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丸の内や日比谷は海?銀座は出島?【連載:アキラの着目】

現在1,300万人の人口を有する日本の首都・東京。

しかし、今から約400年以上前の東京、すなわち徳川家康が入城した当時の江戸は、江戸城大手門から東にかけて茅葺きの町屋が100軒あるかないかの鄙びた村だった。

そのうえ江戸は、幾多の河川が東京湾に流れ込むような湿地帯だったため、それまでなかなか街として発展しなかったのだ。

元々江戸の地形は、東京湾が大きく現在の日比谷辺りまで入り組んでおり(日比谷入江)、銀座・日本橋の辺りは江戸前島といって、東京湾に突き出た出島のような地形だった。

徳川家康入城期の江戸 Vol.72 都心3区の地形の変遷 | 東京の高級賃貸マンションなら[東京レント]から引用
徳川家康入城期の江戸
Vol.72 都心3区の地形の変遷 | 東京の高級賃貸マンションなら[東京レント]から引用

なので、現在の丸の内や日比谷は海で、埋め立てによって陸地となったのだ。

現・銀座から現・日比谷方面を望む想像図(右)と現在の画像(左) 右画像は「酒上小琴【サケノウエノコゴ」Twitterから引用
現・銀座から現・日比谷方面を望む想像図(右)と現在の画像(左)
右画像は「酒上小琴【サケノウエノコゴ」Twitterから引用

江戸日比谷入江 NHK「知恵泉」から引用
江戸日比谷入江
NHK「知恵泉」から引用

現在の皇居前広場はまさに日比谷入江だった場所で、400年以上前は、漣が押し寄せては引いての繰り返しをしていたことだろう。

その日比谷入江の埋め立てに使った土は、神田山(御茶ノ水・駿河台にあった小高い山)や番神山城跡(現:港区麻布台)を切り崩した土、神田川の掘削で出た土を使ったといわれている。

御茶ノ水・聖橋の神田川(江戸城外堀)は手掘りで掘削し、渓谷のように切り開いたので、元々駿河台は御茶ノ水側と順天堂大学病院側とは地続きだったのだ。

江戸を街として機能させるために、江戸幕府初代将軍・徳川家康~3代将軍・徳川家光までの時代に、前述の土地埋立拡張工事や水はけ改良工事、上水道整備工事、等々を矢継ぎ早にして、暮らしやすい街にしていった。

現在でも昔の名残を見つけることができ、有楽町の数寄屋橋(江戸前島)から日比谷方面(日比谷入江)にかけては、緩やかな下降の地形が見て取れる。

すっかりビルだらけになってしまった東京だが、こうした歴史をちょっとでも知ることで東京や江戸に興味を持つことができれば、今よりも楽しく街歩きができるかもしれない。

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

地下鉄の乗り換えは必ずしも便利ではない!? ~東京地下鉄事情~【連載:アキラの着目】

地上を走るJR線、私鉄各線、都バス以外にも、東京メトロ、東京都営地下鉄といった地下を縦横無尽に走る地下鉄もある大都市・東京。

東京都内 地下鉄路線図

SUICAやPASMOを持っていると、なおさらこれら交通機関相互の乗り換えがスムーズになり、東京の街と街の行き来が大変楽になる。

しかし、この便利さは場合によっては不便な場合もあるのだ。

結構乗り換えに詳しい人ほど、これから書くことが盲点だったりするので、実際の地図や距離を念頭に置きながら、東京の街や駅の移動をすると良いかと。

【交通機関による乗り換え移動よりも徒歩移動が便利なケース】

1.東京駅-日本橋駅

日本人でも東京以外の地方から来た人が知らないがゆえに嵌ってしまうのが東京駅-日本橋駅の往来だ。

東京駅と日本橋駅は距離的にはせいぜい500mくらいなので、歩いても10分もかからない。

東京駅と日本橋駅 周辺地図

しかし、東京駅と日本橋駅が距離的にそんなに近いことを知らなかったり、逆に乗り換えに詳しいばかりに、東京駅から東京メトロ丸ノ内線に乗り、大手町駅で東京メトロ東西線に乗り換え、日本橋駅で降りてしまう人も実際にいたりするのだ。

大手町駅の乗り換えは、かなりの時間をロスするし、地下鉄の待ち時間も考慮すると、どう考えても電車賃をかけてまで地下鉄で日本橋駅まで行く必要はない。

徒歩移動の方がはるかに早いし、乗り換えの煩わしさからも開放され、ストレスなく移動できることだろう。

2.有楽町駅-東銀座駅

歌舞伎座の最寄り駅が東銀座駅で、歌舞伎座のほぼ真下にあることから、つい地下鉄で行こうとする人がいるのだが、有楽町駅からまず日比谷駅まで乗り換えのために徒歩で移動し、それから日比谷線で東銀座駅に降りるのは、むしろ面倒くさい。

有楽町駅から日比谷駅まで歩くのがそもそも方向的に歌舞伎座とは反対の西方向なので、どうせなら有楽町駅から東方向に歩き、そのまま歌舞伎座を目指す方が煩わしくないし、時間的にも大して差がないのだ。

有楽町・日比谷・銀座・東銀座 周辺地図

3.恵比寿駅-代官山駅

これまた徒歩の方がメリットがある区間だ。

近年、東京の中ではかなりおしゃれなエリアの恵比寿・代官山は、風景を見ながら移動すべきだ。

街を知ることができるし、隠れ家的な店を発見できるかもしれないし、男性ならば何よりも美女を多く目にすることができるのが、この恵比寿駅-代官山駅の徒歩移動なのだ。

これまた地図を見ていないと、恵比寿と代官山が隣り合わせというのがわからないから、恵比寿で降りないで、そのまま渋谷駅に行き、東急東横線に乗り換え、1駅だけの乗車で代官山駅に降りるという、これまた煩わしく面倒な移動をしてしまう人が多いのだ。

恵比寿・代官山 周辺地図

時間的にはこの区間も1.、2.と同様に渋谷駅乗り換えによる移動も、恵比寿駅からの徒歩移動も大して差がない。

こんな具合に、結構東京では街と街、あるいは駅と駅、さらには街と駅は近かったりするので、地図をしっかり見て、電車・地下鉄等を乗り換えてまで移動するに値する区間かを検討した方がよいだろう。

実際に歩いてみると、様々な発見があったり、新たに知ることができたり、見ることができたり、街を感じることができて、なかなか良いものだ。

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099