緊急事態宣言の解除後もまたぶり返すのではないかと懸念されている新型コロナウイルスの蔓延。
新型コロナウイルスを報じない日はないくらい毎日が新型コロナウイルスのことばかりだ。
こうした状況は、日本だけでなく世界でも似たりよったりで、連日海外でも新型コロナウイルスについて報道されているのは言うまでもない。
FJ時事新聞でも中国での新型コロナウイルスについての記事を取り上げているが、新型コロナウイルスの中国での表記は「新型冠状病毒肺炎」で、これの略称が「新冠肺炎」、さらなる略称が「新冠」だ。
あれ、中国語では新型コロナウイルスを「新冠」と表記するの?
こう思った日本人が多いのでは。
かく言う筆者もその1人なのだ。
こう思った人は、ある程度の北海道に対する興味や理解がある人だろう。
というのも、日本では「新冠」といえば、北海道の新冠(にいかっぷ)だからだ。
北海道の日高振興局中部にある新冠町は、日本有数のサラブレッドの産地として競馬に詳しい人ならば確実に知っている町だ。
通常の日本語の音読みだと「新冠」は「しんかん」と発音するものだが、「にいかっぷ」と発音するのは、アイヌ語の「ニカプ」に由来したからだ。
アイヌ語の「ニカプ」とはニレの木をいい、この地にニレの木が多く茂っていたから、付いた地名なのだ。
このように、同じ漢字を使うにもかかわらず、「新冠」は日本ではサラブレッドの一大産地、中国では新型コロナウイルス、という全然別ものを表すのだから、面白いものだ。
■サラブレッドと音楽のまち 新冠町観光協会
http://niikappu.gr.jp/