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甲冑着用の武士が戦場で用いる日本泳法(古式泳法)【連載:アキラの着目】

今年はオリンピック・イヤー。

当然、水泳競技も開催されるのは言うまでもない。

ここでいう水泳競技とは「近代泳法」のみを対象とするものだ。

オリンピックは元々西洋のものなのだから、当然、東洋の競技が少ないのは当たり前で、ゆえに水泳競技は西洋由来の「近代泳法」なのだ。

しかし、日本には古来より「日本泳法」、またの名を「古式泳法」と呼ばれる日本独自の泳ぎ方が存在する。

四方を海に囲まれた国であることや、武士が戦場において甲冑を着たまま用いる泳ぎが江戸時代に武道として高められたことで、「日本泳法」は誕生したのだ。

現在、「日本泳法」には由緒の明確な十三流派が伝承されており、以下の通りだ。

■日本泳法十三流派

発祥 現在伝承されている地
神統流(しんとうりゅう) 鹿児島 鹿児島
小堀流踏水術(こぼりりゅうとうすいじゅつ) 熊本 熊本、長崎、京都、東京
山内流(やまうちりゅう) 豊後臼杵 臼杵
主馬神伝流(しゅめしんでんりゅう) 伊予大洲 大洲、松山
神伝流(しんでんりゅう) 松山 津山、東京、広島、岡山、全国
水任流(すいにんりゅう) 讃岐高松 高松
岩倉流(いわくらりゅう) 和歌山 和歌山
能島流(のじまりゅう) 和歌山 近畿
小池流(こいけりゅう) 和歌山 東海、近畿
観海流(かんかいりゅう) 伊勢 伊勢、津、関西一円
向井流(むかいりゅう) 江戸 東京、会津、北海道
水府流水術(すいふりゅうすいじゅつ) 水戸 水戸、東京
水府流太田派(すいふりゅうおおたは) 江戸 東京、全国

こうしてザッと各日本泳法十三流派に目を通してみると、力があって由緒ある大名家や徳川家系の大名家のいる地で盛んなように見受けられる。

やはり日本泳法は、武道に熱心な地に根付いたということなのだろう。

以下に紹介する動画は、前掲した日本泳法十三流派の中の岩倉流を取り上げたものだ。

この動画を観ると、お笑いコンビ・藤崎マーケットの2人が日本泳法に挑戦しているのだが、かなり難しい泳ぎであることがわかろうというもの。

岩倉流泳法 YouTubeから引用
岩倉流泳法
YouTubeから引用

■岩倉流泳法

甲冑着用時は平素に比べ30kgくらい重くなるのだが、それでも足を巧みに動かして立ち泳ぎするのだから、当時のサムライたちは凄すぎるとしか言いようがない。

こういう日本古来から伝承する技術を競い合う世界大会や「東洋オリンピック」を開催して、伝統技術を廃れないようにするのがいいのでは、とすら思えてきたのだった。

■日本泳法概説
http://www.swim.or.jp/compe_jp/download/content10.pdf

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

国宝甲冑5点を観るチャンス!春日大社国宝殿「Enjoy 鎧 ―日本一の鎧を楽しむ―」【連載:アキラの着目】

春日大社国宝殿「春季特別展 Enjoy 鎧 ―日本一の鎧を楽しむ―」日本国内のみならず、海外でも人気のサムライ。

そのサムライが戦の際に着用していたのが、甲冑だ。

甲冑もピンからキリまであり、どこの馬の骨が着ていたかわからぬ甲冑もあれば、天下人が着用していた国宝級の甲冑もあったり。

とりわけ国宝級の甲冑ともなると、一般人での所有はそうそうなく、美術館や博物館の所蔵である場合が多い。

そこで、いきなり出題。

国宝に指定される甲冑を日本で一番多く所蔵している美術館をご存知だろうか?

