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騒音なしも賛否両論、サイレント盆踊り【連載:アキラの着目】

盆踊りYahoo!ニュースでも取り上げられたため、すでにご存知の人もいるかと思うが、8月10日夜、金沢市のタテマチストリートにて、音が流れないユニークな盆踊り「サイレント盆ダンス」が開催された。

配られたイヤホン付携帯ラジオを装着した「サイレント盆ダンス」参加者は、そこから流れる音楽を聴いて踊るので、会場には一切音が流れないのだ。

この「サイレント盆ダンス」のような無音の盆踊りを試みているところは他にもある。

愛知県東海市大田町で開催される「ザ・おおた・ジャンプフェスティバル」での「無音盆踊り(むおんぼんおどり)」がそうだ。

2009年から続いている「無音盆踊り(むおんぼんおどり)」は、やはり盆踊り参加者(踊り手)がイヤホン付携帯ラジオを持参し、主催者の発信したFM電波に乗って送られてきた曲を、参加者が周波数を合わせてキャッチし、イヤホンで聴きながら踊るのは「サイレント盆ダンス」と変わらない。

ちなみに、「ザ・おおた・ジャンプフェスティバル」が「無音盆踊り」を導入した理由は、騒音対策というよりも集客目的であったとのことで、珍しさをウリに盆踊りへの参加者を増やしたいということだったようだ。

しかし、愛知県東海市大田町の「無音盆踊り」の、集客目的での導入理由はレアなケースであり、音を出さぬ類の盆踊りは騒音対策として導入されるケースのほうが多いのだ。
盆踊り

本来、盆踊りの風景は視覚も聴覚も含め、「真夏の風物詩」のはず。

なので、先人たちの多くは、特に盆踊りの太鼓の音や曲が聴こえてきても「うるさい!」とは怒らなかったと思われるのだが、いつからこうした季節感のある盆踊りの音さえも疎まがられるようになったのだろうか。

この背景には、やはり近年のサイレントブームが関係しているようだ。

戦後高度経済成長期を経て、音に対してセンシティブになったきっかけは、ピアノ騒音殺人事件だろう。

隣近所から聴こえてくるピアノの音がうるさいというだけで、隣人を殺してしまった凶悪事件の影響で、なるべく音を出さぬよう慎もう、という流れに世の中がなってしまったのだ。

ピアノについて言えば、電子ピアノが普及し、昔に比べれば住宅地でのピアノの音は激減したと予想され、また、ピアノだけでなくバイオリンなども、もっと言えば、自動車の走行音や家電の音もテクノロジーの発展に伴い、サイレント化が進むようになった。

こうしたブームや傾向が、ついに盆踊りの領域にまで達し、騒音問題等に発展することがない次世代盆踊りとして「サイレント盆ダンス」は注目を集め、全国的に広がりつつあるのだ。

「サイレント盆踊り」、「サイレント盆ダンス」、「無音盆踊り」など名称にばらつきがあれど、外部には踊りの楽曲は聴こえず、踊っている人の姿だけが見えることになる、この手の盆踊りについては賛否両論が存在する。

「うるさくなくて快適だ」という人もいれば、傍から見た光景が「”謎の儀式”のようで不気味だ」という人もいるし、「うるさいと言うクレーマーのせいで、どんどん風物詩が奪われていく」という懸念を示す人もいる。

一概にどちらが正解なのかは一言ではいえず、それというのも、そこの住民の気質や年齢層、住居と盆踊り会場との距離、等々、様々な要素によって見解が変わるからだ。

筆者個人の意見としては、盆踊りをうるさいというのは、懐が狭いように思えてしまう。

季節ごとの音(鳴き声含む)があることは、実は素晴らしいことなのに、それを自ら拒絶してしまうのはもったいないことだ。
盆踊り

■Silent it
https://silent-it.com/work/silent-neo-bon

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

ぽっちゃり・むっちり専門のメイドカフェ【連載:アキラの着目】

最近では、ぽっちゃり・むっちり好きの人たちのために、ぽっちゃり・むっちり専門のメイドカフェがある。

なぜこうしたぽっちゃり・むっちり専門のメイドカフェができたのかというと、一言でいうならば、今や「ぽっちゃり」、「むっちり」がもはや”市民権”を得たも同然となったからだ。

