8月31日、周辺地域から親しまれてきた東京都練馬区の遊園地「としまえん」(大正15年開園)が、94年の歴史に終止符を打った。
営業最終日の8月31日、開園から長蛇の列ができ、多くの来場者で賑わった「としまえん」。
夕方になると、待ち時間が2時間を超えるまでに。
とりわけ人気を集めたのは、平成22年に「機械遺産」に認定された、世界最古級の回転木馬「カルーセルエルドラド」(1907年ドイツ製)。
「カルーセルエルドラド」に乗るために集まった人たちの他に、スマホで自撮りをする人たちも集まった。
「としまえん」内では、来場者に長年の感謝を伝える様々なイベントが開催され、「としまえん」へのメッセージを書き込めるコーナーでは、多くの来場者が「としまえん」の思い出や感謝の言葉等を書き綴っていた。
プールの営業が午後5時に、「としまえん」内のアトラクションは午後7時に終了、午後8時からは、全ての来場者に対しての感謝を込めて夜空に花火が打ち上げられた。
その後に、前述したメリーゴーラウンド「カルーセルエルドラド」の前にて閉園セレモニーが行われた。
多くの来場者が見守る中、最後の「カルーセルエルドラド」の稼働が終了、全てのライトが消えると、大きな拍手に包まれた。
予定の午後9時を過ぎても、「としまえん」の閉園を惜しむ多くの来場者が残っていたが、午後10時頃に「としまえん」のスタッフが「ありがとうございました!」と一礼をして門が閉じられ、ついに「としまえん」はその94年の歴史に終止符を打った。
昭和30年代には屋内スキー場、昭和40年代には「流れるプール」といった世界初の施設を次々に導入し、代表的な首都圏の遊園地として多くの人に親しまれてきた「としまえん」。
1990年代には来場者数400万人超えを達成した「としまえん」だが、3.11東日本大震災を契機に東京都は「としまえん」一帯の土地を西武グループ等から買収した上で、災害時の避難場所にも活用できる都立公園として整備する方針を2011年に固め、2023年前半までに「としまえん」跡地に「ハリー・ポッター」のテーマパークや防災機能を備えた公園が整備される予定だ。