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今日10月4日は何があった日?【連載:アキラの着目】

今日10月4日は何があった日かご存知だろうか?

「10月4日は何の日か?」だと、「いわしの日(1と0と4の語呂で)」や「証券投資の日(10と4の語呂で)」、「ジューCの日(カバヤ食品が制定。10と4の語呂で)」とのことだが、何があったかとなると、実はドリフターズの「8時だヨ!全員集合」が放送を開始した日なのだ。
ドリフターズ「8時だヨ!全員集合」

1969年(昭和44年)10月4日、TBS系列で放送を開始されたこのコント番組は当時の子供たちにバカウケで、その後約16年間・全803回に渡る長寿番組となった。

ドリフターズとは元々は音楽バンドだったのだが、いつしかコント・喜劇集団となり、初期メンバーはいかりや長介、荒井注、高木ブー、仲本工事、加藤茶。

その後、荒井注が脱退し、代わりに付き人だった志村けんが正規メンバーに格上げし、志村はご承知の通り人気者となる。

放送開始時は録画をオンエアしていたが、毎回地方の公民館やホールから生放送するようになり、時間的制約があるので、本当にドタバタ・コントがドタバタしていたのだった。
ドリフターズ「8時だヨ!全員集合」

番組はコントが中心の前半パートと、体操あるいは合唱団などによるショートコントが中心の後半パートとに分かれており、体操コントといえば仲本工事、合唱団コントといえば、志村けんの「東村山音頭」などが人気だった。
ドリフターズ「8時だヨ!全員集合」での合唱団コント

エンディングに毎回演奏される「いい湯だな」も放送時間枠に収めるために、生オーケストラが超スピードで演奏することは当たり前、カトちゃんが「ババンババンバンバン!」と早口で歌うのも視聴者はすっかり慣れっこだった。

生放送だから常にハプニングと隣合わせで、放送開始時間の8時になった途端に、会場の照明が全て消え落ち、番組オープニングは懐中電灯で顔を照らして急場凌ぎした回もあった。

コントネタ・ギャグネタが「お下品」だという批判が絶えず、全国の教育委員会やPTAから槍玉に上げられること数知れず。

しかし、土曜日の夜8時といったら、小中学生の大半は、この「8時だヨ!全員集合」を毎週欠かさず観ており、観ないと休み明けの月曜日に友達との会話に入れないくらいの定番番組だった。

これだけ隆盛を極めた怪物長寿番組だが、漫才ブームで活躍したツービート(ビートたけし&ビートきよし)、B&B(島田洋七&島田洋八)、紳助竜介(島田紳助&松本竜介)らが「8時だヨ!全員集合」の裏で「オレたちひょうきん族」(フジテレビ系列)をスタートすると、子供たちは「8時だヨ!全員集合」からタケちゃんマン見たさに「オレたちひょうきん族」に鞍替えし、ドリフターズ人気は下降線を辿ることに。
ツービート(ビートたけし&ビートきよし)紳助竜介(島田紳助&松本竜介)「オレたちひょうきん族」のタケちゃんマン

その影響でついに1985年(昭和60年)9月28日をもって長き歴史に幕を閉じた。

ちなみに、一方的に漫才師主体の「ひょうきん族」に敗北したドリフターズが、「ひょうきん族」にリベンジするのにはこの後4年を要した。

1986年(昭和61年)1月11日からスタートした、「8時だヨ!全員集合」の後継番組「加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ」(加藤茶・志村けん)は徐々に視聴率を上げてゆき、1989年10月にはついに土曜日夜8時の首位視聴率を奪還、リベンジに成功したのだった。

この一連の「土8戦争」が勃発する前は、前述のようにドリフターズの独壇場であり、その初めの第1歩が今日10月4日だった、ということをバラエティ番組好きの人ならば、頭の片隅に入れておこう。

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

「隠蔽体質社会」ニッポン【連載:アキラの着目】

昨年、元日馬富士の暴力不祥事があったばかりだが、またまたここに来て大相撲春日野部屋の傷害事件が明るみになった。

この傷害事件は、かつて大相撲春日野部屋に所属していた当時兄弟子だった元力士が、弟弟子の顔を殴り、傷害罪で起訴され、2016年6月に懲役3年、執行猶予4年の有罪判決が確定していたというもの。

春日野親方(元関脇・栃乃和歌)は、この傷害事件の存在を公表しておらず、隠蔽していたと疑われても仕方がない現状況だ。

隠蔽体質

この傷害事件をテレビ、ネットのニュースで聴いた時に筆者がまず思ったことは、いじめに対する学校や教育委員会の対応に似ているなということだ。

いじめがしっかりとあったのにもかかわらず、「いじめがあったとは言い難い」、「いじめがあったとは認識していない」、「いじめがあったとは聴いていません」といった、いじめそのものが存在しなかったかのような発言をした教師や教育委員会の職員が、過去に実際にいたのは記憶に新しい。

なぜこうしたいじめの存在を認めなかったり、傷害事件があったにもかかわらず、すぐに報告せずにいたりとかが起こるのか?

こうした「隠蔽体質社会」になってしまう要因として、以下のことが考えられるのではなかろうか。

  • いじめや不祥事が明るみなってしまうことで、体制側上層部の人間にとって、「著しい不利益」を被る恐れがあるから
  • 学校であれば、その学校を取り巻く地域社会にいじめが、大相撲であれば世間一般やマスコミに不祥事が知れ渡ってしまうことを危惧するから

ゆえに学校はいじめを、大相撲部屋は不祥事を隠蔽してしまうのだろう。

では、さらに突っ込んで、「著しい不利益」とは何か?

それは出世街道に響くこと、恩給・給与減額等のことを指すと考えられる。

教師・教育委員会の職員であれば、いじめがあったことを認めれば、自分の在任期間に”傷”が付くことになり、恩給や給与の査定に影響し、減額されるかもしれないし、場合によっては役職を解任される場合もあり得るだろう。

大相撲であれば、自分の監督する相撲部屋から不祥事があったとなれば、世間・マスコミ・タニマチへの悪印象がついてまわることになるし、日本相撲協会の理事になろうとしている親方にとっては、その道を絶たれる可能性が浮上することになるだろう。

だから、己の保身のために「いじめはなかった」、「不祥事はなかった」、「知らなかった」という初期対応を取るのだと思われる。

本来なら、被害者は保護されるべき身なのに、むしろ被害者に対しさらに便乗するかの如く圧力をかけたり、精神的苦痛を味わせる手段を採ることが、そもそも考えられないし、あってはならないことだ。

このような事件は、今初めて起きたことでもないのに、ニッポンは相変わらず「隠蔽体質社会」が継続されてゆくような気がしてならない。

過ちを繰り返してはならないのだ。

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099