ムチぽちゃメイドカフェShangrila HPから引用
ムチぽちゃメイドカフェShangrila HPから引用

「ぽっちゃり」、「むっちり」、あるいは「ましゅまろ」という比喩表現もそうなのだが、これらの言葉は、肥満の人や明らかに肥満気味の人のことを表現する言葉。

これらの「ぽっちゃり」、「むっちり」、「ましゅまろ」はポジティブで前向きな印象を他人に与え、ネガティブで蔑んだ「デブ」とは正反対のイメージ・ワードであるのはご承知の通り。

これによって、「デブ < ぽっちゃり・むっちり・ましゅまろ」となり、しっかり陽の当たる場所に「ぽっちゃり」、「むっちり」、「ましゅまろ」が出た格好となったのだ。

「乞食」が「ホームレス」に、「ブラインド・タッチ」が「タッチ・タイピング」に言い方が様変わりしたように、キツい常用言葉を柔らかなイメージ・ワードにするという風潮が、「ぽっちゃり」、「むっちり」、「ましゅまろ」を後押ししたのは言うまでもない。

ちなみに、先日のYahoo!ニュースでは「ぽっちゃり」という活字が全国を駆け抜けた(「磯山さやかさん 『ぽっちゃり』は自分らしさ 今年は『36歳でもグラビアができる自分』へ」(2019/4/14(日)7:37 – Yahoo!ニュース))

もはや誰も「デブ」とは言わせない世の中となり、「ぽっちゃり」、「むっちり」、「ましゅまろ」が定着した感は否めないのだ。

話を戻そう。

ぽっちゃり・むっちり専門のメイドカフェを構成する、「ぽっちゃり」、「むっちり」、「ましゅまろ」の店員さんたちは”市民権”を得た。

よって、ぽっちゃり・むっちり専門のメイドカフェも”市民権”を得ている。

だが、”市民権”を得ただけでカフェを運営できるのだろうか、という疑問が湧いてくる。

やはり何にでもコンセプトは必要で、ぽっちゃり・むっちり専門のメイドカフェにもコンセプトがなければ変だし、なければ長続きせずに一過性のもので終わってしまうことだろう。

ちょうど、その答えに相応しいことが「ムチぽちゃメイドカフェShangrila」HPに明記されていた。

「シャングリラが発信するもの、それは「ぽっちゃりは『萌え』の原点である」という概念。“ぽっちゃり女子”は、男性が、『女性らしさ』や『母性』『癒し』などをイメージしやすい存在であり、『萌え』の原点とも言える存在です。そんな“ぽっちゃり女子”がメイドとなって『萌え』と『元気』を振りまきながらお給仕するメイドカフェ、それが『シャングリラ』なのです☆」

つまり、男性から見て「『女性らしさ』や『母性』『癒し』などをイメージしやすい存在」の「ぽっちゃり」、「むっちり」、「ましゅまろ」の女性が「『萌え』と『元気』を振りまきながらお給仕する」というコンセプトなのだ。

もっと砕けて言うと、「ぽっちゃり」、「むっちり」、「ましゅまろ」が母性、癒し、萌え、元気をお客さんに与えるというメイドカフェなんですよ、と言っているのだ。

外面的なことだけではなく、実は内面的なことや、さらに突っ込むと、母性という根源的かつ本質的なこともウリにしたメイドカフェが、ぽっちゃり・むっちり専門のメイドカフェということだ。

