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新型コロナウイルスに京都老舗畳店・もとやま畳店の「畳マスク」【連載:アキラの着目】

世界に類を見ない日本固有の文化である畳。

新築したばかりの家に足を踏み入れると、和室からα波を刺激するような心地よい畳の香りがするものだ。

畳には先人の知恵が活かされており、原料であるイグサの抗菌作用により、畳を敷いた部屋は菌が繁殖しにくいのだ。

そんな畳を利用して、新型コロナウィルス感染拡大防止の一助になればとの思いでマスクを作った畳店がある。

大正5年(1916年)創業の京都老舗畳店「もとやま畳店」だ。

本来は一般用から茶室、社寺仏閣まで高品質の畳を製造販売している「もとやま畳店」だが、畳店として今できることは何かということで作ったのが「畳マスク」なのだ。

もとやま畳店の「畳マスク」 もとやま畳店 Facebookから引用
もとやま畳店の「畳マスク」
もとやま畳店 Facebookから引用

日本古来より脈々と受け継がれてきた畳文化と共に歩んできた、経験豊富な畳職人の知恵と技術が結集された畳マスク。

この畳マスクを独り占めすることなく、畳マスクの作り方をYouTubeで公開しているのも太っ腹でありがたい。

畳屋さんならば、畳の端材で簡単に作れるのだとか。

■京都・もとやま畳店 畳マスクの作り方(畳屋さん向け)型つけ編

■最新 京都・もとやま畳店 畳マスクの作り方(畳屋さん向け)縫い方編

畳店以外の一般ユーザーでも畳マスクを作ることができるようにと、別バージョンの作り方もこれまたYouTubeで公開している。

■京都・もとやま畳店 畳マスク完成形の作り方(ユーザー編)

一般ユーザーが畳マスクを作る場合は霧吹きが必要になるのだとか。

畳マスク内側には、二重に折ったティッシュペーパーをセロテープ等で留めるだけでもうしっかりマスクとして機能する。

使い終えたら、畳マスクの内側に入れたティッシュペーパーを取り替えるだけなので、非常に低コストで済むのもありがたい。

ただし、いくら抗菌作用のあるイグサを原料とした畳でマスクを作っているからといっても、抗ウィルス効果が担保されるものではないので、念の為。

「もとやま畳店」の地元、京都の大谷中学校に20枚寄贈された畳マスク もとやま畳店 Facebookから引用
「もとやま畳店」の地元、京都の大谷中学校に20枚寄贈された畳マスク
もとやま畳店 Facebookから引用

【株式会社もとやま畳店】

・所在地:〒603-8216 京都府京都市北区紫野門前町45
・TEL/FAX:075-491-8608/075-491-8607
・E-mail:info@kyo-tatami.com
・創業:大正5年(1916年)
・店舗:京都本店、東京工房

■一般用畳、茶室、社寺仏閣の高品質京たたみの製作販売 京都紫野、東京の畳屋|もとやま畳店
https://www.kyo-tatami.com/

■もとやま畳店 Motoyama Tatami Shop Facebook
https://www.facebook.com/pages/category/Company/もとやま畳店-Motoyama-Tatami-Shop-379365255605931/

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

軽くて靭やかで使いやすい江戸箒(白木屋傳兵衛商店・天保元年[1830年]創業)【連載:アキラの着目】

東京・京橋に店を構える江戸箒の老舗・白木屋傳兵衛(しろきやでんべえ)商店(天保元年[1830年]創業)掃除機は便利なようで便利でない。

そんなふうに思う人もいるはずだ。

というのも、まず掃除機の電源コードをコンセントに差し込まなければならない。

調子よく掃除していると、コードが伸び切って、別の近いコンセントに差し替えねばならない。

掃除機の音がうるさい。

なので、筆者は掃除機よりも立派な座敷箒を買いたかったのだ。

それで足を運んだのが、東京・京橋に店を構える江戸箒の老舗・白木屋傳兵衛(しろきやでんべえ)商店(天保元年[1830年]創業)だ。

東京・京橋に店を構える江戸箒の老舗・白木屋傳兵衛(しろきやでんべえ)商店(天保元年[1830年]創業)
東京・京橋に店を構える江戸箒の老舗・白木屋傳兵衛(しろきやでんべえ)商店(天保元年[1830年]創業)

