かつての日本の農村では、味噌・醤油・酢などの調味料は、各家庭で手作りしていた。
そのため、各家ごとに代々受け継がれたオリジナルの味が存在していたのだ。
しかし、高度経済成長期に入り、大量生産された廉価な味噌・醤油・酢が出回りだしたことで、わざわざ手間をかけなくとも容易に入手できる方に日本全国がシフトしてしまった。
その結果、各家庭のオリジナル調味料は廃れてしまったのだ。
そうした状況が長らく続いたが、近年、食の安全を脅かす事件が相次ぎ、また今後TPPにより外国から遺伝子組み換え作物が大量に輸入されてくるであろうことから、自分たちで安心できる食材を作る動きが再燃化され、味噌・醤油・酢等の調味料も手作りが人気となっているのだ。
幸い、各家庭で受け継がれていた秘伝のレシピがなくとも、現在では簡単に着手できる手作りキットが各社から発売されている。
その中でもペットボトルを再利用して手作りできる醤油キットが、器具等の初期投資を比較的抑えられるので、始めやすいだろう。
まずはペットボトルで必要な容器を作り、
そのペットボトル容器に麹を入れる。
次に別容器で塩水を作り、よく撹拌させる。
麹に塩水を入れ、混ぜて、中身を十分に振ると、もろみが出来上がる。
あとは1日1回1分間、櫂入れ(かいいれ)をする(もろみを新鮮な空気に触れさせ、かき混ぜること)。
発酵が激しい時期は、ペットボトルの容器が発酵したガスでパンパンになることがあるので、少しずつキャップを緩め、ガスを微量ずつ放出することだ。
ガスが抜けたら、キャップを締め、容器をシェイクすると良い。
作りはじめてから1年が経った頃に、布で搾り、食することが可能だ。
搾ったら冷蔵庫で保存し、早めに消費するように。
火入れをすると、火入れ香(ひいれが)という醤油独特の香ばしさが出るのでさらに美味しさが増し、また発酵を担った菌が死に、長期保存もできるようになる。
以上が、手作り醤油キットの製造手順だ。
今年こそは何か新しいことにチャレンジしたい人には、醤油作りがおすすめだ。
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