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「スポーツ弱者を世界からなくす」世界ゆるスポーツ協会【連載:アキラの着目】

今回のニッポンニュースで取り上げるのは、世界ゆるスポーツ協会。

「ゆるスポーツって何?」と初っ端から疑問符が生じるのだが、世界ゆるスポーツ協会公式サイトにアクセスすれば、すぐに疑問が解消する。

ラインナップされた、様々なゆるいスポーツ、すなわち「ゆるスポーツ」1つ1つを見てゆくと、どれもこれも確かにゆるいのだ。

例えば、「手錠バレー」。

その名の通りプレイヤー全員が手錠をしてバレーボールをするのだ。

レシーブする時はむしろ両手が固定されているから、ボールを受けやすいかもしれないが、トスやアタックも手錠をした状態で行なうので、皆ハッキリ言って初心者というか下手くそなプレイヤーになってしまうのだ。

こうなると、スポーツ弱者は敵も味方も全てのプレイヤーであり、スポーツの苦手な人でも目立つことなく、そのうえ劣等感を持たずに楽しめる。

■【OFFICIAL】手錠バレーPV Short

これ以外で気になった「ゆるスポーツ」は、「イタイッス」。

この「イタイッス」はイス取りゲームを進化させたスポーツ競技だ。

誰もが知っている足つぼとイス取りゲームを融合させたら、全く新しい「ゆるスポーツ」の「イタイッス」が誕生したのだ。

サンバの音楽が鳴り響く間、思い思いのダンスを踊りながらプレイヤーは外側のゾーンを回る。

サンバの音楽が止ったら、激痛の足つぼゾーンを乗り越え、中央のイスを誰よりも先に確保するため急ぎ、座れなかった人は脱落(=オソイッス)となる。

「ゆるスポーツ」の「イタイッス」
世界ゆるスポーツ協会公式HPから引用

最後のイスに座った人が優勝となるのは、イス取りゲームと同じだ。

「ゆるスポーツ」の「イタイッス」 世界ゆるスポーツ協会公式HPから引用
「ゆるスポーツ」の「イタイッス」
世界ゆるスポーツ協会公式HPから引用

ここまで2つだけしか「ゆるスポーツ」を取り上げていないが、既に存在するスポーツを改良し、新種のスポーツに仕立て上げているのがほとんど。

これまでになく、新しくできた「ゆるスポーツ」だから、勝利のノウハウが蓄積されておらず、勝てるチャンスが誰にでもあるという「機会均等」と、老若男女関係なく楽しめ、世代を超えたチームワークも体験できたりする点がが特徴といえるだろう。

今後も世界ゆるスポーツ協会から目が離せない。

■世界ゆるスポーツ協会
https://yurusports.com/

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

日本のみならず中国でも一世を風靡した荒木由美子さん【連載:アキラの着目】

中国で有名な日本の芸能人は誰かという問いになると、必ずと言っていいほどに山口百恵さんの名前が挙がる。

間違いではない。

しかし、中国の国民的スポーツの躍進にまで影響を及ぼした、中国で有名な日本の芸能人は誰かとなると、山口百恵さんではないのだ。

では、その人は一体誰なのか?

その人は荒木由美子さんなのだ。

荒木由美子さん 株式会社ハブマーシー(タレント事務所)HPから引用
荒木由美子さん 株式会社ハブマーシー(タレント事務所)HPから引用

スポーツ根性ものドラマ(スポ根ドラマ)『燃えろアタック』(石ノ森章太郎原作・中国でのタイトル『排球女将』)で、女子バレーボールのヒロインを演じたのが荒木由美子さん。

『燃えろアタック』(石ノ森章太郎原作)出演時の荒木由美子さん
『燃えろアタック』(石ノ森章太郎原作)出演時の荒木由美子さん

当時の日本では、女子バレーボールが全盛期だったこともあり、その追い風を受けて『燃えろアタック』が制作され、荒木由美子さんも人気の階段を登り詰めるようになる。

『燃えろアタック』出演時の荒木由美子さん『燃えろアタック』出演時の荒木由美子さん

ちょうど日本国内でバレーボールが盛り上がっている頃、お隣の中国でもバレーボールが人気・実力とも上昇中で、そのタイミングで『燃えろアタック』が中国でも放送されるようになったのだ。

『燃えろアタック』中国版『排球女将』のポスター
『燃えろアタック』中国版『排球女将』のポスター

あくまでもドラマであり、フィクションである『燃えろアタック』なので、ネットの遥か上まで体がすっぽり出てしまうほどのジャンプ力でアタックを撃つ「ひぐま落とし」や、現在のドローンでも無理なくらいの変幻自在な動きをする「UFOサーブ」など、冷静に観てはいけないような、奇抜な技が出現するものの、それでも圧倒的な人気があり、中国国内で80%の視聴率を超えたのだとか。

