世の中には印刷物が溢れかえっている。
ファミレスに入れば、メニューを手に取らない人はいないだろう。
客の食欲をそそるように、色調を考えてメニューは印刷されているし、選挙ポスターも印象が良くなるように様々な工程毎に修正や補正がなされて印刷されている。
その一方で、お目にかかった人もいるかと思うが、パンフレットを手に取って見たら、活字ミスのまま印刷されており、その訂正のために「正誤表」が封入されている場合もあったりするのだ。
こうした良いことも悪いことも含めた、印刷業界の”あるあるネタ”を面白おかしく描き上げた漫画が『今日も下版はできません!』だ。
ちなみに漫画タイトルにもなっている「下版」とは、その名の通り、「版を下ろす」という意味で、万全な「版下」を印刷現場に入れて、実際の印刷工程に移ることを指す専門用語だ。
「ゲットナビ」というWEBサイトで連載されている『今日も下版はできません!』は秘かな人気となっており、過去にオフセット印刷会社の営業マンだった筆者を過去にタイムスリップさせてくれた。
第1話「気になっちゃうんです!」から、印刷に無知な人でも笑えてしまうエピソードを題材に取り上げており、「へぇ~、印刷物が納品される裏では、こんなことが行われていたのか!」と新たな発見があることだろう。
筆者がオフセット印刷会社にいた時も様々なことを経験し、印刷ミスにも直面したものだ。
印刷ミスは、残念ながら人間が手配している以上、決して0(ゼロ)にはならないし、なってもいかにリカバリーするかが問われるのだ。
酷い印刷ミスでこんなのがあった。
そもそも元々の版(=版下)の段階で間違いに誰も気づかず、納品されてから会社社長の顔写真が平社員の顔写真になっていることに気づき、刷り直しということもあった。
嘘みたいな話だが、どうせ間違っていないだろう、と高をくくっていると、大抵ミスに繋がってしまうのだ。
もちろん毎日頻繁に印刷ミスが起こるわけではないのだが、年に数回はクライアントに上司共々頭を下げて謝ることは”あるある”だった。
その辺りの類似するシーンも、漫画『今日も下版はできません!』を読み進めていくと出てくるし、印刷業界特有の専門用語に関する丁寧な解説もあるので、誰でも読んで微笑むことができる漫画だ。
■【新連載】“印刷業界あるある”が炸裂する漫画「今日も下版はできません! 」 第1話「気になっちゃうんです!」 | GetNavi web ゲットナビ
https://getnavi.jp/comic/64337/