代々木アニメーション学院は2020年4月度よりエンタメ学部の「YouTuber科」を新設すると発表。
「YouTuber・V-Tuberは、なりたい仕事ランキングの上位に食い込む職業です。その人気や時代のニーズを受け、開設に至りました」と同学院広報担当者は説明する。
昨今のYouTuberの活躍、V-Tuberの出現といい、YouTubeを取り巻く現状に対し、「時代背景を捉えられる発信者になりたい、好きなことを仕事にしたいという人」に学んでもらえるようにと、番組企画・キャラクター企画・撮影・編集・配信までの一連の流れを教えるのだとか。
「YouTuber科」の具体的なカリキュラム(授業内容)は以下の通り。
【代々木アニメーション学院「YouTuber科」カリキュラム(授業内容)】
★1年次
[ YouTuber育成講座 ]
・YouTuberやV-Tuber業界の現状を知り、企画から撮影(アプリの使い方や番組制作)、編集(ソフトの使い方)、配信(アカウント作成からアップロード)まで一連の流れを学ぶ。
・キャラクター設定・企画
・キャラクター設定・企画
・YouTuberやV-Tuber市場を調査し、どのようなキャラクター設定や番組企画が人気があるのかを考察する。その結果を元に、リスナーに求められる設定や企画の立て方を学ぶ。
[ キャラクターボイス ]
・設定資料を見ながら、キャラクターに合わせた音域やトーン、しゃべるスピードなどが出せるように訓練する。また、タイプ別に演じ分けができるように声の表現にも磨きをかける。
[ 撮影・編集・配信スキル ]
・動画制作で一番重要な編集技術を磨く。撮影した動画の良い部分だけを抜き出し、テロップやBGM・SEを入れ、さらにはエフェクトのかけ方を学び、配信する動画クオリティを上げる。
★2年次
[ モーションキャプチャー ]
専用VR機器を使いながら、身振り手振りやキャラクターのしぐさ、ポーズ、さらにはダンスなどを学ぶ。平面的で単調な動きにならないよう、常に360度の立体的な動きを研究する。
[ トークスキル ]
YouTuberやV-Tuberとして、番組制作に不可欠なフリートーク力を鍛える。自分の得意ジャンルだけでなく、時事ネタにも対応できるトークスキルを磨き、しゃべりの起承転結を学ぶ。
ヴォーカルトレーニング
ヴォーカルトレーニング
声の表現者として発声を鍛えるため、ボイストレーニングを徹底的に行なう。また、番組中のオリジナルソングやキャラクターソング配信に向けて、音感・リズム感・歌唱力を磨く。
[ ヴァーチャルLIVE ]
ライブハウスで定期的に行なわれる「ヴァーチャルLIVE」で、トークや歌、ダンスなどを含めた総合的なパフォーマンス力を磨く。編集を必要としない生配信を行ない、本番力も鍛える。
以上をご覧の通り、最新のVR機器やモーション・キャプチャー・システムの導入は当然のことながら、撮影・編集・配信に必要な各種スキルを専用教室で丁寧に解説するカリキュラム(授業内容)だ。
また、声優を育成する代々木アニメーション学院ならではの、生徒1人1人の設定するキャラクターに合うようなキャラクターボイスについても学習することができる。
代々木アニメーション学院の、こうした他よりもいち早く先んじた学科の開設は「機先を制している」、「時流に乗っている」との声がある一方で、「またニートを量産するのか」、「YouTuberなんてものは成り行きでなったらそれでいいけど、わざわざ学費払ってまで目指すものなのかよ?」、「こんなの習うヤツは(YouTuberとしての)才能がないよ」という反対意見もある。
専門学校で”専門”を学んでも、それが実戦で役立つのか、大成するのかは、これまでにも様々なジャンルの専門学校を見れば一目瞭然で、2020年4月に開設する「YouTuber科」で学んだ生徒全員が、将来ヒカキンさんのような”食っていける”YouTuberになれるとは限らない。
時代の最先端を行く新学科の開設は評価すべきだが、それがイコール、YouTuberの”量産”に繋がるかは当然のことながら未知数であり、吉本興業のお笑い芸人養成所を連想してしまうのだ。
■YouTuber科 | アニメ・声優・マンガ・イラストの専門学校 代々木アニメーション学院
https://www.yoani.co.jp/course/youtuber/