「石積み」タグアーカイブ

石の積み方など城の石垣にフォーカスした「お城の石垣」展(石の百年館)【連載:アキラの着目】

大阪城や名古屋城、江戸城、鳥取城、等々、日本全国には見ごたえある石垣の城が多く存在する。

しかし、一般的な観光客が城を訪れた際は、城の天守ばかりに気を取られ、石垣を興味深く観る人が少ない。

「現存12天守」といわれる城以外の城は、鉄筋コンクリートの天守だから、天守のフォルムを観賞する分には良いが、歴史的な深みや成り立ちを観ようと思ったら、石垣を観るほうが良いこともあるのだ。

茨城県笠間市にある「石の百年館」では現在、そんな城の石垣にフォーカスした「お城の石垣」展という企画展を開催中だ。

6月29日~10月24日まで開催中の石の百年館 企画展「お城の石垣」展 笠間市公式ホームページから引用
6月29日~10月24日まで開催中の石の百年館 企画展「お城の石垣」展
笠間市公式ホームページから引用

元々、先人たちが100年以上に渡り築き上げた茨城県笠間市稲田地区の採石の歴史を広く後世に伝え、未来に向けて100年先の発展につなげたいという願いがこめられて造られた「石の百年館」だが、茨城県の枠を超え、全国に点在する多くの城郭で採用されている石垣をスポットながらも主人公に据えたのだ。

石の積み方の説明や、実際に見ることのできる城、石垣ができるまでの過程、等々を紹介しており、城マニアでなくとも十分に内容を把握でき、廻ることができる展示だ。

石の百年館では、さまざまな視点から石の魅力を感じてもらうため、たまたま今回は城の石垣を企画した展示を開催しているが、今後も魅力的な石の企画展を開催してゆくとのこと。

入館料無料なので、家計に負担をかけずに家族サービスをしたいと考えているお父さん、お母さんはこの機会に石の百年館 企画展「お城の石垣」展に行ってみては。

【石の百年館 企画展「お城の石垣」展 詳細】

・企画展名:「お城の石垣」展
・内容:「お城の石垣」の写真や石積み見本の展示
・入館料:無料
・所在地:石の百年館 茨城県笠間市稲田2307 ※JR水戸線稲田駅隣接
・開催期間:令和3年6月29日(火曜日)~10月24日(日曜日)まで
・開館時間:9時~17時(10月以降は16時まで)
・休館:月曜日(祝日の場合は翌平日)
・問合せ:TEL 0296-74-5114

■石の百年館 企画展「お城の石垣」展を開催します【6月29日~10月24日】 | 笠間市公式ホームページ
https://www.city.kasama.lg.jp/page/page012457.html

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

考古学者は全面保存を主張、JR東日本は一部保存を主張、高輪築堤【連載:アキラの着目】

4月10日、JR東日本によって一般向けの「高輪築堤」4街区現地見学会が開催された。

1月に第1回目の「高輪築堤」現地見学会が開催されたのに続き、今回は2回目。

JR東日本が現在高輪ゲートウェイ駅周辺の再開発事業を手掛けている中の「4街区」と呼ばれる計画エリアが見学対象となり、9:00~16:00までの間を30分毎の見学時間に分け、各回20組(2人1組)を上限とした。

1872年10月に日本初の鉄道(新橋[現・汐留]~横浜[現・桜木町])が開業したが、「高輪築堤」は本芝~品川までの海上に構築された堤。

2019年4月の品川駅改良工事において「高輪築堤」の石積みの一部を発見、同年11月の品川駅付近山手線・京浜東北線線路切換工事後に行なわれたレール撤去の際に「高輪築堤」の一部と見られる構造物も発見された。

明治時代の高輪築堤 日本国有鉄道「日本国有鉄道百年 写真史」から引用
明治時代の高輪築堤 日本国有鉄道「日本国有鉄道百年 写真史」から引用

高縄鉄道之図(歌川芳年-1871年)で描かれた高輪築堤

そもそもなぜ本芝~品川間にだけ海上に堤を築き、線路を敷設したのか。

それは、本芝~品川間の海岸線が当時の日本にとって国防上重要であり、兵部省が本芝~品川間における陸地の使用を許可せず、やむなく海を埋め立てて堤を築き、線路を敷設せざるを得なかったからだ。

