40代以上の世代なら知っているカセットテープ
今は、音楽を気軽にスマホで聴いて楽しめる時代だ。
CDの需要もあるにはあるが、そんなかさばるCDよりも、インターネットから好みの音楽をダウンロードし、即座に聴くのが主流なのだ。
だが、かつては、音楽を気軽に聴くためにはカセットテープを使っていた。
40代以上の世代の人たちならば、ご存知だろう。
レコード(これまた今や買う人がほとんどいない)をかけて、それと同時にカセットテープに録音してゆくのだ。
使うほどに音が劣化するカセットテープ
レコードプレイヤーからアンプに、アンプからカセットデッキにコードを繋いで、音源データが移動してゆくのだが、その間に音源データは確実に劣化してゆく。
さらにカセットテープに録音した後でも音源の劣化は進む。
なぜなら、テープは気温差に弱く、テープは暑ければ伸び、寒ければ縮むからだ。
また、テープに塗布された磁気帯と呼ばれる鉄粉を主原料とした部分は、何かの衝撃等で剥離することもあり、使えば使うほど、録音した音楽は劣化してゆくのだ。
デジタル音源よりも柔らかみのあるカセットテープの音
そんな良いところがなさそうなカセットテープなのだが、短所と長所は裏表、劣化した音がむしろ味わい深いと評価されたり、キンキンなデジタルよりもアナログなカセットテープが奏でる音の方が柔らかいと好まれているのだ。
それも、昨年あたりからジワジワと若い世代の間でカセットテープが再評価されている。
カセットテープで音を聴くにはラジカセが必要!
もちろん、物珍しさもあるだろうし、音楽を聴くまでに手間がかかるのが、楽しかったりするのだろう。
スマホなら、音楽アプリの中から聴きたい曲を選び、再生ボタンを押すだけだが、カセットテープならば、まずはラジカセを用意しなければならない。
だから、カセットテープの密かなブームに並行し、ラジカセ需要も上昇中らしいのだ。
若い世代には新鮮で楽しい!ラジカセの様々な設定やセットアップ手順
ラジカセのEJECTボタンを押し、カセットテープを挿入できる状態にし、それからカセットテープを挿入、蓋を閉め、再生ボタンを押し込む。
これで安心してはならない。
もしカセットテープが巻き取られていなくて、途中の巻具合ならば、一旦巻き戻すか巻き送るかをしなければならない。
高機能ラジカセなら、曲と曲の間のブランクを感知して、何曲目に頭出しする機能があるから、その場合は何曲目かを指定しなければならない。
我々おっさん世代は、さんざん若い頃にカセットテープを使い倒したし、現在の便利さに慣れてしまったから、もうカセットテープには戻れない。
でも若い世代にとっては、そうした七面倒臭い様々な設定やセットアップ手順が、新鮮だったり、楽しかったりするのだろう。
用なしと思っていたカセットテープとラジカセが少し息を吹き返したようだ。