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近年見直されている草履や下駄などの履物【連載:アキラの着目】

かつての日本では、西洋の進んだ技術・文化を吸収することに躍起になっていた。

その名残からか、現在の日本でも相変わらず、欧米文化や横文字に弱く、そうした流行に左右されてしまったり、自国の文化を継承しなかったりするのだ。

しかし、ダサいと思われていた過去の伝統的な日本のものでも、実は理に適っていたり、健康に良かったりするものが多く、近年また見直されていることもある。

その代表格が草履や下駄などの鼻緒がある履物だ。
女性用下駄

昔の日本では当たり前のように履かれていた草履や下駄が、高度経済成長期に整備されたアスファルト道では「下駄の音がうるさい」、「草履が擦り切れるのが早くなった」、「下駄の歯が削れるから履かない」、「運動靴の方がカッコイイ」、等々の理由ですっかり廃れてしまい現在に至ったが、実は健康的には良いことづくめなのだ。
下駄

なぜ草履や下駄などの履物は、健康的に良いと見直されているのか?

それは以下のような理由があるからだ。

1.草履や下駄を履くことで、足の裏にある多くの神経やツボが刺激され、血液の循環を末梢から促進し、足だけでなく胃腸のはたらきや体全体、神経、脳までが鍛えられ、認知症の予防にもなる
2.草履や下駄を履くことで、必ず足の指が自然と鼻緒を掴み、その結果、土踏まず形成のために効果的で、扁平足が解消される
3.草履や下駄を履くことで、首の反射区が刺激され、首のこりが解消される
4.草履や下駄を履くことは、足を締め付けないので、外反母趾や内反母趾にも優しい
5.草履や下駄を履くことは、通気性が良いので、水虫の予防になる
6.靴を履いた時の歩き方とは異なり、蹴らない歩きができ、つまり中心軸が現われるバランスの取れた歩き方ができる
7.草履や下駄は、着脱が容易で楽であり、特に下駄では歯と地面が触れ合って奏でるカランコロンという軽やかな響きが爽快感を呼び起こし、リラックス効果がある

これらの要点をまとめると、草履や下駄は靴と異なり、足を窮屈にさせることとは無縁で、むしろ開放感を与え、リラックスできる。
着物と草履を身に着けた日本女性

その上、鼻緒を挟む足指の動きや、足裏の神経・ツボが刺激されることが、体の各部位に好影響を及ぼすことがわかってきたということだ。

さすがに冬場に草履や下駄を履くことを推奨しないが、春先に向けて、今から草履や下駄を新調し、せめて休日の時だけでも自分の足をリラックスさせたらいかがか。

そうすれば、足だけでなく、貴方自身もリラックスでき、健康的に向上すること間違いないだろう。
浴衣と草履

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

用途に適した下駄を履こう【連載:アキラの着目】

一昨日7月22日は、全国木製はきもの業組合連合会が制定した「下駄の日」だったが、はたしてどれだけ現在の日本人が下駄を履いているのか。

男性の場合は、浴衣に下駄は合うので、この時ばかりは下駄を誂える人もいるかもしれないが、日常生活で下駄を履く人は、ほぼ日本では絶滅したような状況だ。

しかし、僅かながら下駄をこよなく愛する人たちもいる。

「ゲージツ家」の篠原勝之さん(通称クマさん)もその一人。

「若い時は新宿でよく喧嘩したもんだけど、下駄を履いていると、下駄でぶん殴れるから便利なんだ」と、クマさんにはちょっと物騒なエピソードがあったりするが、いまだに下駄を愛用されている。

今回も相変わらず前置きが長くなってしまった。

そこで今回は下駄を、それも様々な種類の下駄を取り上げてみる。

足駄(高下駄)

足駄は、高い2枚の歯が付いた下駄で、一般的には高下駄と呼ばれている。

降雨時の悪路を歩く際に使用される下駄だ。

雪下駄

雪下駄は、その名の通り降雪の多い地域で使用することを前提に造られた、すべり止め金具を打った下駄をいう。

駒下駄(羽根虫)

駒下駄とは、台も歯も一つの材を刳(く)って作られた下駄をいう。

江戸時代中期から末期にかけて駒下駄は出現したと考えられている。

日和下駄

日和下駄とは、歯の低い差し歯の下駄をいい、もっぱら晴天時に履くための下駄だ。

庭下駄

庭下駄は、これまたその名の通り、庭を歩くための下駄だ。

鉄下駄

一般人が日常の歩行においてまず使用しない下駄が、鉄製の鉄下駄だ。

スポーツ根性マンガの主人公が、足腰の鍛錬のために日頃から重い鉄下駄を履き、試合本番当日に通常のシューズや足袋を履くと、足が軽く感じられたり、また脚の筋肉を鍛えられるとのことで、筋力アップになる、といわれている。

実際の鉄下駄を履くことの効果が、どうなのかについては検証の余地があるかと思われる。

ぽっくり

お江戸・吉原の花魁が履く下駄が、このぽっくりだ。

安定歩行を阻害するような、どう見ても転ばないように歩くにはそれなりの慣れが必要な下駄だ。

以上駆け足で様々な下駄を紹介してきたが、夏場は靴よりも下駄の方が涼しげだし、いなせに見えるので、履いてみると堂々と振る舞えるかも。

久延毘古⛩陶 文月半夏生七夕小暑海の日土用入り大暑 (@amtr1117)さんのTwitterから引用
久延毘古⛩陶 文月半夏生七夕小暑海の日土用入り大暑 (@amtr1117)さんのTwitterから引用
FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099