中華圏では春節ということで長期休暇となり、日本にも大勢の観光客が訪れる。
その中でもリピーターの観光客は、体験型ツアーを申し込む割合が高いようで、茶の湯などの日本文化を直接体験するそうだ。
そういった日本文化を体験したい人に今回おすすめしたいのが、江戸切子体験だ。
切子とは、ガラス加工・工芸の工法であるカットグラスのことで、日本では切子と呼び、江戸切子、薩摩切子、天満切子が有名で、今回はそのうちの1つである江戸切子の体験を取り上げる。
江戸切子はよく薩摩切子と比較されることが多いが、微妙にいくつかの相違点がある。
薩摩切子は薩摩藩主・島津斉興・斉彬二代により海外との交易用・鑑賞用として興された産業であるのに対し、江戸切子は商人によって庶民の日常使用品として芽吹いた産業だ。
また、色ガラスの部分が厚い薩摩切子はカットすると、境界部分がグラデーションのようになるのに対し、色ガラスの部分が薄い江戸切子はカットすると、カットした透明な部分と色つきの部分の境目がシャープになる、という違いがあるのだ。
この違いを知った上で江戸切子を体験すると、ただ作業するよりも興味深く江戸切子に対して感情移入ができようというものだろう。
では、実際に江戸切子体験をするわけだが、どこでできるのかというと、すみだ江戸切子館だ。
江戸切子体験は、一日わずか3組だけの予約制で、制作時間は90分。
グラスをカットする機械の台数が4台のため、1組の定員は最大4名までだ(最少人数1人)。
年齢制限があり、小学4年生から体験可とのことだ(要大人の付添い)。
まずは、自分の好きなグラスを選び、伝統技術の切子紋様を専用機械で削って、世界に1つしかないオリジナルグラスを造る。
一度削ってしまえば後戻りができないため、ドキドキすること確実で、そのドキドキが快感になってゆくのだとか。
ちなみに前述した伝統技術の切子紋様は、数えきれないほどの種類が存在し、そのうちの12種類が以下になる。
これらの紋様のどれかしらを自分のグラスに削って入れ、自分だけのオリジナルグラスを制作してゆくのだ。
焼き物・陶芸だと、成形した後に乾燥させ、窯で焼いて、といういくつかの工程を踏むため、完成品は後日発送になるが、この江戸切子はそこまで待たされることはないため、完成までのフラストレーションは溜まりにくいだろう。
東京観光に飽きた人は、江戸切子体験にチャレンジだ。
■江戸切子体験 | すみだ江戸切子館 | すみだ工房ショップ
http://www.edokiriko.net/ws/