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「忍者の里」伊賀地域発展のため忍者の歴史・文化を研究&発信、国際忍者研究センター【連載:アキラの着目】

全国各都道府県に最低でも1つはある国立大学。

私立大学に比べ、お硬いイメージが先行したり、無難なことしかやっていない印象のある国立大学だが、実はユニークな研究をしている国立大学もあることはある。

中でも三重大学は、「忍者の里」伊賀地域の発展のために国際忍者研究センターを設立、忍者の歴史や文化を研究しており、その成果を広く国内外に日々発信しているのだ。
国際忍者研究センター

具体的な主活動としては、忍者や忍者の史資料に関するデータベースの構築や、史資料に関する調査研究がある。

忍術書の内容を科学的に実験検証したりなど、文系理系各専門分野の教員が一致協力し、以下に挙げる忍者研究の活動を進めている。

(1)忍者に関する学術的・学際的な研究活動
(2)忍者研究を基盤とした教育活動
(3)忍者に関する学術的な情報交流と情報発信活動

これら研究以外でも、忍術・忍者を身近に感じてもらうためか、ブログもこまめに更新されている。

研究にだけ没頭してりゃあいいんだ、という研究者気質に陥っていない”バランスの良さ”も兼ね備えられている方々ばかりの印象だ。

忍者研究に関する情報をいち早く入手したい人にとっては、実に重宝するサイトだ。

■国際忍者研究センター
http://ninjacenter.rscn.mie-u.ac.jp/

■ブログ|国際忍者研究センター
http://ninjacenter.rscn.mie-u.ac.jp/blog/

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

忍者は「忍者」ではない!?【連載:アキラの着目】

世界に誇れる日本文化かどうかはわからないが、とにかく人気があるのが忍者(NINJA)だ。

ショー・コスギ主演の忍者映画(日本未公開)が全米で大ヒットし、そこから黒装束姿の忍者が世界の「NINJA」へと変貌したのだった。
忍者

しかし、本当の忍者は、映画に出てくるような黒装束姿ではない。

というのも、あのような黒装束姿だと、すぐに忍者だとバレてしまうからだ。

実際の忍者は、農民、町民、僧侶、等々、どこにでもいる人達の格好をして、諜報活動をしていたのだ。

また、当時、忍者は「忍者」という名称ではなかったのだ。

今でいうところの忍者は、各戦国大名毎に呼び名が異なっていたのだ。

戦国最強といわれた武田信玄の武田家では、忍者のことを「透破(すっぱ)」といい、織田信長の織田家では「饗談(きょうだん)」、徳川家康の徳川家では「隠密(おんみつ)」、上杉謙信の上杉家では「軒猿(のきざる)」、といったようにそれぞれの呼び名で忍者は呼ばれていたのだ。

ちなみに、武田家が忍者のことを呼んでいた「透破(すっぱ)」は、現代でも使う「すっぱ抜く」の語源だ。

「透破(すっぱ)」が、密かに行動し情報を収集して明るみに出したり、不意に刃物を抜くことになぞらえて、秘密や醜聞、不祥事などを突き止め、暴露することを「すっぱ抜く」といつしか言うようになり、現在に至っている。

■各戦国大名・地域などにおける忍者の名称

・武田家:透破(すっぱ)
・織田家:饗談(きょうだん)
・徳川家:隠密(おんみつ)
・上杉家:軒猿(のきざる)
・伊達氏:黒脛巾組(くろはばきぐみ)
・毛利氏:座頭衆(ざとうしゅう)
・島津氏:山潜り(やまくぐり)
・六角氏:甲賀者(こうかもの)
・伊賀国:伊賀者(いがもの)
・天皇家:村雲衆(むらくもしゅう)

このように、本物の忍者は、実は黒装束ではなく地味な存在で、呼び名も「忍者」ではなかったのだ。

訪日外国人観光客の中には、忍者に憧れて来日する人もいるかもしれないが、機会があれば、真の忍者はこういうものなのだと教えてあげよう。

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099