筆者は、この手のカフェには行ったことがないし、この先も行くことはないが、母性に満たされていない男性は、行ってみた方が良いかもしれない。

■ムチぽちゃメイドカフェShangrila
http://shangrila-akiba.jp/

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

省略し過ぎじゃない!? Yahoo!ニュースの見出し【連載:アキラの着目】

情報を常に追い求めている人や、つい暇つぶしで見てしまう人、他にも多くの人がよく利用するサイトが言わずと知れたYahoo!ニュースだ。

このYahoo!ニュースの見出しは、すべて13文字の見出しで表現するという制約がある。

そのためYahoo!ニュースの見出しでは、国名や外国人の氏名は短縮されたり、省略されたり、あるいは漢字による表記を使用したりといった工夫が随所に散りばめられている。

しかし、中には通称でもそんな言い回しはしないのに、短縮し過ぎているな、省略し過ぎているな、という見出しも時折見かける。

そんな気になってしまった、省略し過ぎのYahoo!ニュースの見出しを取り上げたい。

「戦隊ヒロインに元モー娘。」1/12(金) 15:15

「一体誰やねん!」って、関西人ではない筆者でも、思わず関西弁でツッコミを入れたくなるYahoo!ニュースの見出しだ。

ニュースを読み進めていくと、「昨年12月にモーニング娘。’17(現:モーニング娘。’18)を卒業した工藤遥(18)が2月11日より放送開始されるテレビ朝日系スーパー戦隊シリーズ第42作『快盗戦隊ルパンジャー VS 警察戦隊パトレンジャー』(毎週日曜 AM9:30)のヒーローに抜てきされ」たというニュース。

工藤遥ちゃんの世間的知名度があまり高くないことから、知名度の高い「モー娘。」を使用しての見出し作りになったことは容易に推測できる。

工藤遥 - Wikipediaから引用
工藤遥 – Wikipediaから引用

蛇足だが、「元モー娘。」なのだから、当然見出しは「ヒロイン」で問題ないが、ニュース本文は「ヒーローに抜てきされ」たことになっている。

「どっちなんや!」とまた関西弁でツッコミを入れたくなるニュース本文なのだった。

「加計への補助金妥当 第三者委」1/12(金) 16:24

パッと見、予算などに補助金を加えたり、合計したりしたかのように錯覚してしまう見出し。

もちろんものの零コンマ数秒で「なあ~んだ、加計学園のことか」と気づくのだが、紛らわしい名称にもかかわらず、さらに「学園」を省略するものだから、頭の中が多少混乱をきたしてしまう。

「三菱マテ子会社の認証取り消し=JIS法違反で」1/12(金) 16:40

これまたパッと見、「三菱マテ子」という人の会社が認定取り消しを食らっているかのように思えてしまう。

当然ながらそんな名前の人はいるわけないし、次の瞬間に字数を削り過ぎでしょと気づくのだが…。

しかし、”正解”は、「三菱マテリアル株式会社」の子会社が認証取り消しだよ、という内容のニュース。

「ダル 移籍候補はもう一つある」1/11(木) 13:52

「ダル」といえば、言うまでもなくメジャー・リーガーのダルビッシュ有投手のこと。

決して「ダルメシアン」のことには非ず。

ダルビッシュ有公式Twitterより引用
ダルビッシュ有公式Twitterより引用

戦前の日本ではロンドンは「倫敦」、サンフランシスコは「桑港」と漢字で短く表記していたが、現在は戦前とは異なり、漢字を使用しての短縮・省略をしたりはしないので、いかにカタカナ表記で短縮・省略させるかが記事を書く人の腕の見せ所となる。

なので、ダルビッシュ有が「ダル」という表記になるのだが、これは致し方ない。

「ダルビッシュ移籍候補もう一つ」だと、合計14文字になってしまい、13文字に収まりきれないからだ。

以上、常日頃我々がお世話になっているYahoo!ニュースの見出しについてアレコレ書いてみたが、見出しの勉強や参考になるので、今後記事だけでなく見出しにも着目してみよう。

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099