大相撲春場所9日目(22日、東京・両国国技館)、東十両4枚目・炎鵬(26歳・宮城野部屋)が、西十両筆頭・天空海(あくあ・30歳・立浪部屋)につり落としで勝ち、7勝目を挙げた。
身長168cm・関取最軽量98キロの業師である炎鵬が、身長差14cm・体重差66kgの天空海を持ち上げ、土俵に落とした光景は、かつての舞の海を思い起こさせる。
実際、今場所における十両の土俵でのつり落としは、1997年春場所での舞の海以来とのこと。
立ち合いで右に飛んだ天空海の懐に入るも、地面スレスレに顔が下った炎鵬。
この時は炎鵬本人はヤバイと思ったそうだ。
しかし、左手で深く天空海のまわしを取りつつ右手で足をすくうと、164kgの天空海は宙に浮かび、直後に土俵に叩きつけられた格好となった。
■炎鵬が吊った!炎鵬ー天空海令和三年三月場所九日目
取組後、炎鵬自身が驚きを隠せなかった。
それもそのはず、つり落としは稽古ですら1回も使ったことのない技だったからだ。
天空海に勝ったことで連敗を脱出、2敗を堅持し、優勝争いで単独首位に立った。
このまま勝ち星を重ね、5場所ぶりの勝ち越しと再入幕を目指す。
残りの6日間も炎鵬から目が離せない。