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斬新でインパクトのあるポスターが特徴的だったとしまえん【連載:アキラの着目】

先月末で94年の歴史を閉じた東京都練馬区の遊園地・としまえん。

豊富なアトラクションや「機械遺産」に認定された回転木馬「カルーセルエルドラド」、流れるプールなど、首都圏の民なら誰でも知っているほどの遊園地だった。

また、としまえんは園内に注目を集めただけでなく、テレビCMやポスターといった広告も斬新で目を引いた。

特にとしまえんのポスターは、昭和期におけるPARCOのポスターを彷彿とさせるような見た目のインパクトが特徴的だった。

そのとしまえんのポスターの幾つかを掲載してみる。

いかがだっただろうか、駄洒落のキャッチコピーがあったり、時代背景を反映していたり、”旬の人”を起用していたりで、実に多彩だ。

また、マッド・アマノさんの風刺ポスターのデザインっぽいテイストだったり。

さすが人々を楽しませる遊園地だけに、遊び心を観るものに感じさせるポスターの数々だ。

しかし、としまえんのポスターをもう今後は観ることができない。

もっととしまえんに行っときゃ良かった、と後悔しっ放しだ。

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

「としまえん」(東京都練馬区)、94年の歴史に終止符を打つ【連載:アキラの着目】

「としまえん」の世界最古級回転木馬「カルーセルエルドラド」(1907年ドイツ製)8月31日、周辺地域から親しまれてきた東京都練馬区の遊園地「としまえん」(大正15年開園)が、94年の歴史に終止符を打った。

「としまえん」公式Twitterから引用
「としまえん」公式Twitterから引用

営業最終日の8月31日、開園から長蛇の列ができ、多くの来場者で賑わった「としまえん」。

夕方になると、待ち時間が2時間を超えるまでに。

とりわけ人気を集めたのは、平成22年に「機械遺産」に認定された、世界最古級の回転木馬「カルーセルエルドラド」(1907年ドイツ製)。

「としまえん」の世界最古級回転木馬「カルーセルエルドラド」(1907年ドイツ製)
「としまえん」の世界最古級回転木馬「カルーセルエルドラド」(1907年ドイツ製)

「カルーセルエルドラド」に乗るために集まった人たちの他に、スマホで自撮りをする人たちも集まった。

「としまえん」内では、来場者に長年の感謝を伝える様々なイベントが開催され、「としまえん」へのメッセージを書き込めるコーナーでは、多くの来場者が「としまえん」の思い出や感謝の言葉等を書き綴っていた。

プールの営業が午後5時に、「としまえん」内のアトラクションは午後7時に終了、午後8時からは、全ての来場者に対しての感謝を込めて夜空に花火が打ち上げられた。

その後に、前述したメリーゴーラウンド「カルーセルエルドラド」の前にて閉園セレモニーが行われた。

多くの来場者が見守る中、最後の「カルーセルエルドラド」の稼働が終了、全てのライトが消えると、大きな拍手に包まれた。

予定の午後9時を過ぎても、「としまえん」の閉園を惜しむ多くの来場者が残っていたが、午後10時頃に「としまえん」のスタッフが「ありがとうございました!」と一礼をして門が閉じられ、ついに「としまえん」はその94年の歴史に終止符を打った。

昭和30年代には屋内スキー場、昭和40年代には「流れるプール」といった世界初の施設を次々に導入し、代表的な首都圏の遊園地として多くの人に親しまれてきた「としまえん」。

1990年代には来場者数400万人超えを達成した「としまえん」だが、3.11東日本大震災を契機に東京都は「としまえん」一帯の土地を西武グループ等から買収した上で、災害時の避難場所にも活用できる都立公園として整備する方針を2011年に固め、2023年前半までに「としまえん」跡地に「ハリー・ポッター」のテーマパークや防災機能を備えた公園が整備される予定だ。

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

としまえん閉鎖後跡地はハリポタよりも練馬城址公園にすべき【連載:アキラの着目】

としまえん東京都内の遊園地で90年以上の歴史を持つ「としまえん」(東京都練馬区)が段階的に閉園することになりそうだ。

「としまえん」跡地に東京都の公園や、小説や映画が世界的に人気の「ハリー・ポッター」のテーマパークを造る交渉が進められているとのことで、早ければ今春までに成立する可能性もあるとのこと。

大正15年に「練馬城址 豊島園」として開園した「としまえん」は、22ヘクタールの敷地にアトラクションやプール、スケートリンク等を備えた首都圏有数の大規模遊園地。

昭和30年代には屋内スキー場、昭和40年代には「流れるプール」が、それぞれ世界初の施設として造られ、大盛況だった。

しかし、国内の遊園地は二極化しており、テーマパーク系遊園地は人気を獲得しているものの、旧来の遊園地は相次いで閉園を余儀なくされており、一時代を築いた「としまえん」もその余波を受けた形だ。

元々「としまえん」は前述の通り、練馬城址で中世の城跡だった。

14世紀末頃にこの地に勢力をふるった豊島氏が石神井城(現・石神井公園)の支城として練馬城を築いたと考えられており、江戸城を築いた太田道灌が練馬城を攻撃した歴史もある。

練馬城の遺構は、「練馬城址 豊島園」を開園するにあたって完全に破壊された。

「としまえん」内のウォータースライダー・ハイドロポリス(1989年建設)が建設された場所が練馬城の主郭跡で、現在は見る影もなく、少し高台になっているのが当時の名残りとしてうかがえる程度だ。

1896-1909練馬城址
1896-1909練馬城址
現在の練馬城址(としまえん)
現在の練馬城址(としまえん)

こうした歴史ある場所の「としまえん」なのだから、「ハリー・ポッター」のテーマパークよりも、練馬城址公園として整備し、堀や土塁等を復元し、往時の城を再現する方が文化的で、地元住民にも愛着感が芽生えるのではないかと筆者は考える。

としまえんの閉園はさびしい限りだが、それをむしろ好転と捉え、練馬城復活に転じるべきだ。

■としまえん
http://www.toshimaen.co.jp/

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099