・出版年(W3CDTF):2019
・対象利用者:一般
・資料の種別:図書
・言語(ISO639-2形式):jpn : 日本語

■日本のお城 縄張図集
http://jcastles.jp/shop/shop.htm

■日本のお城縄張図集 (山城出版): 2019|書誌詳細|国立国会図書館サーチ
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I030160340-00

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

山中城の障子堀を模った名物「障子堀ワッフル」(静岡県三島市)【連載:アキラの着目】

最近は、戦国武将ブームや刀剣ブーム同様に、城郭もブームとなっている。

城郭も様々で、ザックリ大別すると天守なし、天守ありに分類できる。

天守なしの城郭は大概、中世に造られた「土の城」がほとんどで、石垣はないが高い土塁と深い堀を郭(曲輪ともいう)の周りにめぐらせた防御体制をとっている。

堀も、水を張った水堀もあれば、水のない空堀もある。

さらに空堀でも、北条氏(=後北条氏)が得意とした畝堀や障子堀といった、堀の中に仕切りを構築したものがある。

なぜ堀の中に仕切りを入れているのか。

1つ目は、堀の中に仕切りを入れることで、堀に侵入した者は横に移動できなくなる。

横に移動できなくなった敵は、弓矢や鉄砲で命中しやすくなるのは言うまでもない。

2つ目は、堀の中に仕切りを入れることで、仕切りを歩く敵をこれまた命中しやすくなる。

つまり、敵が堀底にいても、仕切りの上にいても、どちらでも敵を命中しやすくなるという利点があるのだ。

だから、こんな理にかなった、そしてなおかつ見た目が斬新な障子堀は、城郭マニアの”大好物”なのだ。

そんな障子堀は、見た目が菓子のワッフルそっくりだ、と以前から言われ続けていた。

じゃあ、実際に作って発売してみるか、日本百名城である山中城の魅力をより多くの人に発信するために、山中城の障子堀に見立てた「障子堀ワッフル」を。

というわけで、山中城名物「障子堀ワッフル」が常設販売となったのだ。

山中城名物「障子堀ワッフル」 三島市HPから引用
山中城名物「障子堀ワッフル」
三島市HPから引用

「障子堀ワッフル」を手に持って、障子堀を背景に撮影すれば、インスタ映えすること間違いない。

山中城障子堀をバックに撮影した山中城名物「障子堀ワッフル」 三島市HPから引用
山中城障子堀をバックに撮影した山中城名物「障子堀ワッフル」
三島市HPから引用

【障子堀ワッフル 販売情報】

・販売店舗:山中城跡案内所 売店(静岡県三島市山中新田410-4)
・電話:055-985-2970
・営業時間:午前10時~午後4時
・定休日:月曜日(月曜日祭日は営業で翌日休み)

■障子堀ワッフル発売中!三島市
https://www.city.mishima.shizuoka.jp/kanko_content034333.html

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

中世城郭・世田谷城のあった招き猫発祥の地・豪徳寺(東京都世田谷区)【連載:アキラの着目】

豪徳寺招福殿脇にある大小様々で数え切れぬほどの招き猫たち今回のニッポンニュースで取り上げるのは、知る人ぞ知る東京都世田谷区にある豪徳寺。

台東区・浅草今戸神社、新宿区落合南長崎・自性院と並び、「招き猫発祥の地」としても有名な寺だ。

1633年に現在のこの地・世田谷領が彦根藩の管轄となり、彦根藩2代当主・井伊直孝が井伊家の菩提寺としてこの寺の伽藍等を整備した。

豪徳寺という名の由来は、その井伊直孝の戒名「久昌院殿豪徳天英居士」の「豪徳」から拝借したとのこと。

江戸藩邸で暮らしていた井伊直孝がある日、鷹狩りの帰路、この付近を通りがかった際に、自分を招いているような1匹の猫を見かける。

井伊直孝がその猫の招きで門内に入るや否や、急な激しい雷雨となった。

この猫のおかげで、雷雨を回避でき、そのうえ和尚さんのありがたい法話も聴くこともでき、井伊直孝は大変喜んだとのこと。

その逸話が「招き猫発祥の地」として今日まで言い伝えられているのだ。

そんな微笑ましい逸話のある「招き猫発祥の地」豪徳寺だが、元々この地は、世田谷に本拠を置き、代々居を構えた奥州吉良氏によって築かれた世田谷城があった。

世田谷城の縄張り(敷地の範囲)は現在の豪徳寺と世田谷城址公園を含む辺りと推測され、世田谷城の空堀及び土塁の幾つかは現存している。

世田谷城の城郭構造(推定)
世田谷城の城郭構造(推定)