江戸箒は、江戸時代から、それも江戸の町で作られ、使われたことからその名が付いた。

江戸箒には江戸箒にしかない特色があり、「軽さ」、「コシ」、「シンプルな装飾(編み上げ)」の3点だ。

日々使うものだから箒は軽くなくてはいけない。

また、ゴミ・塵を掃いた際に、箒の先が靭やかに戻る「コシ」がなくてはいけない。

軽い箒にするには、複雑な編上げではなく、至ってシンプルなものにしなければいけない。

東京・京橋に店を構える江戸箒の老舗・白木屋傳兵衛(しろきやでんべえ)商店(天保元年[1830年]創業)の江戸箒
東京・京橋に店を構える江戸箒の老舗・白木屋傳兵衛(しろきやでんべえ)商店(天保元年[1830年]創業)の江戸箒

そのため、機械やセンサー、AIによる原料の判別はできないので、職人の目や手の感触によるホウキモロコシ1本1本の草を選り分ける作業が肝になってくるのだ。

江戸箒の職人 江戸箒(江戸ほうき)老舗|白木屋傳兵衛HPから引用
江戸箒の職人
江戸箒(江戸ほうき)老舗|白木屋傳兵衛HPから引用

ちなみに原料のホウキモロコシは、安定確保の観点から、筑波在住の農家に指導を仰ぎ、職人・社員一同がホウキモロコシ栽培の技術継承・維持・継続に努めているとのこと。

そうした地道な努力や作業でできた江戸箒は靭やかで、手首の負担や疲労度が軽減されるのだ。

江戸箒の職人さんは、江戸箒を「芸術品」として扱うことには抵抗がある、とのこと。

「使われてナンボ」、「消耗品だから」、「生活に根ざした道具(モノ)だから」芸術品ではないとの主張なのだ。

「だからといって粗末に扱ってほしくない。丁寧に扱ってほしい。長持ちもする物だし」。

そう言われる職人さんも現在はただ1人となってしまった。

江戸箒作りの後継者が出てくることを望むばかりだ。

【江戸箒老舗 白木屋傳兵衛 詳細】

・所在地:東京都中央区京橋3-9-8 白伝ビル1F
・アクセス:都営地下鉄浅草線「宝町」駅A3出口、東京メトロ銀座線「京橋」駅2番出口
・問合せ:TEL 0120-375389(ミナゴミハク)※フリーダイヤル
      03-3563-1771
    FAX 03-3562-5516
    MAIL info@edohouki.com
・営業時間:月~土祝10:00~19:00 日曜休
東京・京橋に店を構える江戸箒の老舗・白木屋傳兵衛(しろきやでんべえ)商店(天保元年[1830年]創業)

東京・京橋に店を構える江戸箒の老舗・白木屋傳兵衛(しろきやでんべえ)商店(天保元年[1830年]創業)
東京・京橋に店を構える江戸箒の老舗・白木屋傳兵衛(しろきやでんべえ)商店(天保元年[1830年]創業)

■江戸箒(江戸ほうき)老舗|白木屋傳兵衛
https://www.edohouki.com/

■そばに置いておきたい掃除道具 | 掃印(そうじるし)
https://www.sojirushi.com/

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

地域密着型、スバルお膝元の菓子「スバル最中」【連載:アキラの着目】

和菓子といえば、あんこの存在を抜きに語れない。

饅頭や太鼓饅頭、鯛焼き、人形焼などがあんこの入った和菓子の代表格だが、それらの和菓子に負けぬ個性を発揮している風変わりな菓子を今回のニッポンニュースではご紹介。

その菓子とは「スバル最中」だ。

群馬県太田市にある伊勢屋のスバル最中 ぐんまを愉しむための情報発見サイト|ちょびぃグルメから引用
群馬県太田市にある伊勢屋のスバル最中
ぐんまを愉しむための情報発見サイト|ちょびぃグルメから引用

そんじょそこらの最中とは異なり、自動車のスバルを象っているのだ。

なぜ最中がスバルなのか?

