まだ現在のようなビデオゲームがなかった時代。
昭和の子供たちは、駄菓子屋やゲームセンターに置いてあった数々のゲームに硬貨を投じて遊んでいた。
それらのゲームは、ようやく電子回路が埋め込まれたルーレットゲームであったり、あるいは実にアナログな古めかしい「新幹線ゲーム」であったり。
後者の「新幹線ゲーム」は、10円硬貨をゲーム機本体上部から投入すると、その10円硬貨そのものが東海道・山陽新幹線の路線旅をする主人公となる。
東京にある10円硬貨が、指先で操るレバーで弾かれて、上手いこと次は名古屋へ、またそこで指先で操るレバーで弾かれて新神戸へ、以下広島、終点・博多まで行くとそこは「GOAL」で、樹脂製の当たり券が出てくる仕組みだ。
レバー操作に慣れるまでは、虎の子の10円硬貨を何度も路線間のブラックホールに落としてしまい、なかなかGOALの博多まで辿り着くことができない。
そうやって小銭がどんどん吸い取られるので、駄菓子屋やゲームセンターの思うツボなのだが、「今度こそ、今度こそ!」と雪辱を期すことに夢中になってしまい、ますます冷静さを失って、さら土壺にハマってしまうのだ。
そんな「新幹線ゲーム」を玩具メーカーのバンダイが日本で唯一の駄菓子屋ゲーム博物館の館長である岸昭仁氏と完全タイアップし忠実に再現、硬貨も貯めることができる貯金箱として2010年に発売した。
実際の「新幹線ゲーム」よりは、かなりミニチュア化されたものの、スリルと興奮はこじんまりすることは決してない。
しかし、懐かしの駄菓子屋ゲームとして売り出された「新幹線ゲーム」は、やがて販売中止となり、今ではネットで流通するのみだ。
中古市場で取引されており、高値が付いているのもあれば、比較的妥当な値が付いているものもあり。
一家に1台、バンダイの駄菓子屋ゲーム(新幹線ゲーム)をリビングに置いておけば、「昔はこんなゲームをやっていたの?」と子供たちが言いながら、家族間のコミュニケーションも図れたり、貯金箱として本当に機能したりで、なかなか楽しめそうだ。
【駄菓子屋ゲーム(新幹線ゲーム)の遊び方】
硬貨を入れ、レバーを弾き、無事にゴールまで辿り着くと、当たり券が排出され、硬貨を取り出せる。
※盤面シート2枚入りで差し替えも可能。
【使用可能硬貨】
5円玉、10円玉、50円玉、100円玉
※1円玉と500円玉は使用不可
※日本製硬貨以外は入れぬこと