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横綱・白鵬、引退の意向を相撲協会に伝える【連載:アキラの着目】

横綱・白鵬(36歳)が9月27日、引退する意向を(公)日本相撲協会に伝えた。

白鵬 日本相撲協会公式サイトから引用
白鵬
日本相撲協会公式サイトから引用

モンゴル出身の白鵬は15歳で来日し、その当時の体重は62kg。

2001年に初土俵を踏んだ白鵬は、幅広い攻めのスタイルを武器メキメキと頭角を現し、2007年に横綱に昇進、大相撲で1,000勝以上した。

華々しい表舞台の裏では膝の怪我に度々悩まされ、昨年は休場が続き、11月に横綱審議委員会から注意を受けるまでに。

今年に入ってからも右膝の手術をしたりで、身体への負担が大きくのしかかった。

7月の名古屋場所では45回目の優勝を果たしたものの、NHKのインタビューでは体調が良くないことを吐露、現役続行が危ぶまれる発言もあったが、ついに9月27日に現役引退を迎えることになった。

白鵬の優勝回数(45回)、通算勝ち星(1,187勝)、全勝優勝回数(16回)、等々、従来の記録を塗り替えたり、最多記録を次々と打ち立てたりで、まさに最強の力士だった。

2019年に日本国籍を取得した白鵬は、親方として自らの相撲部屋を持つことができる。

力士を育てることが相撲への感謝を示すことになると以前から考えている白鵬にとっては、今後後進を育成することに全力を傾けることだろう。

 

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

白鵬が大相撲ファンの心を掴めない理由とは?【連載:アキラの着目】

勝つためにはなんでもあり!? 「エルボースマッシュ」を繰り出した横綱・白鵬

先場所の大相撲名古屋場所14日目での出来事。

豪栄道との取り組みで、立ち会いからプロレス技「エルボースマッシュ」を彷彿とさせる「かち上げ」を繰り出した横綱・白鵬。

「勝つためにはなんでもありなのかよ!」、「プロレス技を出してまで勝ちたいのかよ!」といった内容の意見がネットを賑わせた。

ここ2、3年における白鵬の戦いぶりについては、横綱の品格云々といった意見がやたらと目立つようになってきているだけに、またかとの思いを抱いた大相撲ファンも少なくないはずだ。

相撲は、勝敗を決する競技なのだから、勝つことが最も重要であるのは言うまでもない。

ましてや相撲のルールに反していないのだから、文句を言われる筋合いはないというのが、おそらく「エルボースマッシュ」を繰り出した張本人である白鵬の心の内なのだろう。

そんな勝てさえすればいいじゃないか的な戦いぶりをする白鵬に対して、そもそも我々日本人は、なぜ否定的な見解を持ってしまうのだろうか?

日本人1人1人に内在する横綱のイメージ

「ただ勝てばいい」という白鵬を我々日本人が非難してしまう理由として、日本人1人1人の中に理想となる横綱のイメージがあるからだろう。

横綱としてこうあるべき姿、例えば、対戦相手の技をかわすことなくしっかりと受け止めて戦う「横綱相撲」をしてほしい、など。

今回の「エルボースマッシュ」は、日本人1人1人に内在する横綱のイメージとはあまりにもかけ離れているから、横綱の品格がない、横綱相撲じゃないとか非難されるのだ。

大相撲ファンのニーズを叶えていない白鵬

ただ勝つことだけを目的とするならば、アマチュアでよく、わざわざ観客に取り組みを見せる必要はない。

しかし大相撲は、会場に観客を入れ、その観客からしっかり木戸銭を取って、「見世物」としての要素も兼ね備えているのだから、ただ勝つことだけを見せていたのでは、観客は魅了されないし、満足もしないし、納得もしない。

ゆえに大相撲力士は、観客や大相撲ファンを魅了・満足・納得させるために、観客や大相撲ファンのニーズに敏感であらねばならないのだ。

そうした観点で捉えると「ただ勝てばいい」の白鵬は、観客や大相撲ファンをないがしろにしてると判断されても仕方がないだろう。

結論としては、ただ勝つだけならば、それはアマチュア選手でもできること、でも横綱ならば、魅了するような勝ち方をしなさいということだ。

いくら何百勝して記録を更新しようが、観客や大相撲ファンのニーズを無視した勝ち方をし続けるならば、白鵬はずっと観客や大相撲ファンの心を十分に掴めぬままだろう。

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099