正解は春日大社国宝殿。

春日大社国宝殿の所蔵数は5点を数える。

5点しかないのか、ではなく、5点も国宝級甲冑を所蔵しているのだ。

特に5点の中の1点、赤糸威大鎧(竹虎雀飾)は、小中学校の教科書や資料集でもすっかりおなじみで、まさに日本一豪華な鎧である。

国宝 赤糸威大鎧(竹虎雀飾)
国宝 赤糸威大鎧(竹虎雀飾)

それら国宝級の甲冑を一度に観賞できるチャンスが実はあるのだ。

前置きが長くなってしまったが、それが春日大社国宝殿「春季特別展 Enjoy 鎧 ―日本一の鎧を楽しむ―」だ。
春日大社国宝殿「春季特別展 Enjoy 鎧 ―日本一の鎧を楽しむ―」

春日大社国宝殿「春季特別展 Enjoy 鎧 ―日本一の鎧を楽しむ―」
春日大社国宝殿「春季特別展 Enjoy 鎧 ―日本一の鎧を楽しむ―」

「春季特別展 Enjoy 鎧 ―日本一の鎧を楽しむ―」では、春日大社所蔵の作品以外にも奈良県立美術館所蔵の腹巻等や、甲冑師・小澤正実氏による鎧製作資料等も併せて展示している。

甲冑の魅力満載の展示イベントなので、興味のある人はぜひ行ってみよう。

ただし、新型コロナウイルス感染症の感染予防・拡散防止のため、3月14日(土)より開催の「春季特別展 Enjoy 鎧 ―日本一の鎧を楽しむ―」は延期になる可能性もあるため、行く際は公式サイト等で確認してから行くように。

【春季特別展 Enjoy 鎧 ―日本一の鎧を楽しむ― 詳細】

・開催期間:2020年3月14日(土)~7月12日(日)
・休館日:2020年5月18日(月)前後期展示替えのため休館
・拝観料:一般500円、高校・大学生300円、小中学生200円

■世界遺産 春日大社 公式ホームページ/国宝殿・植物園・庭園喫茶/国宝殿/展示のご案内
http://www.kasugataisha.or.jp/h_s_tearoom/museum/museum2.html

戦国時代の甲冑や着物の無料試着体験ができる岐阜市歴史博物館【連載:アキラの着目】

訪日外国人観光客のお目当ては、様々なものあれど、やはり日本のサムライやキモノが人気のようだ

現在、日本のサムライに扮してみたり、キモノを着たりできるスポットも多くあり、今回はそれらのスポットの中でも岐阜市歴史博物館を取り上げる。

岐阜市歴史博物館は、かの有名な戦国武将・織田信長の居城だった岐阜城があることで知られる岐阜公園内にある。

岐阜市歴史博物館の着付け体験は、戦国時代の着物の復元品を無料で試着できることで人気となっているのだ。

通常の甲冑は当然ながら、元々美濃を治めていた斎藤道三や若き日の信長、お市の方などをイメージした甲冑や着物も試着でき、子供用と大人用がある。

歴史博物館ボランティア 岐阜市歴史博物館HPから引用
歴史博物館ボランティア 岐阜市歴史博物館HPから引用

襟、小物から順番に着てゆき、鎧まで着用すると、それなりの重量となる。

かなり本格的な戦国時代の甲冑や着物が無料できるスポットは、そうめったにないだけに、この岐阜市歴史博物館はありがたい存在だ。

岐阜市歴史博物館はもちろん、その名の通り博物館なので、2階にある総合展示室には、織田信長時代の楽市を原寸大で再現した「楽市立体絵巻」が展示されており、甲冑・着物試着体験以外でも十分に楽しめる施設となっている。

有料での甲冑・着物試着を考えていない人には、岐阜市歴史博物館がおすすめだ。

↓戦国時代の着物 着付け体験についての情報が掲載されているページ

■歴史博物館ボランティア 岐阜市歴史博物館HP
http://www.rekihaku.gifu.gifu.jp/bora.html

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

渋谷に来れば誰でも侍に ~Samurai Armor Photo Studio~【連載:アキラの着目】

2020年の東京五輪を控え、海外からの観光客が右肩上がりの日本国内。

相変わらず外国人観光客は、”ゴールデンルート”と呼ばれる東京・京都・大阪などの大都市観光が主流だ。

だが、せっかく外国人観光客が東京、それも渋谷に来ても、実際に観光するのは渋谷駅前のスクランブル交差点や、女の子なら109に行くくらいのもので、きっと物足りないはずだ。

