「キャッチコピー」タグアーカイブ

巷で秘かに人気、「マンションポエム」【連載:アキラの着目】

今、巷で秘かに人気となっているのが「マンションポエム」だ。

「マンションポエム」という聴き慣れぬ言葉に戸惑う人もいるかと思うが、2013年頃より「デイリーポータルZ」の大山顕さん(写真家・ライター)の記事が発端となって認知されるようになった言葉・概念であり、端的に言うと、高級マンション等の広告に見られる詩的なキャッチコピーを指すのだ。

「マンションポエム」が掲載されている高級マンションの広告
「マンションポエム」が掲載されている高級マンションの広告

例を出すと、「洗練の高台に、上質がそびえる」(野村不動産「プラウドタワー白金台」)、「人生に、南麻布という贈り物。」(三井不動産レジデンシャル「パークホームズ南麻布ザレジデンス」)、といった、無駄に情感豊かでポエミーであり、物件のアピールの域を超えた表現であることから、マンションポエム愛好家・マニアが徐々にではあるが増えてきている。

前述の、マンションポエム第一人者である大山顕さんが、「KH Coder」というテキストマイニングの世界でお馴染みのソフトウェアを使い、1148件の「マンションポエム」を形態素解析してみたところ(総語句数は19万語以上)、抽出語とその出現回数は以下の結果となった。

1000作品以上集めてわかった「マンションポエム」に隠された“ワナ” | 文春オンライン から引用
1000作品以上集めてわかった「マンションポエム」に隠された“ワナ” | 文春オンライン から引用

出現回数1位のワードが「街」、以下「都心」、「暮らし」、「緑」といった周辺環境的なワードが上位を占め、マンション物件そのものの表現ワードが一切出てこないのが興味深い。

高級マンションやタワー・マンションを売り込むにあたり、マンション自体の情報(鉄筋コンクリート●階建、●LDK、等々)をキャッチコピーに入れずに、上品かつハイソなライフスタイルをイメージしやすいようなワードを使ったキャッチコピーにしていると言えよう。

これでついに「マンションポエム」を知ってしまった貴方、電車の車内でマンションの釣り広告を見たら、もう楽しまずにはいられなくなることだろう。

斬新でインパクトのあるポスターが特徴的だったとしまえん【連載:アキラの着目】

先月末で94年の歴史を閉じた東京都練馬区の遊園地・としまえん。

豊富なアトラクションや「機械遺産」に認定された回転木馬「カルーセルエルドラド」、流れるプールなど、首都圏の民なら誰でも知っているほどの遊園地だった。

また、としまえんは園内に注目を集めただけでなく、テレビCMやポスターといった広告も斬新で目を引いた。

特にとしまえんのポスターは、昭和期におけるPARCOのポスターを彷彿とさせるような見た目のインパクトが特徴的だった。

そのとしまえんのポスターの幾つかを掲載してみる。

いかがだっただろうか、駄洒落のキャッチコピーがあったり、時代背景を反映していたり、”旬の人”を起用していたりで、実に多彩だ。

また、マッド・アマノさんの風刺ポスターのデザインっぽいテイストだったり。

さすが人々を楽しませる遊園地だけに、遊び心を観るものに感じさせるポスターの数々だ。

しかし、としまえんのポスターをもう今後は観ることができない。

もっととしまえんに行っときゃ良かった、と後悔しっ放しだ。

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

ユニークな大学のキャッチコピー【連載:アキラの着目】

日本では少子化が叫ばれ、将来的に人口が減少し、国力そのものが弱体化するのではといったことが危惧されている。

その状況は、学生集めに奔走する各大学にも影響が出ていたりするわけで、元々女子大学だったのが、学生数確保の困難から男女共学になった大学があったり、昔ながらの学食をカフェやオープンテラス式のレストランに改装して、受験生の興味をひいたりといった手法で乗り越えている大学も出てきている。

当然のことながら、大学のキャッチコピーにまで力が入ることになり、ひと目見てこの大学に入学したいなと思わせるような工夫や仕掛け、時にはギャグみたいなフレーズが施されていたりするのだ。

そんな大学のキャッチコピーを、いくつかの大学になってしまうが、以下にザッと羅列してみた。

  • 東京大学     「世界を担う知の拠点」へ
  • 京都大学     求む、ユニーク。育て、ユニーク。
  • 早稲田大学    日本の早稲田から、世界のWASEDAヘ
  • 慶應義塾大学   慶應義塾は、すべての人に開かれている
  • 一橋大学     知と業わざのフロンティア
  • お茶の水女子大学 女性の力を、もっと世界に。
  • 明治大学     自分自身と闘うために、ここに来た。世界に挑戦するために、ここに来た。

上記の大学のキャッチコピーは、伝統も権威もあることから、生真面目なキャッチコピーで、「世界」に飛び出していくようなイメージが多く見受けられる。

それに対抗するかのように、以下の大学では自虐的なキャッチコピーだったり、にやけてしまうようなキャッチコピーを採用している。

  • 関西学院大学   関西滑り止め界の頂点。関西学院大学 関西滑り止め界の頂点。
  • 東京工業大学   (画像参照)東京工業大学 キャッチコピー
  • 東北大学   大学なのか、山なのか。東北大学 大学なのか、山なのか。
  • 筑波大学   大学なのか、森なのか。筑波大学 大学なのか、森なのか。
  • 江戸川大学   大学名の奴だけには、負けたくない江戸川大学 大学名の奴だけには、負けたくない
  • 千葉商科大学    大学には期待しない。卒業したら起業千葉商科大学  大学には期待しない。卒業したら起業
  • 共愛学園前橋国際大学 ちょっと大変だけれど実力のつく大学です(大学HPの文中から引用)江戸川大学 大学名の奴だけには、負けたくない

実力社会といいながらも、日本では相変わらず学歴社会が存在し、東大・京大・一橋・早稲田・慶応出身者が幅を利かせている現実があるので、他の大学はスタートラインから苦戦を強いられている状況だが、前述のキャッチコピーを見ると、多少は入学したいなとか、入学してもいいかな、という気分にさせられる。

世間的に無名の大学だと、まずは知ってもらうこと、目に付いてもらうことが重要なので、こうした大学のキャッチコピーは目立ったもん勝ちなのかもしれない。

※過去のキャッチコピーの場合もあるため、現在のキャッチコピーは上記と異なることがあります。

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099