今シーズンから米国メジャー・リーグに活躍の場を移した大谷翔平選手の快進撃が止まらないのは周知の通り。
3試合連続のホームランを打っただけでなく、今度はオークランド・アスレチックス相手に6回までノーヒットノーランに抑えるピッチングを披露。
持ち前のMAX 165kmの速球と、”テーブルから転げ落ちる程の落差”と評されたフォーク・ボール(スプリットフィンガー・ファストボール)で、メジャーリーガーをバッタバッタと切り倒す様は、実に観ていて気持ちが良い。
しかし、前述したように日本人投手でMAX 165kmの速球は、昔の日本では考えられないほどの速さなのだ。
筆者が幼少時のプロ野球投手の球速は、大体MAX130km台の投手が多く、江川卓投手が140km台のストレートを投げた時は、結構速い投手だなという印象が個人的にはあった。
そういった時代だったからこそ、漫画家の水島新司先生は、自身の作品である漫画「ドカベン」の中で、速球が持ち味のクリーン・ハイ・スクール・影丸投手のMAX球速を145kmに、捕球するとキャッチャーが骨折してしまうほどの剛速球を投げる横浜高校・土門投手のMAX球速を155kmに、白新高校・不知火投手のMAX球速を162kmに設定していたのだ。
MAX球速130kmが当たり前だった時代に、MAX球速を145km~162kmに設定したことは、ある意味リアルの世界では、そうそうお目にかかれない、あるいは絶対にあり得ない球速だったことだろう。
それが平成30年の現在では、リアルな大谷翔平投手が、完全にそうしたフィクションの世界を超えてしまった。
昔の日本では考えられない球速であり、隔世の感を感じずにはいられない。
今後10月までメジャーリーグでの熱き戦いは繰り広げられることと思うが、その長丁場でどれだけ現状のペースをキープしながら、好成績を収められるか、大谷翔平選手には投手・打者ともにさらなる期待がかかる。