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切込み接ぎか打込み接ぎ?石垣の焼印付き「お城せんべい」(岐阜県恵那市)【連載:アキラの着目】

今回のFJ NEWS・ニッポンニュースで取り上げるのは、城下町のお土産屋で売られている「お城せんべい」だ。

どこの城下町なのかというと、岐阜県恵那市にある岩村城だ。

まずは、その岩村城の簡単な説明から。

日本で一番標高のある(海抜717m)城として有名な岩村城。

日本三大山城(岩村城の他に奈良県大和高取城584m、岡山県備中松山城430m)にも選ばれている、天然の峻険な地形を利用した要害堅固な山城だ。

現在は石垣しか現存していないのだが、この石垣も見どころ満載なのだ。

なぜならば、中世後期の野面積み、戦国期以後の切込み接ぎ(きりこみはぎ)、江戸期以後の打込み接ぎ(うちこみはぎ)の、計3種類の石垣を見ることができるからだ。

【参考】

野面積み 攻城団ブログから引用
野面積み
攻城団ブログから引用
切込み接ぎ(きりこみはぎ) 攻城団ブログから引用
切込み接ぎ(きりこみはぎ)
攻城団ブログから引用
打ち込み接ぎ(うちこみはぎ) 攻城団ブログから引用
打ち込み接ぎ(うちこみはぎ)
攻城団ブログから引用

ということで、とりあえず岩村城の説明はここまでで、いつできたのか、何というお殿様がいたのか、等々をもっと詳しく知りたい人は本を読むなり、インターネットで調べるなりしよう。

で、岩村城下町で売られている「お城せんべい」に話を戻すと、このせんべいの表面には岩村城の石垣をイメージした焼印が付けられている。

岩村城下町で売られている「お城せんべい」 chiex cafeから引用
岩村城下町で売られている「お城せんべい」
chiex cafeから引用

前述した3種類の石垣のうち、どの石垣なのかというと、石垣の焼印を見る限り、切込み接ぎか打込み接ぎかと思われる。

やはり世間の城についてのイメージは、「天守閣」(本来の呼び名:天守)があり、隙間なく積まれた石垣、すなわち切込み接ぎか打込み接ぎの石垣があるのが城なので、不特定多数が購入する土産物(この場合はせんべいだが)には、その世間のイメージに沿った切込み接ぎか打込み接ぎの焼印を付けたのかもしれない。

ちなみに、この「お城せんべい」を販売しているのは岩村城下町にある大黒屋という店。

岩村城周辺は前述したように高所なので、店は一軒もなく、土産は城下町で購入するように。

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

災害時に役立つ!自衛隊式土嚢の作り方・積み方【連載:アキラの着目】

近年、海面温度が上昇するエル・ニーニョ現象により異常気象がもたらされ、日本全国至る所でゲリラ豪雨、集中豪雨が発生するようになった。

その結果、短時間で1ヵ月分の降雨量を記録するような大雨が頻発し、河川の氾濫も多くなったのだ。

しかし、河川の堤防が決壊しても、その被害を最小限にとめる努力はできる。

自宅に水が流れ込まぬように、土嚢を積んだりすることだ。

ただし、土嚢をやみくもに積めばいいかというと、そんなことはない。

土嚢の積み方にもちゃんとセオリーやノウハウがあるのだ。

そういった土嚢の積み方のセオリーやノウハウを蓄積しているのが、災害対策も担当している自衛隊だ。

どのような土嚢の積み方をしているのか、まずは動画でご覧頂きたい。

■自衛隊LIFEHACK Season2「正しい土のうの作り方①~作り方編~」

■自衛隊LIFEHACK Season2「正しい土のうの作り方②~積み方編~」

土を6~7分目まで入れ、積み重ねやすい形になるように整形するのがポイントだ。

自衛隊LIFEHACK Season2「正しい土のうの作り方①~作り方編~」から引用
自衛隊LIFEHACK Season2「正しい土のうの作り方①~作り方編~」から引用

土嚢を台形型に整形すれば、積み重ねやすくなるし、積み重ねた後に隙間がなくなり、水の侵入を少なく抑えることができる。
自衛隊LIFEHACK Season2「正しい土のうの作り方①~作り方編~」から引用

自衛隊LIFEHACK Season2「正しい土のうの作り方①~作り方編~」から引用
自衛隊LIFEHACK Season2「正しい土のうの作り方①~作り方編~」から引用

1つ1つの土嚢を整形せず、形がまちまちだと、積み重ねるのも面倒になり、おまけに土嚢と土嚢の間に隙間ができ、水が侵入しやすくなるので、何のために土嚢を積んだのか意味がわからなくなってしまう。

整形する手間や時間が多少かかっても、水の侵入をしっかり食い止めるためにも、こうした土嚢の整形や積み方は重要なのだ。
自衛隊LIFEHACK Season2「正しい土のうの作り方②~積み方編~」から引用自衛隊LIFEHACK Season2「正しい土のうの作り方②~積み方編~」から引用自衛隊LIFEHACK Season2「正しい土のうの作り方②~積み方編~」から引用

自衛隊LIFEHACK Season2「正しい土のうの作り方②~積み方編~」から引用
自衛隊LIFEHACK Season2「正しい土のうの作り方②~積み方編~」から引用

出来上がった、綺麗に積み重ねられた土嚢を見ると、なんだか城郭の石垣、それも打込み接ぎ(うちこみはぎ)や切込み接ぎ(きりこみはぎ)のようだ。

城郭の石垣(打込み接ぎ[うちこみはぎ])
城郭の石垣(打込み接ぎ[うちこみはぎ])
城郭の石 切込み接ぎ(きりこみはぎ)
城郭の石 切込み接ぎ(きりこみはぎ)

やはり、整然としたものは機能を存分に発揮し、逆に言い換えれば、機能を果たすには見た目も綺麗に仕上げないといけないのだ。

ただ斬るだけの用途の刀でも、観賞に堪えられる美も追求してきたのが日本刀であるが、同じような意味が土嚢にも込められているように思えてならない。

昔から「機能美」、「様式美」を追求してきた日本文化をこの土嚢でも垣間見ることができよう。

今回取り上げた土嚢の積み方は、実際に使われない状況であるのが最も良いのだが、河川の氾濫等で止むに止まれぬ場合のためには、役立つこともあるかもしれないので、頭の片隅に入れておこう。

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099