この「スバル最中」を作っている伊勢屋(創業:昭和9年2月1日)が、富士重工業群馬製作所本工場正門前にあるからだ。

スバルのお膝元である菓子屋さんが地域密着型の菓子として、「スバル最中」を考案し、作り出したというわけだ。

群馬県太田市にある伊勢屋のスバル最中 ぐんまを愉しむための情報発見サイト|ちょびぃグルメから引用
群馬県太田市にある伊勢屋のスバル最中
ぐんまを愉しむための情報発見サイト|ちょびぃグルメから引用

北海道産小豆を使用し、丁寧な手作業で練り込んだ餡は、上品な甘さと懐かしさが感じられる味わい。

形こそ奇抜な「スバル最中」だが、シンプルで昔ながらの製法を守り続けている正統派の最中だけに美味なのだ。

アットホームな雰囲気の伊勢屋は、1人でも気兼ねせずに入りやすく、女性にも人気で、テイクアウトもできる。

地域とともに盛り上げてゆく老舗の味を「スバル最中」を通して、味わってみよう。

【スバル最中の伊勢屋 詳細】

・所在地:太田市東本町24-23
・営業時間:9:00~19:00
・定休日:毎週水曜日(不定期も有り)
・TEL.:0276-22-2858

■伊勢屋 ぐんまを愉しむための情報発見サイト|ちょびぃグルメ
http://chobee.jp/shop/6222858/index.html

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

400余年の歴史を誇るとろろ汁の元祖「丁子屋」(静岡県駿河区丸子)【連載:アキラの着目】

世の中には「これといったら、あの店しかない!」という定番の老舗や名店があるものだ。

今回のニッポンニュースは、そんな定番の老舗名店を取り上げたい。

とろろ汁といったら、東海道丸子宿の元祖・丁子屋

以前から、機会があればぜひ行ってみたいと願っていた老舗名店が、とろろ汁の元祖「丁子屋」だ。

1596年(慶長元年)に創業した丁子屋は、実に400余年の歴史を誇る老舗中の老舗、名店中の名店であるのは誰もが知るところ。

旧東海道の丸子宿(まりこしゅく。「鞠子宿」とも表記)を歩くと、その旧東海道沿いに創業当時とほぼ瓜二つのような茅葺き屋根の丁子屋が店を構えている。

旧東海道丸子(鞠子)宿
現在のとろろ汁の元祖「丁子屋」
歌川広重『東海道五十三次』の中の「丸子」で描かれているとろろ汁の元祖「丁子屋」

丁子屋の店前には、「元祖 丁子屋 名物とろろじる」と掘られた巨大石や、「鞠子宿 丁子屋」と書かれた木製看板、また「名物 とろゝじる 丁子屋」と筆を入れられた巨大提灯や「とろろ汁」と書かれた暖簾があり、どれもこれも風情を感じさせてくれる。

