関東最大のパワースポットといわれ、ここ数年、大人気の神社となっている埼玉県秩父の三峯神社。
特に、毎月1日の混みようは半端なく、その1日に配布される「白い氣守」を購入しようと、多くの参拝客が押し寄せてしまう。
その発端は、某テレビ番組にて浅田真央選手の姉・舞さんが「妹の分も」と、三峯神社の「白い氣守」を購入したことだ。
そこから人気に火がつき、全国各地から埼玉県秩父の三峯神社を目指す人が後を絶たない。
最も混んだ時は、「白い氣守」を購入するまでに、最大15時間待ちだったという。
したがって、秩父の山奥にあるというのに、三峯神社およびその周辺道路は大渋滞となってしまった。
当然、周辺住民はちょっと買い物に行こうにも、自分たちの生活道路が機能しなくなり、どこにも行けなくなってしまった。
「白い氣守」の発行元である三峯神社も、これまでに関係各所と道路渋滞の対策について、協議を重ねてきたのだが、根本的な解決策を見つけるまでには至らなかった。
そこでやむなく、三峯神社は苦渋の決断で、2018年6月1日から「白い氣守」の頒布を取りやめることとなった。
現代は、ひとたびメディアで取り上げられようものならば、瞬く間に全国に伝わり、鄙びた観光地が一夜でメジャーなスポットに変わってしまうことは、枚挙に暇がない。
まさに埼玉県秩父の三峯神社は、このパターンで大人気のスポットとなってしまった代表例だろう。
しかし、「白い氣守」の頒布を取りやめることになったこと自体は残念ではあるが、これまでに「白い氣守」の転売が問題となっていたこともあり、その沈静化という意味では、とりあえず良かった面もあるといえる。
お守りの転売等は罰当たりな行為であるとともに、神社本庁や宗教法人に課税義務が発生し、参拝者と神社に多大な迷惑がかかるのだ。
本来、賽銭や御朱印帳、御朱印、絵馬、今回の例にもあるお守り、等々に支払われた対価は、信教心からの寄付とみなされて、通常ならば課税対象外となる。
だが、御朱印帳、御朱印、絵馬、お守りなどの品を転売した場合、営利目的の品とみなされて、これらの品の発行元である宗教法人が税務署より課税の通達を受けて、多大な損害を被ることとなる。
ゆえに、転売者だけが罰せられるだけでは収まらず、神社本庁や宗教法人(寺院・神社)にまで実害が波及することを深く認識すべきだ。
そもそも、他人が購入し、転売したお守りをゲットするよりも、自分自身が直接足を運び、ゲットしたお守りの方が真のご利益があるのだから。
■秩父 三峯神社
http://www.mitsuminejinja.or.jp/