早速、以下に掲載するウルトラマンの動画をご覧になってほしい。
ウルトラマンでも初代の方だ。
ご覧になってわかったかと思うが、このウルトラマンの動画は、かつて円谷プロダクションが制作した、着ぐるみウルトラマンと怪獣ではなくて、全てコンピューター・グラフィックス、すなわちCGによって制作されたものなのだ。
CGと言われなければ、このウルトラマンの動画は、誰もが違和感なく、実写の特撮に感じたはずだ。
ここまで精緻に再現することが可能になっているのかという驚きと、かつてのウルトラマンっぽく、薄く見えるか見えないかのピアノ線も再現している等、アナログ的な部分へのこだわりも見えて、CGなのにあえてCGっぽく見せない作りにも驚きだ。
ただし、欲を言えば、本家・本元のウルトラマンでは”大阪城決戦”のシーンがあり、ゴモラが大阪城を破壊してしまうシーンが存在したのだが、このCG版ウルトラマンでは、その”大阪城決戦”がないストーリーになっている。
その”大阪城決戦”のシーンを盛り込まなかったのは、以下の理由が考えられる。
1つ目は、大阪城のCGを組むのに手間がかかるから。
2つ目は、”大阪城決戦”のシーンを盛り込むと、それを本気に捉えてしまい、大阪城が壊されたかどうかを実際に確認しに大阪城に行ってしまう少年が現れてはまずいから、”大阪城決戦”のシーンをあえて盛り込まなかったというもの。
まあ、2つ目の理由は半ば冗談で、”格闘王”前田日明の少年時代のエピソードになぞらえたものだ(※)。
しかし、”大阪城決戦”のシーンがなくとも、感嘆してしまうCG版ウルトラマンだ。
本放送のウルトラマンと比較してみるのも面白いかもしれない。
※ウルトラマンの本放送(ゴモラが大阪城を壊した回)を観た、当時大阪在住の前田日明少年は、本当に大阪城が壊されたと思い、放送翌日の早朝に友人と大阪城に行ったが、何も壊れていない。近くにいた掃除のおじさんに訊いたら、「おっちゃん達が徹夜して大阪城を直したんや」。気の利いた返答をした大阪のおじさんと、それを純粋に信じていた前田日明少年達のなんとも言えぬ心温まるエピソードだ。