昨年、江東良一流格闘拳法が加盟を許された新日本総合空手道連合会 武神。
その武神が2020年新年の始まりとして動き出すのは「武神総会2020」からだ。
武神全加盟団体155団体(令和2年1月12日現在)。
うち国内の全加盟団体は101団体。
この101団体のうちのほとんどがこの度の「武神総会2020」に出席、9つある議題について報告、提案、質疑応答、等々、フルコンタクト空手及び若い空手世代のために加盟団体が一丸となって、取り組んでいるのだ。
筆者は劇画「空手バカ一代」直撃世代ではなく、その世代からまた一回りほど下の世代なのだが、その筆者でさえも「空手=フルコンタクト」というイメージで今の今まで来た。
しかし、世の中の流れとしては、ノンコンタクトのいわゆる伝統派空手が2020年東京オリンピックの競技となり、フルコンタクト空手はオリンピック競技に採用されていないのだ。
では伝統派空手が世の中を席巻してゆくのかというと、それはまた微妙な流れになっており、2024年パリ・オリンピックでは伝統派空手でさえも2017年6月9日IOC理事会で正式競技にならないことが決定、さらに2019年6月25日IOC総会で伝統派空手はオリンピックの追加種目にならないことも決定したのだった。
他のスポーツがオリンピック競技に加えられてゆく中、空手はオリンピック正式種目として残ってゆかない現実がある。
この現実の壁に対しては、やれ伝統派空手の方が良い、いやいやフルコンタクト空手の方が良いんだ、という議論自体が陳腐化しているのは言うまでもない。
こういう状況下では、「武神総会2020」冒頭で松井啓悟・武神相談役が言われた、フルコンタクト空手が今できることを、それも若い空手世代に対してやってゆくしかないのだ。
オリンピックにもボクシングはあるが、観る側は「オリンピック < WBC、WBA、IBF」という既成概念がある。
それと同じように空手も「オリンピックも凄いが、やはり武神が一番だよね!」というイメージを作り上げるしかないと筆者は思うのだ。
それは不可能ではないはずだ。
なぜなら、武神は様々な空手道場、空手団体の垣根を越えた連合体だからだ。
凝り固まった閉鎖組織でないからこそ交流が可能になり、ゆくゆくは強豪同士のドリームマッチや「誰が一番強いのか?」など、観る側のウォンツ・ニーズに応えることができるはずなのだ。
「武神総会2020」には、以上のようなフルコンタクト空手の抱える事情や問題点等も論じられたが、フルコンタクト空手および若い空手世代に対する熱き思いを抱く先生方がいらっしゃる限り、確実に歩みを進めてゆくだろうと筆者は確信した。
■ NPO法人 新日本総合空手道連合会 武神
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