今回のニッポンニュース「FJ時事新聞おすすめ名城」で取り上げるのは現存12天守であり、なおかつ姫路城、松本城、犬山城、松江城と並ぶ国宝城郭の彦根城だ。
代々、井伊家が城主を務めた彦根城は、慶長9年(1604年)に江戸幕府初代将軍・徳川家康の命により着工された。
築城工事には尾張藩や越前藩等、計7ヵ国12大名(15大名とも)が動員される天下普請であった。
慶長11年(1606年)には2期までの工事が完了、同年の天守完成と同じくらいの時期に井伊直継が入城。
元和2年(1616年)、大坂夏の陣で豊臣氏が滅亡後、彦根藩のみにより第3期工事が開始され、元和8年(1622年)には表御殿の造営、城郭改造などを含む全部の工事が完了して、ようやく彦根城が完成した。
明治時代初期の廃城令で滋賀県の城郭のほとんどが破却・解体される中、彦根城は奇跡的に破却・解体を免れ、往時の天守が現存する貴重な城だ。
長い説明となったが、早速みてゆこう。
石段を登ってゆくと、石垣とともに見えてくるのが彦根城天秤櫓と廊下橋。
万一、敵の侵入があった場合は、この廊下橋を切断し、本丸方面に入らせないようにするのだ。
この廊下橋の下を通過し、さらに鐘の丸を経て方向を転換すると、自ずと視界に入るのが先ほど下でみた天秤櫓だ。
その名の如く左右のバランスをとった、シンメトリーな構造をした櫓だ。
ここを通過すると、さらに天守に近づくことができ、太鼓門櫓を潜れば、もう彦根城天守のお目見えだ。
ゆるキャラの魁として全国に名を轟かせた「ひこにゃん」がお出迎え。
この「ひこにゃん」と一緒に彦根城を背景に撮影するのが定番だ。
天守に登ると、下界には彦根城表御殿を見渡すことができる。
天守から下りたら終わり、という観光客が多いが、さらに城の裏や背後に回り込んで観るのがオススメだ。
天守裏手の西の丸から撮影した彦根城が↓。
観終えたら往きと同じ道を通らずに、黒門山道から下山するのもオススメ。
基本的に城巡りでは、同じ道を通らずに、可能な限り様々な角度から天守や櫓、多くの郭(城の区画・エリア)等を観たり、様々な道を歩いてみよう。
コンパクトな造りの彦根城だが、天守のある本丸に辿り着くまでに幾つもの門や枡形が設けられており、かなり強固な城であることがわかるはずだ。
国宝の城ということで、それなりに登城者による混雑が予想されるため、登城の際は、開城時間に行くくらいのほうが良いだろう。
滋賀県観光の折には、ぜひ行ってみる価値のある城だ。
■彦根城 – 彦根観光ガイド : 公益社団法人 彦根観光協会
https://www.hikoneshi.com/jp/castle/