そんな東京・渋谷観光に少しでも楽しい思い出ができればの一心でオープンしたのがサムライアーマーフォトスタジオ(Samurai Armor Photo Studio)だ。

このサムライアーマーフォトスタジオに来れば、老若男女問わず誰でも侍になれる。

好みの甲冑に身を固めることができ、そのうえ写真撮影もしてくれるのだ。

甲冑姿の写真撮影風景 Samurai Armor Photo Studio HPより引用
甲冑姿の写真撮影風景 Samurai Armor Photo Studio HPより引用

真田信繁の「赤備え」など、豊富なバリエーションが用意されているので、自分好みの甲冑が必ず見つかるはずだ。

真田信繁「赤備え」 Samurai Armor Photo Studio HPより引用
真田信繁「赤備え」
Samurai Armor Photo Studio HPより引用
Samurai Armor Photo Studio HPより引用
Samurai Armor Photo Studio HPより引用

渋谷に観光で来てみたはいいけど、なんか物足りないという人、実は戦国武将のコスプレをしてみたい人は、日本人外国人問わず、サムライアーマーフォトスタジオに足を運んでみるといい。

■サムライアーマーフォトスタジオ – Samurai Armor Photo Studio –
http://samurai.bz/

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責任編集:拡輪 明-HS099

甲冑を作りたくなったら、このサイトに行け!【連載:アキラの着目】

日本男児たる者、一度は甲冑を作って、着てみたいと思ったことは誰しもあるはず。

しかし、いざ甲冑を作ろうと思い立っても、どんなフォルムだっけ、紐の編み込みはどんなだっけ、てな具合で、一から形やデザインを調べたり、まず基本となる型紙(パターン)を作らなければならなかったりで、時間・コストがかかってしまうのだ。

手っ取り早く作れる「甲冑キット」はないものかと探してみると、あった、あった!

そのいくつかある「甲冑キット」サイトの中で、以下の6サイトをご紹介しちゃおう!

■戦国ぷらす
http://www.sengokuplus.com/shopbrand/ct2/

割りと高額な甲冑組立キットを扱っている。

武将の甲冑だけでなく、足軽の甲冑も扱っているのが特徴的だ。

戦国ぷらす

■自作甲冑クラブしげ部
http://madearmor.wpblog.jp/page-30

甲冑の素材は2mm厚のプラスチック板で、初心者でもわかりやすいように、イラスト満載の甲冑の作り方説明書が同封されている。

メールや電話による製作のサポートがあるのは、心強い。

自作甲冑クラブしげ部

■モデル工房和工
http://www.kousaikan.com/wakou-hp/bukou.htm

未着色の自作甲胄キット(主要パーツ半透明)で、着色はラッカースプレーを使うよう指示されている。

こちらのキットも、かなりいい値がついている。

モデル工房和工

■荘内藩甲冑研究会
http://www.s-eigamura.jp/katchu/amk.html

犬山城御抱具足師で甲冑師でもある熱田伸道氏が監修した甲冑キット「侍アルモデル・キット」だ。

こちらの甲冑キットの主要パーツは軽量アルミニウム製で、予め下地塗装のみ施してあるので、その上から自分好みの色を塗り重ねることが可能だ。

こちらのキットもまた、かなりいい値がついている。

荘内藩甲冑研究会

■着れちゃう!ダンボール
http://www.showa-note.co.jp/press/kire-dan/

全国の文具売り場で購入できる甲冑キットだ。

というのも、文具メーカーで「ジャポニカ学習帳」で知られているショウワノートがリリースしている製品だからだ。

子供用・大人用の2種がそれぞれ発売されている。

着れちゃう!ダンボール

■うさぎ塾(USAGI JUKU)
http://usagijuku.com/

このうさぎ塾(USAGI JUKU)のサイトでは、兜・鎧・甲冑の「オリジナル原寸型紙A4版」を無料配信しており、申込送信フォームから申込むことで、この型紙をゲットできる。

無料で型紙を配っているとは、良心的だ。

うさぎ塾(USAGI JUKU)

以上紹介した甲冑キットのサイト以外でも、甲冑キットについて説明していたり、販売しているサイトがあるので、自分の好みや予算に合わせた甲冑キットを選び、作ってみよう!

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099