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東京の様々な地名の由来 ~神田駿河台(東京都千代田区)~【連載:アキラの着目】

歌川広重『水道橋駿河台』「東京の様々な地名の由来」シリーズで今回取り上げるのは、神田駿河台だ。

現在、神田駿河台とよばれるエリアは駿河台といわれ、JR御茶ノ水駅の西側および神田川の南側に位置する。

元々は、この神田駿河台の大地は、神田川北側の湯島台とよばれるエリアと陸続きになっていた。

しかし、1590年に徳川家康が江戸に入府して以降、江戸城は整備され続け、江戸幕府二代将軍・徳川秀忠の命を受けた仙台藩祖・伊達政宗が1620年(元和6年)に仙台堀(神田川)を開削したことで、1枚の台地が南北に分離されることとなった。

幕末あるいは明治初期の仙台堀こと神田川(現在の御茶ノ水付近)
幕末あるいは明治初期の仙台堀こと神田川(現在の御茶ノ水付近)
上の写真とほぼ同じ場所の現在
上の写真とほぼ同じ場所の現在

ちなみに開削した際の土砂は、日比谷入江を埋め立てるのに用い、現在の丸の内や有楽町が海から陸地となった。

なぜ、この仙台堀(神田川)によって分断された南側のエリアを駿河台というのかについては諸説ある。

1つ目は、1616年(元和2年)の徳川家康死去の後に、駿河国(現在の静岡県)の国府が置かれた都市・駿府より幕臣が江戸に呼ばれ、この地に屋敷を与えられたことに由来するという説。

2つ目は、駿河大納言といわれた、江戸幕府三代将軍・徳川家光の弟である忠長の屋敷があったことに由来するという説。

3つ目は、江戸の中でも比較的高台であるこの地から、駿河国の富士山がよく見えたことに由来するという説だ。

現在の千代田区には、富士見坂という名が付いた坂が2つ残っており、これら2つの坂は駿河台よりも低い。

ということは、これらの2つの坂よりも「高地」である駿河台からも当時は富士山が見えたであろうことは想像に難くなく、これらの事象から推測するに、駿河台の地名の由来は、3つ目の「駿河国の富士山がよく見えたことに由来する」説が有力と思われる。

歌川広重『水道橋駿河台』
歌川広重『水道橋駿河台』

歌川広重『水道橋駿河台』に描かれた現在のJR御茶ノ水駅周辺(水色エリアは神田駿河台)
歌川広重『水道橋駿河台』に描かれた現在のJR御茶ノ水駅周辺(水色エリアは神田駿河台)

駿河台は1960年代になると、JR御茶ノ水駅から本郷通り沿いを中心に、学生相手の店舗が多くなったこともあって、”日本のカルチェラタン”と呼ばれたこともあった。

現在、駿河台は、相変わらず大学・専門学校が多いエリアとして知られている。

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

東京の様々な地名の由来 ~水道橋(東京都千代田区)~【連載:アキラの着目】

「東京の様々な地名の由来」シリーズで今回取り上げるのは、水道橋だ。

水道橋と聞くと、大抵の人は東京ドームや後楽園ホール、大学や専門学校が多い街というイメージを抱くことだろう。

実際、現在の水道橋はそうしたエンタメ・スポーツの聖地であったり、文教的なエリアとして機能している街で間違いないのだが、水道橋という地名の根拠や説明には決してなり得ていない。

なぜこの地が、「水」の「道」の「橋」、すなわち「水道橋」なのかについてみていこう。

まさに「水」の「道」の「橋」があった

時代は江戸時代の初期にまで遡る。

現在の水道橋、御茶ノ水の谷底深い神田川の外堀は、元々存在しておらず、平らな台地だった。

ここを開削して神田川を通し、その開削した土を日比谷入江の埋立に利用し、江戸の街は大きく変貌を遂げたのだ。

さらに江戸が都市として充実するには、飲料水の確保が最重要課題であり、そのためいくつかの上水が造られたのだが、そのうちの1つである神田上水の水を江戸市中に通水する必要があった。

だが、神田上水を江戸市中に通水するためには、開削して造った神田川を超えなければならない。

そこで神田川を跨ぐように掛樋(かけひ)を架けることになり、この掛樋がまさに「水」の「道」の「橋」であったことから、水道橋と呼ばれるようになって、この橋の名がこの付近の地名となったのだ。

ちなみに掛樋のあった場所は、水道橋駅から御茶ノ水方面に向かう坂を歩いてゆくと、右手歩道脇に現れる「神田上水掛樋跡」の石碑辺りだ。

神田上水掛樋
神田上水掛樋
上の絵図と同じ場所で明治時代の神田上水掛樋(奥にある橋)
上の絵図と同じ場所で明治時代の神田上水掛樋(奥にある橋)
現在の、上2枚と同じ場所
現在の、上2枚と同じ場所

1875年(明治8年)の水道橋交差点と掛樋(右)
1875年(明治8年)の水道橋交差点と掛樋(右)
現在の、上の写真と同じ水道橋交差点
現在の、上の写真と同じ水道橋交差点

このように、水道橋という地名は、神田川を跨ぐ掛樋という水の道の橋を架けたことに由来することがおわかりになったと思う。

今後も東京の様々な地名の由来について取り上げてゆきたい。

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

例年よりも9日早い桜満開・千鳥ヶ淵(東京都千代田区)【連載:アキラの着目】

ついに東京では桜が満開に!

それも今年の桜は、例年よりも9日早く、満開になったのだ。

東京都千代田区九段千鳥ヶ淵 満開の桜

FJ時事新聞編集部ニッポンニュース担当は、早速桜の名所として名高い、東京都千代田区九段の千鳥ヶ淵に繰り出し、動画を撮影したので、ご鑑賞あれ。

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099