11:00の開店時間に合わせ、筆者が約5分前に行くと、まだ客は誰もおらず、「開店は十一時です。」の告知板前に一人開店を待ち望んだ。

やがて、壮年夫婦2人も現れ、筆者の後ろに並びだす。

開店時間11:00きっかりに店の引き戸が開き、「いらっしゃいませ」の声とともに女性店員さんが現れた。

さらに、「お一人様ですか?」と訊かれ、店内奥へと案内される。

その途中には、「丁子屋 お写真コーナー 『とろろ職人』」があり、観光地に多い顔ハメ看板の、もっと丁寧になり切れる版といったところか。

丁子屋 お写真コーナー 「とろろ職人」

そこを過ぎると、下足場となり、靴を脱ぐ。

その後、通されたのは、外光と暖色系の柔らかい室内灯の光が見事に調和したお座敷だった。
外光を取り入れながら、暖色系の柔らかい室内灯の光と見事に調和した丁子屋のお座敷

お座敷でも、椅子に腰掛けて優雅にとろろ汁を食べるスタイル。

何回か丁子屋を訪れている、前述の壮年夫婦は店員さんに「椅子に変わっちゃたの? 以前来た時は座布団に座る形式だったよね?」と話しかけていたのを耳にした筆者は、椅子に腰掛けるスタイルはこの数年で出現したのかと知ったのだった。

まあ、椅子でも特に問題なし、何せ、筆者はこの日の「1番乗り」だったから、自分好みの席を選ぶことができた。

選んだ席は、鴨居に飾られた歌川広重『東海道五十三次』の「丸子」直下の席だ。
丁子屋のお座敷にある鴨居に飾られた歌川広重『東海道五十三次』の「丸子」

早速、お品書きを繰ってみると、とろろ汁にも幾つかのバリエーションが。

宿(しゅく)の名前と同じで、手頃な値段の「丸子」にしようかと思ったが、次に訪れるのがいつになるかわからないから、ここはちょっと奮発して、「丸子」のワンランク上の「本陣」を注文した。

「本陣」と「丸子」の差は、おかべ揚げ、甘味などが付くか付かないかだ。

おかべ揚げとは、擦り下ろした山芋を団子状にして油で揚げたものだ。

とろろ汁「本陣」が運ばれてきた。

丁子屋 とろろ汁「本陣」 写真中央に3個ある玉状のものが、おかべ揚げ
丁子屋 とろろ汁「本陣」 写真中央に3個ある玉状のものが、おかべ揚げ

一人ひとりにおひつが支給され、蓋を開けると、ゆうに茶碗3~4杯分の白飯が湯気を立てていた。

普段から大盛りを食べる筆者でさえも、このとろろ汁の白飯はなかなかのボリュームで、食べた後の満腹感は100点満点だ。
とろろ汁かけご飯

竹焼き塩をつけながら食べるおかべ揚げは、上品な天ぷらに勝るとも劣らない美味だった。

甘味は抹茶餡の入った餅だ。

いうまでもなく、とろろ汁をはじめとした全てのお品の味も満点だし、とろろ汁が出されるまでの間や食後に飲んでいた緑茶も、さすが茶処・静岡だけあって、味が満点、筆者はガブ飲みした。

会計後は、店員さんに勧められ、店内に常設された歴史資料館も見学、実際に昔使用された摺鉢や宿丁子屋にちなんだ芭蕉翁、十返舎一九、安藤広重の作品を閲覧した。
丁子屋店内に常設歴史資料館に陳列された昔の摺鉢

訪れた時間が早かったこともあり、バスツアー等の団体客がおらず、団体客が使用するであろうお座敷も拝見し、パチリと撮影。
座布団のお座敷座布団のお座敷

和室には、やはり椅子よりも座布団かなと再確認した次第だ。

やはりメジャーな、とろろ汁専門の老舗である丁子屋は、時間帯によってはかなりの混雑が予想される。

筆者がお品書きを眺めている間にも、客が瞬く間に増え、食後の緑茶を堪能している頃には、ほぼ椅子が埋まっていた。

ストレスフリーでとろろ汁を堪能した方が、しっかり味わえるし、慌てて食べることもないので、やはり11:00の開店に合わせて、訪れるのがオススメだ。

■静岡市で食事するならとろろ汁の『元祖 丁子屋』へ
https://www.chojiya.info/

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099