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地方都市を彷彿とさせる昔の渋谷に感嘆、写真展「昭和30年代の渋谷」、6月13日まで開催中!【連載:アキラの着目】

空の低い、見慣れぬ駅のモノクロ写真が使われているポスターが目を引く。

そのポスターに打たれた文字を見ると、次に飛び込んでくるのが「渋谷」の2文字。

え~っ、このモノクロ写真の駅は渋谷なのか!

写真展 昭和30年代の渋谷 から引用
写真展 昭和30年代の渋谷 から引用

建設中とはいえ、確かに渋谷駅そばを横断する高架の道路は国道246号線だ。

筆者からすると、こんな”お宝写真”をポスターにいきなり使っちゃっていいの、という心境。

もっと出し惜しみすべきなんじゃないの、とすら思えてしまうくらい、今では決して観ることのできない渋谷駅だ。

こうした昔懐かしの、でも筆者も含めて昭和30年代に生まれていない人間にとっても、どこか温かみを感じるような風景の渋谷がこれでもかと展示されているのが写真展「昭和30年代の渋谷」(開催場所:白根記念渋谷区郷土博物館・文学館)だ。

この写真展「昭和30年代の渋谷」はタイトルの通り、前回の東京オリンピック大会(昭和39年)を契機に激変した昭和30年代における渋谷の街並みを写真で紹介している。

昭和30年代当時における渋谷の写真と現在における渋谷の写真を見比べながら、渋谷の今昔変化を実感してみよう。

【写真展 昭和30年代の渋谷 詳細】

・開催期間:2021年04月17日~2021年06月13日
・開催場所:白根記念渋谷区郷土博物館・文学館(渋谷区東4-9-1)
・入館料:一般 100円(80円)/ 小中学生 50円(40円)
     ※()内は10名以上の団体料金
     ※60歳以上、障害者の付添い人無料
・問合せ:03-3486-2791
・アクセス:渋谷駅東口都バス日赤医療センター行(学03)「国学院大学前」下車徒歩2分、ハチ公バス「郷土博物館・文学館」下車すぐ

■白根記念渋谷区郷土博物館・文学館
http://shibuya-muse.jp/

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

渋谷に練兵場?監獄?農場?【連載:アキラの着目】

日本で新宿に次ぎ2番目の鉄道乗降客数を誇る若者の街・渋谷。

特に若い女の子から絶大な支持を得ており、お隣の原宿と並び、女性のファッションや流行で常に先頭を行く街だ。

そんな渋谷だが、年配の方々曰く「5、60年くらい昔は、渋谷はオヤジの街で、今のような若い女の子の街になるとは想像つかなかったよ」とのことだ。

では昔の渋谷はどのような街だったのか、1896-1909年の渋谷周辺図を見てみた。

すると昔の渋谷には意外な発見が!

渋谷周辺地図 - 1896-1909年
渋谷周辺地図 - 1896-1909年

現在の渋谷周辺地図
現在の渋谷周辺地図

なんと現在、渋谷区役所のある場所には「衛戌監獄」(えいじゅかんごく)と右始まりの文字が、さらにNHK放送センターや代々木公園のある場所には「代々木練兵場」の文字が書かれてあるではないか。

どちらも軍関連施設であり、現在の若い女の子がキャーキャー言ってるような渋谷の雰囲気とは完全に真逆だ。

むしろキャーキャー言ってはいけない街だったかのように推測できるかと。

また、この「衛戌監獄」のすぐそばに明治時代の作家・国木田独歩が居を構えていたとのことで、友人の作家・田山花袋が国木田独歩宅を訪ねた際、周辺の小川には水車が回り、乳牛を搾って製品にしていた牛乳屋があったとのことだ。

昔の地図をさらに見続けてゆくと、現在東急百貨店本店・Bunkamuraがある場所の裏手は「鍋島農場」になっており、畑だったことも判明。

大都会・繁華街の渋谷とはイメージを異にする長閑な風景が広がっていたことが想像できよう。

昔の地図を眺めることで、実際は見たことがないけれども、かつての風景がイメージとして膨らみ、思いを馳せることができるのも、地図の良さだ。

ただ単純に道や場所を提示するだけが、地図の役割ではないのだ。

暇な時に昔の地図を眺めてみよう。

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099