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地震体験や消火訓練もできる東京消防庁・立川防災館【連載:アキラの着目】

世界の温暖化現象により、温帯気候だった日本も次第に熱帯気候に変わりつつあるような昨今。

そうした影響を受けて、台風の大型化や莫大な降雨量をもたらすゲリラ豪雨なども頻発し、これまでに直接的な被害のなかった地域でも、河川の氾濫や浸水、土砂崩れが起こっており、台風19号のよる被害は我々の記憶に新しい。

「そんなに大したことはないだろう」、「今までも大丈夫だったから」という楽観的な心構えだと、場合によっては生命の危険を招く恐れすらある。

実際に地震や台風が来てから、「こんなに凄いとは思わなかった」と言わないためにも、事前にシミュレーションしたり、どのくらいの凄さなのかを知っておくと、知らないよりは数段、危険回避に繋がるはずだ。

そこで今回のニッポンニュースで紹介するのが、地震体験や消火訓練もできる東京消防庁・立川防災館だ。

この東京消防庁・立川防災館では、昨年にオープンした、国内初「救出救助コーナー」がある。

昨年にオープンした、国内初「救出救助コーナー」 東京消防庁<防災館・博物館><立川防災館>から引用
昨年にオープンした、国内初「救出救助コーナー」
東京消防庁<防災館・博物館><立川防災館>から引用

リアルな造形により震災現場を再現した空間で、要救助者の捜索から救出までの行動を体験することができる。

また、寝室や事務室を想定した室内空間での体験も可能だ。

対象者を中学生以上に設定しているので、残念ながら小学生だと体験できない。

これ以外にも、テーブルの下で本物そっくりの地震の揺れを体験できる地震体験室(対象年齢:3歳以上)や、大型スクリーンに映し出された火災映像を模擬消火器で消火する消火訓練室(対象年齢:小学3年生以上)、いざという時の胸骨圧迫心マッサージ法やAED取扱要領などを学べる応急救護訓練室(対象:小学4年生以上)もある。

テーブルの下で本物そっくりの地震の揺れを体験できる地震体験室 東京消防庁<防災館・博物館><立川防災館>から引用
テーブルの下で本物そっくりの地震の揺れを体験できる地震体験室
東京消防庁<防災館・博物館><立川防災館>から引用
大型スクリーンに映し出された火災映像を模擬消火器で消火する消火訓練室 東京消防庁<防災館・博物館><立川防災館>から引用
大型スクリーンに映し出された火災映像を模擬消火器で消火する消火訓練室
東京消防庁<防災館・博物館><立川防災館>から引用
いざという時の胸骨圧迫心マッサージ法やAED取扱要領などを学べる応急救護訓練室 東京消防庁<防災館・博物館><立川防災館>から引用
いざという時の胸骨圧迫心マッサージ法やAED取扱要領などを学べる応急救護訓練室
東京消防庁<防災館・博物館><立川防災館>から引用

いずれのアクティビティも本番さながらで、応急救護訓練室には等身大の訓練用人形が用意され、この人形を押しながら、救助の手順や要領などを体験しながら理解を深めることができるのだ。

実際に使わないに越したことはないが、しかし、いつ何時どこで災害に直面するかわからない日本だからこそ、その時に慌てずに善処できるよう、こうした体験や訓練は重要なのだ。

高尾山の往きか帰りに立ち寄るのにちょうど良い立川なので、オススメのスポットだ。

■東京消防庁<防災館・博物館><立川防災館>
http://www.tfd.metro.tokyo.jp/hp-ttbskan/

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

関東大震災から96年の大地震ブランク、己の身は己で守れ!【連載:アキラの着目】

2011年の東日本大震災で東京を含めた関東地方は、東北地方ほどではないにせよ、かなりの打撃を被った。

しかし、東京周辺で起きたもっと甚大な打撃を被った大地震を遡ると、96年前の関東大震災が”直近”となっており、それ以降関東大震災クラスの大地震はない状況だ。

地震のメカニズムは、年々解明されてはきているものの、まだ未解明領域が多く存在し、そのため様々な学説が飛び交っている。

東京周辺は1980年代あるいは1990年代以降、地震の活動期に入ったとする説もあり、その説の通りだとしたら、2019年の現在はかなり大地震が起こる確率が高い時期に差し掛かっていると言わざるを得ない。

いくら高度の科学が発達した現代においても、自然現象を力技でねじ伏せることは不可能で、ましてや大地震ともなれば、我々人類の存在は砂粒同然だ。

そうなると、いつの日か来たる東京の大地震に備え、事前の準備を怠らないようにし、今できることを万全にするしかないのだ。

最も手っ取り早いのが、情報の入手だ。

現在自分の住んでいる場所は、地盤が硬いのか、それとも柔らかいのか、海や川に近いのであれば、津波が来るのか、来ないのか、川の流れが逆流するのか、しないのか、堤防が丈夫なのか、脆いのか、住宅密集地なら火災延焼のしやすいエリアなのか、等々はインターネットで検索すれば、容易に入手できる。

