FJ時事新聞編集部ニッポンニュース担当がご紹介するおすすめ名城は、新田金山城(群馬県太田市)だ。
群馬県太田市のほぼ中央にそびえる標高235.8メートルの独立峰・金山に築かれた山城の新田金山城は、昭和9年に中世の貴重な城郭として群馬県内では初の国史跡の指定を受け、平成18年には公益財団法人日本城郭協会により「日本100名城」に選定された戦国時代の名城だ。
新田金山城は、1469年(文明元年)新田一族の岩松家純により築城され、以降1528年(享禄元年)に由良成繁・国繁親子、1584年(天正12年)に北条氏と城主が変わり、1590年(天正18年)には豊臣秀吉の小田原征伐により落城、1590(天正18年)に廃城となった。
また、上杉謙信の攻撃を退けており、新田金山城は関東七名城の一つとされている。
主な曲輪群は、四方に延びる尾根上を実城、西城、北城(坂中・北曲輪)、八王子山の砦の4箇所に造成し、堀切・土塁等で固く守ってある。
山麓にも城主や家臣団の館・屋敷があったと考えられ、根小屋(城下)を形成していたと考えられている。
新田金山城の特徴は何といっても、往時の様子を現在に伝える石垣や石敷きだろう。
かつての「戦国時代における関東の山城には、本格的な石垣普請の城はない」という定説を覆すほど多くの石が発掘調査では出てきており、大手虎口をはじめとした石垣が遺っている。
こうした新田金山城の石垣群が「インスタ映え」するとのことで、最近は城マニア以外の人たちも多く訪れるようになり、群馬県太田市の貴重な観光地・観光資源となっている。
城好きの筆者からすると、天守の有無が、特に観光のモチベーションや興味の度合いに影響を及ぼすことはないのだが、一般の観光客からすると、天守の有無は一つの基準になっていることが多い。
そういう観点からすると、新田金山城は天守のない山城なので、観光を遠慮しがちな要素はあるのだが、以上みたように、天守がなくとも全然問題にならない、石垣が目立つ特異なロケーションなので、ぜひ登城することをおすすめする。
■金山城跡 太田市HP
http://www.city.ota.gunma.jp/005gyosei/0170-009kyoiku-bunka/topics/nyumon.html