今回のニッポンニュースで取り上げるのは、東京の坂を詳しく紹介しているサイト「東京23区の坂道」(http://www.tokyosaka.sakura.ne.jp/)。
アイドルや若手女優などの女性タレントが東京の坂を全力で駆け上がる深夜番組「全力坂」が好評を得て、もうかれこれ15年以上放送されているかと思うが、今回のニッポンニュースではその駆け上がる女性たちではなく、東京の坂のほうにフォーカスする。
「東京23区の坂道」というサイトは、しばらく更新が途絶えているものの、坂の情報は、消費されてすぐに過去に葬り去られてしまうフローのものではなく、むしろアーカイブとして蓄積されてゆくストックのものなので、最終更新日が2011年4月29日でもそれは大きな問題ではない。
令和3年6月27日現在、「東京23区の坂道」で確認できる東京の坂は740にものぼり、そんなに東京には坂が存在してたのかと少し驚いた。
「東京23区の坂道」は区毎に坂を分類し、各坂には多くの坂写真が掲載されており、その坂に行かなくとも、坂の概要を把握でき、なかなか重宝なのだ。
極論すれば、東京の坂観光をこのサイトで完結できてしまうのだから、大変ありがたい。
ちなみに、アイドルグループの名前にも使われている「乃木坂」ももちろん掲載されている。
「東京23区の坂道」で坂の名前を見ると、その坂がある場所はかつてこんな所だったんだろうなと想像を膨らませてくれる坂もある。
「幽霊坂」という名の坂が東京には幾つかあるが、その名が付いた当時は暗がりでいかにも幽霊が出てきそうだから「幽霊坂」と言われるようになったのだ。
つまり、その昔は幽霊が出そうなくらいの暗がりで木々が茂っていた地だったのだ。
現在のコンクリートジャングル・東京でも多くの自然に囲まれた時代もあったんだなと。
別の例では「富士見坂」もそう。
これまた「富士見坂」は都内に複数存在するのだが、その名の通り坂の上から富士山を眺めることができたから「富士見」なのだ。
でも現在の富士見坂からは当然ながら富士山を眺めることはできない。
高層建造物のなかった時代だからこそ、平地より少し高台にある坂に登れば、富士山を眺めることが可能だったわけだ。
他には「小栗坂」、「諏訪坂」など坂のそばにあった武家屋敷の主の名字から取った名前の坂も多い。
こういった様々な坂を知ることで、東京にはまだまだ江戸の名残があるのだな、城下町なんだな、といったことを実感してしまうのだ。
普段、通勤にかまけて周辺エリアに気づけていない人もいるかと思うが、「坂」というエレメントで東京を見てゆくと、新しい発見があるかもしれない。
■東京23区の坂道
http://www.tokyosaka.sakura.ne.jp/
■東京23区の坂道(ブログ) – livedoor Blog(ブログ)
http://blog.livedoor.jp/tokyosakablog/