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悪臭なし、水不要でエコのバイオトイレ【連載:アキラの着目】

かつての日本では、当然ながら現在のような温水洗浄便座のトイレは皆無だった。

いわゆる「汲み取り式トイレ」で、ある程度の排泄物が便槽に溜まってくると、肥桶で汲み取って、畑に肥料として撒いていたのだ。

この「汲み取り式トイレ」は地方の農村等ではまだ残っていたりするが、基本的には廃れてしまった。

しかし、最近のエコブームや、水資源を使わぬ環境にやさしいトイレが少しづつ求められていることもあり、「汲み取り式トイレ」もまんざら悪い物ではなく、再評価されだしている。

とはいうものの、温水洗浄便座のトイレに慣れ切ってしまった現代人に、かつての旧式の「汲み取り式トイレ」を使えと言っても使うわけがないので、そこは改良の余地が十分にあり、その結果、「汲み取り式トイレ」の進化版のようなトイレが登場した。

そのトイレがバイオトイレだ。

据え置き型バイオトイレ 環境を守るバイオトイレ-正和電工株式会社HPから引用
据え置き型バイオトイレ 環境を守るバイオトイレ-正和電工株式会社HPから引用

水洗式ではないので、排泄後に水が流れない。

Envirolet エンバイオレット 水なし一体型 Envirolet_ MS10 エンバイオレット MS10 WSC水なし一体型(電源AC・一般家庭用電源) Amazonサンコールインダストリーズ(Sancor Industries)販売ページから引用
Envirolet エンバイオレット 水なし一体型 Envirolet_ MS10 エンバイオレット MS10 WSC水なし一体型(電源AC・一般家庭用電源) Amazonサンコールインダストリーズ(Sancor Industries)販売ページから引用

バイオトイレの構造はこうだ。

便器下の便槽には、細かい木屑のおがくずやチップが詰め込まれており、そのおがくずやチップが糞尿の水分を吸収する。

便槽に設置されたスクリューで、そのおがくずやチップまみれの糞尿を撹拌すると、好気性微生物が活性化し、おがくずやチップまみれの糞尿を分解・堆肥化するという仕組みだ。

バイオトイレの仕組み 環境を守るバイオトイレ-正和電工株式会社HPから引用
バイオトイレの仕組み 環境を守るバイオトイレ-正和電工株式会社HPから引用

微生物により糞尿が分解されるので、糞尿本来の悪臭が消え、水分は蒸発し、分解されたものは堆肥として再利用が可能となる。

メーカーや機種によって若干バイオトイレの仕様に差があり、微生物を活性化させるために電気ヒーターで高温加熱する方式と、加熱しない方式があり、また、電動スクリューと手動スクリューがあったりする。

このバイオトイレは、前述したように環境にやさしく、分解された残渣物が再利用できること、さらに地震災害等で水道が使えぬ状況でも、なんら支障なく使えることがメリットだ。

東京は計算上、平均80~90年に1回のサイクルで関東大震災級の大地震が起こることになっているが、96年間大地震が起こっていない。

「備えあれば憂いなし」という諺があるが、前もって災害のための備えをすることは、リスク回避に最も重要なこと

いつ東京に大地震が起こってもいいように、バイオトイレを導入できる家ならば、速やかに導入した方が良いかもしれない。

■環境を守るバイオトイレ-正和電工株式会社
http://www.seiwa-denko.co.jp/

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099