このように、中国の人たちの10人中8人がこの『燃えろアタック』、中国では『排球女将』を観ていたのだから、荒木由美子さんが中国国内で有名になり、大人気となってしまうのは当然のなりゆきだ。

中国の少女たちは、荒木由美子さん演じる主人公「小鹿ジュン(中国の『排球女将』では「小鹿純子」)」に憧れて、バレーボールをやり出す娘も増え、その結果、中国女子バレーボール躍進の原動力となり、現在の隆盛があるのだ。

中国のバレーボール少女たちと一緒に撮影した荒木由美子さん
中国のバレーボール少女たちと一緒に撮影した荒木由美子さん

アリババのジャック・マー会長も少年時代に『排球女将』に釘付けで、ヒロインの「小鹿純子」こと荒木由美子さんに恋心を抱いたのだとか。

若き頃の荒木由美子さん
若き頃の荒木由美子さん

その少年時代に抱いた淡い恋心、いつかは本物の荒木由美子さんに逢うという夢は、2003年に一応成就する。

アリババドットコムが荒木由美子さんを中国に招聘したのだ。

アリババのジャック・マー会長と荒木由美子さん RECORD・CHINAから引用
アリババのジャック・マー会長と荒木由美子さん RECORD・CHINAから引用

マー会長は、その後も日本で荒木由美子さんと度々逢い、記念写真を撮っているのだとか。

日本だけでなく、中国でも一世を風靡した荒木由美子さんは、現在も日中両国の架け橋的存在だ。

■荒木由美子プロフィール 株式会社ハブマーシー(タレント事務所)HP
http://www.havmercy.co.jp/Araki/pg106.html

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

昨日9月4日は“世界一のセッター”猫田勝敏さんの命日【連載:アキラの着目】

1日経過してしまったが、昨日9月4日は、元日本男子バレーボール選手で、“世界一のセッター”と称された猫田勝敏さん(1944年2月1日 – 1983年9月4日)の命日だ。

崇徳高校バレーボール部OB会 公式ホームページから引用
崇徳高校バレーボール部OB会 公式ホームページから引用

猫田勝敏さんが主に活躍されていたのは、日本男子バレーボールの黄金時代(1964年~1976年)で、1964年に最年少で東京五輪に出場し、銅メダル獲得に貢献してからは、日本男子バレーボールチームの正セッターとして不動の地位に君臨し続けた。

その後、正確なトス回しの猫田勝敏さんと、当時としては他国を凌ぐ大型選手たちばかりで編成された日本男子バレーボールチームは、1968年のメキシコ五輪で銀メダル、1972年のミュンヘン五輪では悲願の金メダルを獲得した。

ミュンヘン 男子バレーボール『金色の夢舞台』への道のり ~長田渚左 - 心に残る五輪シーン - JOCから引用
ミュンヘン 男子バレーボール『金色の夢舞台』への道のり ~長田渚左 – 心に残る五輪シーン – JOCから引用

猫田勝敏さん個人としては、1969年開催の第2回ワールドカップで「ベストセッター賞」、1970年開催の第7回世界選手権で「ベスト6賞」、1977年開催の第3回ワールドカップでは「トス賞」等、数々の賞を受賞し、名実ともに“世界一のセッター”と称賛された。

引退後の1980年に猫田勝敏さんは、『日本バレーボール協会』より初の「バレーボール栄誉選手賞」を受賞、また、1983年には学術・芸術上の発明・改良・創作の他、スポーツ等で業績を挙げた人に贈られる「紫綬褒章」も賜与されている。

さらに、猫田勝敏さんが他界されてから18年後の2001年には、『国際バレーボール連盟』より「世界バレーボール20世紀の最優秀賞特別賞」が贈られている。

今でこそ世界のバレーボールにおいて当たり前の戦術となった「時間差攻撃」、「一人時間差攻撃」、「Aクイック」、「Bクイック」等は、元々は寸分も狂わない精密なトスを上げる猫田勝敏さんと、他の大型選手たちによって編み出されたもの。

他国に比べ華奢で貧弱な肉体の日本人だったからこそ、正確なトスを磨いて、時間(=タイミング)をずらしてアタックを打つ、ということに活路を見い出すしかなく、当時のソ連、ブルガリア、キューバのような強靭で巨大で鋼のような肉体だったら、決して思いつかなかった戦術だったろう。

日本男子バレーボールチーム大躍進の裏には、こうした猫田勝敏さんの「縁の下の力持ち」的な活躍なしにはありえなかった。

だからこそ後年、アテネ五輪で全日本男子バレーボールチームを率いた田中幹保さんが「猫田さんが(長く)生きていれば、(日本の)男子(バレーボールチーム)もこんなに弱くならなかったと思う」と語ったのだ。

そんな偉大な“世界一のセッター”のお墓には、今でもロシア男子バレーボールチームが日本で開催される大会の度に訪れる。

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099