免震・制震(制振)・耐震は、どう異なるの?【連載:アキラの着目】

北米プレートとユーラシアプレートに、太平洋プレートとフィリピン海プレートがその下に潜り込んでいるという、世界でも類を見ないプレートが集中する日本列島。

これだけ大陸プレートと海洋プレートが重なり合えば、地殻変動が起きないわけがなく、ゆえに日本は地震の宝庫となっているのだ。

日本列島 地震の宝庫

だからといって、黙って地震の起きるままにしてはいけないので、建造物・建築物用の様々な地震対策が研究され、施されてきた。

その様々な地震対策が以下に挙げる免震、制震(制振)、耐震と呼ばれるものだ。

1つずつ見ていこう。

1.免震

免震とは、建造物・建築物を地震の揺れから隔離または絶縁することをいう。

一口に免震といっても、建造物・建築物の荷重を支えながら地震の揺れを逃がす「免震支承」と、地震エネルギーを吸収し、建造物・建築物を揺れにくくする「減衰装置」で構成されている。

一般的には、地盤と建造物・建築物の間に、鉄とゴムを何層にも重ねた「積層ゴム」や、「ボールベアリング」、あるいは「オイルダンパー」などの免震装置を介することで、地震の揺れを受け流したり、軽減するなど、直接地震の揺れを伝達させないことで安全性を確保する構造となっている。

後術する耐震、制震(制振)に比べ、地震の揺れを1/3程度にまで抑えられるとのこと。

免震のメリットとしては、地震の揺れを大幅に軽減させることができるので、家具の転倒などはほぼなくなることが挙げられる。

つまり、家具等の転倒を回避できる可能性が高く、かつ躯体損傷の可能性が極めて低いのだ。

反対に免震のデメリットは、他の地震対策に比べ設置コストが割高だったり、長い工期になること、軟弱な地盤では使用できないこと、また、建造物・建築物と地盤が絶縁しているので、強力な台風や竜巻による倒壊・損壊が起きやすいこと、津波で押し流されるリスクがあることが挙げられる。

2.制震(制振)

「制震」と「制振」の2つの表記が存在し、「制震」は文字通り「地震を制する」、「制振」は「振動を制する」という意味だ。

地震だけに限らず、新幹線や大型トラックの通過などによる振動を軽減する目的もあるため、「制振」という名称も多用されてきている。

地震対策用語においては「耐震」、「免震」とあわせて使用されることから、「震」を同じに揃えて「制震」の表記を使う場合も多い。

なお、日本建築学会では正式用語として「制振」を採用している。

前置きが長くなってしまったが、制震(制振)は、建造物・建築物内部に設置した地震のエネルギーを吸収する制震(制振)装置(ダンパー)を設置したり、建造物・建築物の頂部に設置した錘(おもり)の動きを利用し、外にかかる力と逆の方向に力を発生させたり、といったことをすることで、建造物・建築物の揺れを抑え、地震エネルギーを吸収し、建造物・建築物本体の損傷を低減する構造だ。

制震(制振)は、免震ほどの効果はないが、建造物・建築物の一部に可動部分を設置して、地震の揺れを吸収するので、ある程度の2次災害を回避することができ、設置コストも免震ほど割高ではないのがメリットだ。

3.耐震

地震の揺れに対し、力で抵抗し、まさに耐える構造をいう。

建造物・建築物の壁や柱を強化したり、補強材を入れることで建造物・建築物自体を堅く強固なものにして地震の振動に対抗し、建造物・建築物の倒壊・損壊を回避する仕組みだ。

具体的には、耐力壁などの頑丈で強固な部材や筋交いなどを使って建造物・建築物の強度を高め、地震の揺れに抵抗できるようにする。

耐震は、建造物・建築物自体は地震の衝撃や揺れに耐えられるのだが、地震の揺れそのもの自体を軽減するわけではないので、大地震の際は柱・梁・壁などの損傷や家具などの転倒は回避できないこともある。

免震、制震(制振)、耐震を知っておくだけでも、リフォーム、新築の際に役立つ

このように免震、制震(制振)、耐震について書いてきたが、個人個人、住む家や建て方が異なるので、一概にこの地震対策がいいとはいえない。

しかし、免震、制震(制振)、耐震を知っておくだけでも、今後リフォームする際や、新築の際にきっと多少なりとも役立つはずだ。

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099