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『ロボコップ』は『シルバー仮面』のオマージュか!?【連載:アキラの着目】

筆者の幼少時は、本放送・再放送も含め、特撮ヒーロー番組が華やかかりし時代だった。

特撮ヒーローとはもちろん、仮面ライダーやウルトラマンに代表される正義の味方で、他にもメジャー・マイナー問わず様々な特撮ヒーローが活躍していたのだった。

大抵の特撮ヒーローは時代の経過に伴い、廃れてはまた出現しの繰り返しで、現在も残っているのは、やはり仮面ライダーとウルトラマンくらいのものだろう。

その他大勢の特撮ヒーローは、いつの間にか消え去り、復刻版DVDでしか観ることができなくなってしまっているのが現状だ。

しかし、そんなDVDでしか観ることができなくなったマイナーな特撮ヒーローでも、ハリウッド映画に影響を与えたのではないかと一部の特撮マニアの間で囁かれている特撮ヒーローがいる。

その特撮ヒーローとは、『シルバー仮面』だ。

シルバー仮面 宣弘社HPから引用

『シルバー仮面』は、高度経済成長期に制作・放送された特撮ヒーローで、1971年(昭和46年)11月28日から1972年(昭和47年)5月21日まで、宣弘社と日本現代企画の製作により、TBS系列局にて毎週日曜19:00~19:30の時間帯に全26話が放送された(第11話より『シルバー仮面ジャイアント』に改題)。

人間の口元が露わになった仮面を見て、何かを連想しないだろうか?

そう、1987年公開のハリウッド映画『ロボコップ』だ。

殉職した警官を改造したサイボーグ警官が活躍するSFアクション映画の『ロボコップ』だ。

ハリウッドというところは、常に何か面白い題材はないか、素材はないか、という探究心旺盛なところであると耳にしたことがある。

そのハリウッドのスタッフがたまたま日本の特撮ヒーロー物を観てみたら、「このマスクのデザインからインスパイアしよう!」とかパクるまではいかないが、ちょっとデザインを拝借しよう、ということがあったのではないか、というのだ。

あくまでもこの説は、真偽の程は定かでないが…。

「ロボット」の刑事が悪を倒すという『ロボコップ』のストーリー自体も、マスクのデザイン同様に日本の特撮ヒーローにオマージュ元があるのではともいわれている。

そのオマージュ元が『ロボット刑事』だ。

『ロボット刑事』は1973年(昭和48年)4月5日から同年9月27日までフジテレビ系列局にて毎週木曜日19:00~19:30の時間帯に全26話が放送された、石ノ森章太郎原作・東映製作の特撮ヒーローのテレビ番組だ。

これまた、あくまでもこの説は、真偽の程は定かでないが…。

ただ、これだけは断言できる。

当時の特撮ヒーロー番組を制作していたスタッフの人達は、映画製作をしたくて仕方がない集団だったにもかかわらず、会社の命令や意向で「お前は子供向け番組を作ってろ!」と言われ、「チキショー、だったら誰もが満足して、文句を言われない子供向け番組を作ってやる!」と奮起して、当時の子供たちを正しく導くような「教育番組」のレベルにまで昇華させ、制作していたのだと。

はたして『ロボコップ』が『シルバー仮面』や『ロボット刑事』のオマージュかどうかは不明だが、そうであってほしいという願望のままで置いておくのも悪くはないだろう。

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

宮内洋氏曰く「特撮番組は、教育番組である!」【連載:アキラの着目】

特撮番組は、テレビの発展や日本経済の発展と共に続いてきた。

一時期、特撮番組がない空白期間もあったようだが、平成30年現在において毎週日曜日には「仮面ライダービルド」が放送されており、特撮番組はいまだ健在で、人気のコンテンツだ。

筆者もかつて子供の頃は、特撮番組に夢中で、本放送や再放送で何回も繰り返してよく観たものだ。

悪者を退治する正義のヒーローに憧れてた当時の子供たちは、「弱きを助け、強きをくじく」といった道徳心や、卑怯な真似をしない、といったことを特撮番組から自然に学んでいったのだと思う。

そういったことは、作り手側も常に意識していたようで、花形の映画現場から”窓際”的な当時のテレビ現場に仕方なく移動してきたスタッフたちは、「たとえテレビでも、ちゃんとした物を作ってやろうじゃないか! 子供番組でもしっかりした物を作ってやろうじゃないか!」と手抜きをすることなく、むしろ「俺たちをはずした映画を見返してやる!」くらいの意気込みで、特撮番組を制作したのだそうだ。

その意気込みはスタッフだけではなく、当然演者である俳優の人たちも持っており、屋外の撮影現場に群がってくる当時の子供たちの夢を壊すことなく、また手本であらねばならないという信念をもっていた。

タバコを吸いたくとも、子供たちの前ではプカプカとタバコを吸うのは、正義のヒーロー像として失格だから、自制しておこう。

そんなエピソードも数あまたあったのだ。

かつて「仮面ライダーV3」の風見志郎役を演じたり、それ以外に幾つもの特撮ヒーローを演じてきた宮内洋氏は、今から20年ほど前に、日本テレビ系バラエティ番組「新橋ミュージックホール」(MC:ビートたけし、トータス松本、ユースケ・サンタマリア)に出演した際に、キッパリとこう言い放っている。

仮面ライダーV3 - 石森プロ公式HPより引用
仮面ライダーV3 - 石森プロ公式HPより引用
宮内 洋 氏 - office28プロダクションHPより引用
宮内 洋 氏 - office28プロダクションHPより引用

「特撮番組は、教育番組である!」

その言い放った様をリアルタイムで視聴していた筆者は、「ああ、自分が観ていた特撮番組は、”教育番組”だったのか!」とあらためて認識したのだった。

そうなのだ、特撮番組こそ”教育番組”であらねばならないし、特撮ヒーローこそ子供たちの手本とならねばならないのだ。

子供時代に多くの”教育番組”を観ることができて良かったな、良い時代だったな、とつくづく思う次第だ。

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099