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天覧試合には成り得ない現在の総合格闘技【連載:アキラの着目】

天覧試合は、メジャー・スポーツだけに存在する!?

■天覧試合(てんらんじあい)とは、天皇が観戦する武道やスポーツ競技の試合のこと。(weblio辞書から引用)

冒頭から天覧試合の定義について書いたが、天覧試合と聞いたら、大多数のご年配の方々は、長嶋茂雄選手のサヨナラホームランで幕を閉じたプロ野球「巨人-阪神戦」を思い起こすことだろう。

また、大相撲を観戦に来られた天皇皇后両陛下を思い起こす方々もいるかもしれない。

一般的には、このプロ野球と大相撲での天覧試合を思い起こすのだろうが、実際は他のスポーツ競技でも天覧試合はいくつも存在している。

  • 社会人野球
  • サッカー
  • ラグビー
  • アメリカンフットボール
  • レスリング
  • 競馬

これら天覧試合があったスポーツ競技は、どれもメジャー・スポーツだ。

それも、競馬は別として、中学・高校・大学のどれかしらに必ず部として存在しているスポーツ競技だ。

そう考えると、天覧試合は、こう再定義することもできるのではないか。

■天覧試合とは、中学・高校・大学のどれかしらに必ず部として存在している、メジャーなスポーツ競技に組まれた、天皇陛下が観戦される試合。

これを逆にいうと、マイナーなスポーツ競技には、天覧試合はまず組まれることはないということだ。

現在の総合格闘技は、天覧試合にふさわしくない競技

随分前置きが長くなってしまった。

では総合格闘技だと、天覧試合が組まれることは可能なのかどうか、だ。

総合格闘技

あくまでも私感だが、前述の再定義に照らし合わせると、総合格闘技は天覧試合を組まれるに値しない競技になるだろう。

総合格闘技には天覧試合が組まれない理由を列挙してみる。

  1. 総合格闘技は、メジャー・スポーツではない
  2. 総合格闘技は、中学・高校・大学のどれかしらに必ず部として存在していない
  3. ゆえに競技人口が少ない
  4. 総合格闘技の試合は、子供からお年寄りまで楽しめるものではない

1、2は再定義に則ったら、こうなった。

3については、総合格闘技はメジャー・スポーツではないし、中学・高校・大学に必ず部としてあるわけではないので、当然ながら競技人口が少ないのは明らかだ。

4についてだが、「総合格闘技の試合は、子供からお年寄りまで楽しめるものではない」ことが、最も天覧試合が組まれる可能性を阻む要因になるかと筆者は思っている。

現在の総合格闘技の試合は、四つん這いになった相手をサッカーボールを蹴るように蹴っ飛ばしても構わないし(=サッカーボール・キックの容認)、相手に馬乗りになって、殴りまくっても構わない(=マウント・パンチの容認)というもの。

したがって、かなり凄惨なシーンが現れることもあるので、子供には見せることができないし、心臓が弱いお年寄りならば、それこそショック死してしまいかねないのだ。

なので、バイオレンスに極めて近い現在の総合格闘技の試合は、天覧試合にふさわしくないと判断される可能性が断然高いと思われる。

将来、総合格闘技で天覧試合が組まれるためには

では、将来、総合格闘技で天覧試合が組まれるためにはどうしたら良いのか?

それは簡単だ。

「四つん這いになった相手へのサッカーボール・キックの禁止」、「マウント・パンチの禁止」など、バイオレンスな展開にならないよう、ルールを改正すればいいのだ。

このようなルールに改正すれば、チビっ子から年配の方まで、安心・安全に総合格闘技をすることができるようになるし、それがいずれ競技人口の裾野を広げることになり、それに伴って競技のヒエラルキーが大きくなり、メジャー・スポーツになるのだ。

子供から年配の方まで楽しめ、かつメジャー・スポーツになれば、天覧試合も組まれるようになるのは自然の流れだ。

天覧試合が組まれるために、総合格闘技が今後採るべき道は、バイオレンス性の排除、競技人口の拡大だ。

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099