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”東京弁”を様々な方言に変換してくれるサイト『もんじろう』【連載:アキラの着目】

日本は狭い国土でありながらも、地域ごとの方言やなまりが存在する。

TVの普及により、かつてほどの言語コミュニケーションの齟齬は生じないが、それでも標準語、いわゆる”東京弁”に慣れ切ってしまった人たちにとっては、各地域の方言やなまりを理解するのは容易ではない。

そうした各地域の方言に対する理解を深める一助となるのが、これから紹介するWEBサイト『もんじろう』だ。

『もんじろう』は、”東京弁”を様々な方言に変換してくれるのだ。

変換したい言葉や文章を入力した後、セレクトボタンから変換したい方言を選び、赤い「変換」ボタンをクリック。

セレクトボタンから変換したいボタンをクリック - 言葉・方言変換サイト『もんじろう』から引用
セレクトボタンから変換したいボタンをクリック - 言葉・方言変換サイト『もんじろう』から引用

すると、右側の欄に変換後の言葉や文章が表示される。

言葉・方言変換サイト『もんじろう』から引用
言葉・方言変換サイト『もんじろう』から引用

日本全国すべての方言を網羅しているわけではなく、一部の地域の方言に限られてしまうが、方言による言い回しや言葉を知るのには、そこそこ便利なツールだ。

ちなみに方言ではないが、「龍馬語」(坂本龍馬風の言語)や「のりピー語」(酒井法子風の言語)など、お遊び要素のある変換もセレクトボタンの中に用意されており、空き時間の時間つぶしにも使えたりする。

各方言による挨拶言葉などを調べたい人は、『もんじろう』で変換しよう。

■もんじろう – 言葉・方言変換サイト
http://monjiro.net/

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

TVが言葉を変化させる【連載:アキラの着目】

ニュースの原稿を読むアナウンサー。

どこのチャンネルに回しても、どこの地域で視聴しても、標準語で伝えている。

今でこそこのような状況だが、明治以前の日本は、日本全国を統一する標準語はなく、方言だらけだったのだ。

それというのも、様々な説があるが、日本は今でいう都道府県に近い単位で「国」があり、また江戸時代移行は「藩」毎の統治であったこともあり、それぞれに特色のある文化や方言が育ったのだ。

その背景には、住民の大多数を占める農民たちの移動がなかったことにより、その地域・領域だけの言葉が発達したことが挙げられよう。

なので、明治維新になったばかりの頃は、九州の人と東北の人が会話しても、お互いに相手の言葉を十分に理解し、意志の疎通をする、といったことができなかったようだ。

九州の方言「すごか」

平成の現在でも、関東の人間が青森弁を聴いても理解できないのだから、当時はもっと理解できなかったであろうことは想像に難くない。

また、自分たちの藩と隣接する藩とは敵対関係にあるという地域もあったようで、そうした状況においては、藩内の情報を安易に隣接する藩に伝わらないようにするためにも、独自の言い回しや方言が発達したのではないか、との説もある。

そんな方言だらけの日本全国だったのだが、平成30年の現在では、まだ各地に方言やなまりが存在するものの、かつての頃と比べると、かなり鳴りを潜めてしまったようだ。

大阪の小学校では、クラスの半分近くの児童が地元の大阪弁ではなく、標準語を日常会話として遣っているというところも出てきたようだ。

その一方で「めっちゃ」という言葉は、今では「全国区」にまで昇格している。

元々関西で遣われていた「めっちゃ」は、「めちゃくちゃ」の下略形で、英語の「very」とほぼ同義語になるのだが、東京の女子高生も当たり前に「めっちゃ」を多用しており、すっかり違和感がない。

こうした現象は、やはりTVの影響によるもので、関西出身の人気タレントが「めっちゃ」を多用することで、それを視聴した若者たちの間で瞬く間に拡散・定着し、すっかり「標準語」となった。

「言葉は時代を追うごとに変化する”生き物”だ」みたいなことがよくいわれたりするが、この調子だと方言は「絶滅危惧種」になること間違いないだろう。

筆者の母親の故郷・愛媛県松山市ではかつて語尾に「~ぞなもし」を付ける方言があったが、今ではかなりのお年寄りでないと、聴くことがないという(例文:今日は良い天気ぞなもし)。

実際、筆者が今年1月に松山を訪れた際、若い人たちは標準語で会話しており、それは驚いたものだ。

各地域の特色は残った方が面白いはずなのだが、言葉に限っては、ますます標準語の流れに抗えないようだ。

つくづくTVの影響は大きいと感じる。