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貴方も治るかも!高所恐怖症の克服法【連載:アキラの着目】

高所恐怖症には、適切な治療が必要

今回のニッポンニュースは、高所恐怖症について取り上げる。

元来、日本人は他の人種よりも不安を感じやすい傾向があると指摘されている。

不安や恐怖を感じる器官は、脳の扁桃体という部位であったり、セロトニンという物質が大きく関連していることが知られており、我々日本人はこうしたはたらきが他の人種よりも強いようで、扁桃体のはたらきが強い人に高所恐怖症をはじめとした諸々の恐怖症を発症しやすいと考えられている。

また、そういう恐怖症を発症しやすい人の傾向として、心配性、完璧主義、神経質、等々といった性格の持ち主が考えられている。

そういう性格の人が、高所への恐怖によって本人自身に過度な苦しみを生じていたり、高所への恐怖が生活に支障をきたしたりすると、それが高所恐怖症となるのだ。

人間にとって高所は、本来怖いものであり、高所から落下すれば命の危険に繋がるので、基本的には誰でも高所を怖いと思うのだが、高所恐怖症の人はわずか1mの高さでも恐怖に感じてしまうのだ。

こうなると、日常生活に支障が出てしまうので、適切な治療を施すことが必要となる。

あべのハルカスから覗く下界

高所恐怖症発症の要因

高所恐怖症を発症する要因としては、以下の3つに大別されると考えられる。

1.過去に高所でのトラウマがある
2.遺伝
3.高所に対し、必要以上に過敏に「怖い」と考えてしまっている

まずは1つ目の要因だが、高所恐怖症に限らず、恐怖症と名の付くものは、過去においてその状況で怖い思いをした経験がある、ということから生じることがある。

特に、感受性豊かな幼少期にこのような経験をしてしまうと「この状況は恐怖だ」と脳が認知してしまい、それ以降も継続してしまうこともあるようだ。

「2.遺伝」は、高所恐怖症の遺伝が、発症の直接的原因となり、不安や恐怖を感じやすい要素を持っていると、高所恐怖症になりやすくなるとのこと。

3.は、高所に対し、必要以上に過敏に「怖い」と考えてしまっていることから高所恐怖症になってしまう。

高所恐怖症発症の克服法

イ.考え方を治す

高所恐怖症の人が高所を必要以上に怖いと考えている範囲を、正常範囲内の「怖い」に下げることができれば、高所恐怖症を解消できる。

基本的に高所恐怖症の克服は「認知行動療法」の思考法で、カウンセリング形式による認知の修正を図っていくことが高所恐怖症治療の理想といわれている。

ロ.高所に慣れていく

実際に高所に少しずつ挑戦し、高所に慣れていく方法も高所恐怖症を克服するために必要。

自分が恐怖を感じるものに対し、敢えて挑戦する治療法を「暴露療法」といい、高所恐怖症の治療に対しても暴露療法は有用だ。

ただし、暴露療法は「どの程度の恐怖を暴露させるか」という判断がかなり困難で、精神科医等の専門家とともに行うことが理想。

暴露療法は、恐怖に対し、少しずつ触れて慣れていくという治療法で、最初は弱い恐怖から慣れていき、成功したらより強い恐怖に挑戦するという流れだ。

この暴露療法は、必ず段階的にやることがポイントで、いきなり自分自身の限界以上の恐怖に暴露させてしまうと、むしろ恐怖が強まってしまうリスクもある。

高所といっても様々な場所があり、どの高所にどのくらいの恐怖を感じるのかというのは人によってそれぞれ異なる。

そのため、まずは自分が苦手な高所を思いつく限り全てリストアップし、それぞれどのくらいの恐怖を感じるかについて、10段階で表してみることから始める。

例を挙げると、
・●●ビルの2階 恐怖の強さ:3
・●●ビルの3階 恐怖の強さ:4
・●●ビルの4階 恐怖の強さ:5
・●●展望台   恐怖の強さ:3
のようなもので、上記のような表を「不安階層表」という。

不安階層表を作ったら、恐怖の低いものから1つずつ克服していき、容易なものから高難易度のものへと少しずつ克服していくことで自信がつき、恐怖が和らいでいくというものだ。

最後に

すぐには高所恐怖症を克服することは無理だから、段階的に時間をかけて慣らすことが肝要だ。

筆者も大の高所嫌いだが、飛行機や絶叫マシンは全然平気だし、脚立くらいの高さも怖くないので、高所恐怖症と自覚していたが、どうも高所恐怖癖のようだ。

克服したいという信念があれば、時間をかけて高所にチャレンジすることだ。

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099