検索すれば役立つサイトは数多くあるとは思うが、FJ時事新聞ニッポンニュースがおすすめするのは「国土交通省ハザードマップポータルサイト」(https://disaportal.gsi.go.jp/)だ。

ここにアクセスすると、洪水、土砂災害、津波、道路防災情報、わがまちハザードマップ、等々、大地震などに役立つ情報が満載で、有益な市区町村等の外部リンクも明記され、飛ぶこともできる。
国土交通省ハザードマップポータルサイトから引用

このサイトで、今自分を取り囲む環境を知れば、あとはその対策を練ればいいだけの話だ。

海や川の近くに居住しているのであれば、海や川の近くから引っ越すのも十分な対策だろうし、引っ越しができないのならば、浮き輪やゴムボートを用意するのも手だ。

ハザードマップで真っ赤な火災延焼エリアの場所に居住しているのであれば、防火頭巾や防火服を用意すれば、仮に自宅が全焼しても生き伸びることはできる。

大地震も合戦の敵とみなせば、「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」で、大地震の情報やシミュレーションを知ることで、自分を少しでも有利に、安全に導くことは可能なはず。

ぜひ、このサイトにアクセスして、「もし~ならば、●●●だろう」と反実仮想をして、自分なりの大地震対策を練ってみることをおすすめしたい。

■地震ハザードマップ|国土交通省 ハザードマップポータルサイト
https://disaportal.gsi.go.jp/hazardmap/bousaimap/index.html?code=1

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

日本全国の地震動予測地図を閲覧できるJ-SHIS Map【連載:アキラの着目】

一昨日9月6日に起こった「平成30年北海道胆振東部地震」。

北海道でも地震は起こるものの、そのエリアは毎度同じようなエリアが多かったり、また地震があっても震度や規模がそんなに大きくなかったりで、今回のような大地震が起こるとは、まさに「寝耳に水」だった。

しかし、日本は北アメリカプレート、ユーラシアプレート、太平洋プレート、フィリピン海プレートの4つが集結するという、世界でも類を見ない地殻構造であるがゆえに、好む好まざるとにかかわらず、日本全国至る所で地震が確実に起こるのだ。

地震を回避できないのであれば、いかに被害を最小限に食い止めるかにかかってくる。

そのためには、実際に地震が起きたらどのくらいの規模なのか、どのくらいのエリアに及ぶのか、どのくらいの頻度で地震が起こりそうなのか、等々を予め知ることができると、地震対策をとりやすいというものだ。

そこで登場なのが「J-SHIS Map」だ。

「J-SHIS Map」のホームページには「地震防災に資することを目的に、日本全国の『地震ハザードの共通情報基盤』として活用されることを目指して作られたサービスです」と随分と堅い言い回しの文章が並んでいるが、要するに、日本全国の地震シミュレーションができるサービスを提供してますよ、ということなのだ。

ということで、早速トップページにある「スタート J-SHIS」ボタンをクリックすると、日本地図が掲載されたページに遷移する。

そのページで様々なケースを条件指定でき、試しに「考慮した地震」では「全ての地震」を選択し、「30年 震度5弱以上の揺れに見舞われる確率の分布図」を選択すると、以下に彩られた日本地図が現れた。

J-SHIS Mapから引用
J-SHIS Mapから引用

今回の「平成30年北海道胆振東部地震」の被災地域である北海道を拡大表示させると、ご覧の通り、この30年の間に26%~100%の確率で震度5弱以上の揺れをもたらす地震が起こると「J-SHIS Map」は予想しており、北海道といえどもかなり濃い紅色に染まっているのが見てとれ、「元々北海道は地震とは無縁」というイメージを根底から覆す結果となった。

したがって、今回の「平成30年北海道胆振東部地震」は、確率的には起こるべくして起こった地震だったといえるだろう。

J-SHIS Mapから引用

J-SHIS Mapから引用
J-SHIS Mapから引用

「J-SHIS Map」は、地震確率以外の表示も可能で、タブを切り替えると、「表層地盤」も色別で表示され、自分の家周辺や職場周辺の地盤の硬さもわかる。

「平成30年北海道胆振東部地震」を他人事と捉えずに、いつ我が身に降り掛かってくるかもしれないな、と想定し準備するために、このマップを上手に活用するのもいいだろう。

■J-SHIS Map
http://www.j-shis.bosai.go.jp/map/

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099