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今観ても色褪せない「猛虎伝説」~初代タイガーマスク~【連載:アキラの着目】

どのようなものも日進月歩、技術が刷新され、今日の技術は過去に追いやられ、新たな技術に取って代わってゆくのが必然の流れだ。

それはプロレスにも概ね言えることができ、現代の必殺技は過去の必殺技に比べ、格段に難易度が高くなっていたり、複雑な動きを伴っていたりするのだ。

そんな時代趨勢の中、平成30年の現在でも、決して観ていても色褪せないプロレスが、初代タイガーマスクの試合だ。

初代タイガーマスク入場時のお決まりポーズ

初代タイガーマスクの活躍した時期は、1981年4月23日デビューから1983年8月10日までのわずかな期間しかなく、筆者の少年時代と重なるのだが、初代タイガーマスクは、日本プロレス史、いや世界のプロレス史に名をしっかり刻むほどの輝かしい活躍をしたプロレスラーの1人として語り継がれている。

気になる初代タイガーマスクの正体は、もうプロレスファンなら周知の事実になっているが、若き頃の佐山サトル氏(現・掣圏真陰流創始、日本須麻比協会会長)だ。

プロレスラーとしては、やや小柄な体躯の佐山サトル氏だが、抜群の運動神経で、アニメ「タイガーマスク」の実写版ではないかと言われたくらい、四角いリングを縦横無尽に動き回る四次元殺法で、子供からお年寄りまで大人気を博したのだ。

以下の動画は、プロレスを知らない人でも比較的退屈しないような尺で、視覚的にも次々に楽しめるものを選んでみた。

■The Best of Tiger Mask

■初代タイガーマスク(鬼身体能力)_tiger mask (super ability)

初代タイガーマスクの「猛虎伝説」は、今も色褪せない。

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

プロレスファンを”教育”して、総合格闘技ファンに育て上げた前田日明【連載:アキラの着目】

昨日の大晦日、筆者はさいたまスーパーアリーナで『RIZIN』を観戦していたのだが、相変わらず歯がゆい思いを感じずにはいられなかった。

なぜならば、本来総合格闘技を取り仕切るべき人が取り仕切っていないからだ。

なぜ高田延彦が総合格闘技を取り仕切るのか、それよりも前田日明が取り仕切るべきなのではないか。

前田日明リングス総帥
前田日明リングス総帥
「前田日明45th Anniversary」より引用

今でこそ未熟ながらも総合格闘技という競技ジャンルが確立し、大晦日に興行が打てて、多くの観客・ファンが入っている状況だが、ここまでに至る道程は一朝一夕にできたわけではなかった。

そもそも総合格闘技自体が存在しない、ゼロからのスタートだったので、茨の道だったのだ。

総合格闘技のなかった時代では、プロレスが熱狂的な求心力を持っていた。

しかし、プロレスはかなり特異なジャンルで、知れば知るほど「?」ということが頭をよぎってしまうものでもあったのだ。

その疑問符を解消してくれ、というファンのニーズに応えたのが、佐山聡(初代タイガーマスク)であり、前田日明だったのだ。

佐山聡と前田日明の目指す所は、ほぼ同じで、ファンの「?」を解消すべく、「プロレスのスポーツ競技化」を推進しようとしたのだが、方法論が異なっていた。

佐山聡はラジカルに「プロレスのスポーツ競技化」を進めようとしたのだが、前田日明はじっくり時間をかけて進めようとしたのだった。

佐山聡の急進的な「プロレスのスポーツ競技化」だと、観戦の目が肥えた”エリート・プロレス・ファン”しかついてこれない。

まだアキレス腱固めやヒール・ホールドといった関節技や打撃技が、今のように多くのプロレス・ファンに幅広く認知されていなかったので、まずは関節技とはこんなふうにかけて、こんな所が痛いんですよ、利くんですよ、といったことを試合を通じて啓蒙するところから始めなければならなかったのだ。

だから佐山聡が創り出した総合格闘技「シューティング」(現・修斗)は、当時プロレスファンを多く誘導することができず、興行的に苦戦を強いられ、アングラな格闘技に過ぎなかった。

それを目の当たりにしていた前田日明は、選手が食っていけるようにするためには興行的な成功を収めなければならない、そのためにはプロレス・ファンを”教育”して、総合格闘技ファンへとバージョン・アップさせて、総合格闘技の会場に来てもらうしかないと考えたのだ。

その”教育”装置がUWF(ユニバーサル・レスリング・フェデレーション)なのだ。

第1次UWFでは、佐山聡と前田日明は共に在籍していたのだが、前述の方法論の違いで決別、佐山聡は独自の総合格闘技「シューティング」を興し、前田日明はその後第2次UWFへと突き進む。

特にこの第2次UWFがプロレスと総合格闘技の架け橋的存在というか移行的存在となり、プロレス・ファンは総合格闘技ファンとして前田日明に育てられたのだった。

だから、この功績により、本来総合格闘技を取り仕切るのは前田日明だろ、というのはそういうことなのだ。

今年2018年は、その前田日明が久々に本格的に動き出す。

かつてのRINGS(リングス)のようなヘビー級の大会を開催するという。

前田日明から目が離せない!

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責任編集:拡輪 明-HS099