ひっきりなしに打ち寄せてくる波で築堤が浸食されないよう海側築堤の石垣はなだらかな傾斜を付けて組まれた。

しかし、それでも波で石垣が崩れるかもしれないから、石垣の手前に石垣のストッパーとして木の杭を無数に地中へ打ち込んだ。

「高輪築堤」の石垣、信号機跡と思われる張り出した石垣、木の杭

全長南北2.7kmにも渡る「高輪築堤」の土はどこから運んできたのかというと、品川・八ツ山からといわれている。

品川・八ツ山を切り崩した土を荷車や牛車で運び、地道に埋め立てたのだ。

「高輪築堤」に組まれた石垣の石は、伊豆半島から調達したとのことで、江戸城の石垣と同じ調達先だ。

江戸城の石垣の場合は、石垣よりも上に建造物が積載され、かなりの負荷が加わるため、また将軍の威光を反映させるために石垣の1つ1つが大きく切り出されているが、「高輪築堤」の石垣は本芝から品川にかけての区間が緩やかに湾曲していることから、カーブを付けやすいよう、石垣の1つ1つがコンパクトに切り出されているようだ。

この明治時代に構築された「高輪築堤」は、明治の鉄道遺構として考古学者らは全面保存の必要性を主張、一方のJR東日本は全面保存ではなく一部保存を主張し、議論は平行線のままだ。

筆者の考えは、「高輪築堤」全面保存をすることで、これを上手な集客ツールとして利用できないかと。

城好きの筆者が観ても、「高輪築堤」の堤や石垣は、”そそる”ものなのだ。

【関連記事】
2018年03月19日ニッポンニュース「江戸から東京の”生き証人”~高輪大木戸跡・『提灯殺し』のガード(東京都港区)~【連載:アキラの着目】」

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

和の美を意識したロックバランシング、「石花」【連載:アキラの着目】

ロックバランシングなるものをご存知だろうか?

ロックバランシングとは、石を積んだり、置いたりしてオブジェを作るアートをいうのだ。

さらに、そのロックバランシングでも、日本人が日本で楽しむロックバランシングを「石花」と呼ぶのだそうだ。

日本古来から存在する盆栽や生花を連想させるような「和の美」を意識しながら、石を置いたり、積んだりしている「石花」は、近年徐々にではあるが、知名度が上がっているようだ。

とにもかくにも、「一見は百聞に如かず」で、ロックバランシングや「石花」と呼ばれるものを観るのが、理解するのに最も手っ取り早い方法なので、以下にそれらの写真を並べてみる。

石花 以上「Chitoku.Balancing! – 石花(ロックバランシング)の紹介、石花師:石花ちとく(俺)と、その他石の諸々(笑)」サイトから引用

石花 ちとく | ストアカから引用

これらの「石花」作品は、石花ちとくさんという方が作ったものだ。

「石花」のための「石花会」を立ち上げ、「石花師」という肩書を持ち、もちろんこのお名前は「石花」に因んだ通名だ。

「石花」とは石花ちとくさん曰く「決して難しくなく、誰にでもできて、心から癒される、単純な石ころ遊び」なのだとか。

紙のようにどれも同じ整形されたものを重ねたりするのは誰でもできる。

しかし、それぞれの形や大きさがバラバラの自然石を幾つも置いたり、積んだりするのは絶妙なバランスが必要なのは誰が見ても明らかで、「決して難しくなく、誰にでもできて」という石花ちとくさんのお言葉を素直に信じることができない。

これまでに石花をやったことがなく、勝手な先入観で石花やロックバランシングは難しいものと決めつけている筆者でも、また石花ちとくさんのお言葉を借りれば、「一度、石ころを立ててみれば分かります」とのことで、実際に「石花」をやってみれば、難しいのか簡単なのかがわかるのだろう。

石花 ちとく | ストアカから引用

この夏、河原に行く機会がある人は、ぜひ「石花」にチャレンジしてみよう!

■Chitoku.Balancing! – 石花(ロックバランシング)の紹介、石花師:石花ちとく(俺)と、その他石の諸々(笑)
https://chitoku.balancing.jp/

■石花会ポータル – 石花(日本のロックバランシング)を日本中で流行らせたい!
https://ishihana.club/

■石花会 Twitter @ishihana_jp
https://twitter.com/ishihana_jp

■ROCKSPORTRAIT | 重力を無視するアート『ロックバランシング』
https://www.rocksportrait.com/

■「石花」と「散策写真」by石花杜水
http://tosui-ishihana.seesaa.net/

■ちとくの石花カフェ – ひとまずOPEN !! Twitter @kaspanchi
https://twitter.com/kaspanchi

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099