では早速、豪徳寺・世田谷城を散策してみよう。

豪徳寺の参道に入ってゆくと、向かって右側(参道東側)に世田谷城の土塁を観ることができる。

豪徳寺参道右側(参道東側)に現存する世田谷城の土塁
豪徳寺参道右側(参道東側)に現存する世田谷城の土塁

コンクリート塀からちょっと頭をのぞかせているので、誰でも視認できよう。

突き当たると右斜めに道が曲がるので、そこで振り返ると、世田谷城の城郭構造(推定)における「郭A(築城当時は「二の郭」もしくは「奥御所」とも)」を望める。

世田谷城「郭A(築城当時は「二の郭」もしくは「奥御所」)
世田谷城「郭A(築城当時は「二の郭」もしくは「奥御所」)

何もわからない人が見ると、ただの空き地にしか見えないが、所々に土塁を散見できる。

豪徳寺境内に足を踏み入れると、そこは世田谷城の「前郭」であったところで、進行方向左側に三重塔が姿を現す。

豪徳寺境内(世田谷城「前郭」)にある三重塔
豪徳寺境内(世田谷城「前郭」)にある三重塔

三重塔を越えた辺りに左側に行ける小径が現れるので、そこを歩くと招福殿や、その脇にある大小様々で数え切れぬほどの招き猫たちを観ることができる。
豪徳寺招福殿脇にある大小様々で数え切れぬほどの招き猫たち豪徳寺招福殿脇にある大小様々で数え切れぬほどの招き猫たち豪徳寺招福殿脇にある大小様々で数え切れぬほどの招き猫たち豪徳寺招福殿脇にある大小様々で数え切れぬほどの招き猫たち

豪徳寺招福殿脇にある大小様々で数え切れぬほどの招き猫たち
豪徳寺招福殿脇にある大小様々で数え切れぬほどの招き猫たち

豪徳寺境内の開けた場所には仏殿や社務所があり、ここでも招き猫が歓迎していた。

豪徳寺仏殿
豪徳寺仏殿
豪徳寺社務所
豪徳寺社務所前にある招き猫
豪徳寺社務所前にある招き猫

筆者の訪れた時間が夕方で閉館間際だったこともあって、社務所はすでに閉まっており、招き猫を購入できなかった。

あらためて次回にチャレンジして、招き猫をゲットしたい。

参拝も終え、豪徳寺境内を離れ、隣接する世田谷城址公園へ。

かなり整備され、当時の面影がないのではと期待していなかったが、実際に行ってみたら、郭や土塁、空堀が残っており、東京23区内にまだこれだけの城郭が残っていることに嬉しさを感じた。

世田谷城「郭F(南郭)」 現・世田谷城址公園
世田谷城「郭F(南郭)」
現・世田谷城址公園
世田谷城の空堀  現・世田谷城址公園世田谷城の空堀  現・世田谷城址公園
世田谷城の空堀  現・世田谷城址公園
世田谷城の空堀
現・世田谷城址公園

特に「郭F(南郭)」と空堀の高低差は想像以上にあり、中世城郭マニアにとっては十分なご馳走となろう。
世田谷城「郭F(南郭)」と空堀の高低差

世田谷城「郭F(南郭)」と空堀の高低差 現・世田谷城址公園
世田谷城「郭F(南郭)」と空堀の高低差
現・世田谷城址公園

世田谷区の閑静な住宅街にある一寺院に過ぎない豪徳寺なのだが、「招き猫発祥の地」という惹きが強いのか、海外からの訪問・参拝客もそこそこいたのには驚き。

やはり招き猫は日本のみならず世界で人気となりうる存在であることを認識した次第だ。

付け加えるとしたら、招き猫だけでなく、中世城郭・世田谷城の土塁・郭・空堀も併せて観ることを推奨したい。

【大谿山(だいけいざん)豪徳寺 詳細】

・所在地:〒154-0021 東京都世田谷区豪徳寺2-24-7
・アクセス:小田急線「豪徳寺」駅徒歩10分、東急世田谷線「宮の坂」駅徒歩5分
・宗派:曹洞宗
・文化財:彦根藩井伊家墓所(国の史跡)、井伊直弼墓(東京都指定史跡)、他多数
・お問合せ:03-3426-1437

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責任編集:拡輪 明-HS099