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侮るなかれ!マダニ対策【連載:アキラの着目】

今月3日に大分県佐伯市の70代男性が、マダニの媒介するウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」に感染し死亡したというニュースが報道され、今年2018年になってからマダニ感染による死者が相次いでいる日本列島。

従来の我々日本人の知識からすると「ダニに噛まれても痒いだけでしょ」と思いがちだが、ダニはダニでもマダニともなると、前述したニュースのような死亡に至るケースも多々あり、決して侮れないのだ。

そこで今回のニッポンニュースでは、死の恐怖に陥れるマダニの対策を取り上げたい。

「回帰熱に関するQ&A|厚生労働省」から引用
「回帰熱に関するQ&A|厚生労働省」から引用

1.マダニ対策その1 マダニの生息地

まず、マダニはどこに生息しているのかについて知る必要がある。

マダニに近寄らないことが最も簡単な対策であるからだ。

マダニは鹿や猪、うさぎ等の野生動物が出没する山、森林などで主な生息場所で、民家の裏山や畑、畦道にも生息している。

都会暮らしに人にとってはマダニとは無縁だが、ハイキングや森林散策、農村への旅行等でマダニと接触する可能性は十分にあるので、予備知識として頭の隅にでも入れておくといいだろう。

2.マダニ対策その2 マダニが媒介する感染症

冒頭で述べた、ウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」ももちろんだが、これ以外にも以下の感染症をマダニは媒介する。
※()は病原体の種類

・日本紅斑熱(リケッチア)
・Q熱(リケッチア)
・野兎病(細菌)
・ボレリア症(細菌)
・ライム病(スピロヘータ)

とりわけ「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」による患者が、日本、中國、韓国で報告されており、日本では2016年から西日本を中心とした21府県から届出されており、5~8月に多く発症しているというデータもある。

3.マダニ対策その3 マダニに噛まれない服装

皮膚を晒すから、マダニに噛まれるのであり、皮膚を晒さずに衣服等で隠せば、マダニに噛まれることはない。

なので、首にはタオルを巻くか、ハイネックのシャツを着用し、シャツの袖口は手袋の中へ入れる、ズボンの裾は長靴等の中に入れる、といったことを徹底しよう。

ハイキングの際は、ズボンの裾を靴下に入れることだ。

4.マダニ対策その4 帰宅後にするマダニを寄せ付けないこと

山林や畑で農作業等やハイキングからから帰宅した後は、脱いだ服をよく振るうこと、また、作業着であれば極力家の中に持ち込まないことだ。

もしマダニが衣服等に付着していたら、ガムテープ等でマダニを取り除くのが効果的だ。

万が一、マダニに噛まれたら、無理やり取り除こうとすると、マダニの口器が皮膚の中に残って、化膿する場合もあるので、皮膚科等の専門医で適切な処置をしてもらうことだ。

最後に

近年の異常気象や気候の変化に伴い、生息する生物も変わっていったり、増殖することが十分にありえるので、従来の凝り固まった知識や慣習を鵜呑みにして対処・対応すると、危険に晒されることも出てきた。

ダニといえども、マダニはウィルスや病原菌を媒介する恐ろしい虫なので、しっかりとした知識を得て、今回取り上げたような対策を採り、大事に至らないようにしたいものだ。

■回帰熱に関するQ&A|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou18/kaikinetsu_qa.html

■虫(マダニ類)による予期せぬ感染症 – 皮膚科Q&A(公益社団法人日本皮膚科学会)
https://www.dermatol.or.jp/qa/qa19/

■国立感染症研究所 マダニ対策、今できること
https://www.niid.go.jp/niid/ja/sfts/2287-ent/3964-madanitaisaku.html

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099