世界遺産に登録されてからは、鰻登りで登山客・観光客が急上昇中の富士山。
日本一高い山であることももちろんだが、フォルムの美しさに魅了され、登山意欲が掻き立てられているのが大きい理由だろう。
近年では、日本人登山者以外にも外国人登山者も多く見受けられ、登山するのに大渋滞になることしばしばだ。
そうした混雑風景をマスメディアが伝える度に「富士山に登るのに、あんなに混むのか…」と意気消沈してしまい、富士山登山に二の足を踏む人もきっといるはずだ。
そんな人のために、FJ時事新聞は提案したい!
訳あって富士山に登ることができない人は「富士塚」を登るべし!
「富士塚? 何それ?」という人のために、富士塚を簡潔に説明すると、その名の通り、富士山を模して造営された人工の山や塚のことをいう。
この富士塚を登れば、実際に富士山に登ったことと同じ御利益を授かることができるのだ。
なんとも手っ取り早い富士登山ではないか!
でも、何のために富士塚が造られたのか?
それは富士信仰のためだ。
昔から富士山は綺麗で尊いものと崇められ、富士山そのものを神と見立てる等、何らかの形で富士山を信仰・崇拝の対象とすることが慣習として存在していたのだ。
本物の富士山は遠くて、登るのも大変だけど、富士塚ならすぐに登れるからいいね、ということで、日本各地に富士塚が造られ、今もかなり遺っている。
現在、東京都内にもそこそこの数の富士塚が遺されており、以下に幾つか紹介する。
・品川富士(東京都品川区北品川3-7-15 品川神社境内)
・千駄ヶ谷富士(東京都渋谷区千駄ヶ谷1-1-23 鳩森八幡神社境内)
・下谷坂本富士(東京都台東区下谷2-13-14 小野照崎神社境内)-重要有形民俗文化財「下谷坂本の富士塚」
・江古田富士(東京都練馬区小竹町1-59-2 茅原浅間神社境内)-重要有形民俗文化財「江古田の富士塚」
・十条富士(東京都北区中十条2-14-18 富士神社境内)
・音羽富士(東京都文京区大塚5-40-1 護国寺境内)
・高松富士(東京都豊島区高松2-9-3 富士浅間神社境内)-重要有形民俗文化財「豊島長崎の富士塚」
写真は千駄ヶ谷富士だ。
登頂までの所要時間は、なんとわずか2分!
本物の富士山に登頂するとなると、「須走ルート」であれば約5時間40分、「御殿場ルート」であれば約7時間30分もかかるが、この富士塚ならチョチョイのチョイと登れる。
「富士山に登るのは混むしなぁ…」、「富士山に登る時間を確保できないなぁ…」という人は、富士塚に登ってみよう!