一昨日7月22日は、全国木製はきもの業組合連合会が制定した「下駄の日」だったが、はたしてどれだけ現在の日本人が下駄を履いているのか。
男性の場合は、浴衣に下駄は合うので、この時ばかりは下駄を誂える人もいるかもしれないが、日常生活で下駄を履く人は、ほぼ日本では絶滅したような状況だ。
しかし、僅かながら下駄をこよなく愛する人たちもいる。
「ゲージツ家」の篠原勝之さん(通称クマさん)もその一人。
「若い時は新宿でよく喧嘩したもんだけど、下駄を履いていると、下駄でぶん殴れるから便利なんだ」と、クマさんにはちょっと物騒なエピソードがあったりするが、いまだに下駄を愛用されている。
今回も相変わらず前置きが長くなってしまった。
そこで今回は下駄を、それも様々な種類の下駄を取り上げてみる。
足駄(高下駄)
足駄は、高い2枚の歯が付いた下駄で、一般的には高下駄と呼ばれている。
降雨時の悪路を歩く際に使用される下駄だ。
雪下駄
雪下駄は、その名の通り降雪の多い地域で使用することを前提に造られた、すべり止め金具を打った下駄をいう。
駒下駄(羽根虫)
駒下駄とは、台も歯も一つの材を刳(く)って作られた下駄をいう。
江戸時代中期から末期にかけて駒下駄は出現したと考えられている。
日和下駄
日和下駄とは、歯の低い差し歯の下駄をいい、もっぱら晴天時に履くための下駄だ。
庭下駄
庭下駄は、これまたその名の通り、庭を歩くための下駄だ。
鉄下駄
一般人が日常の歩行においてまず使用しない下駄が、鉄製の鉄下駄だ。
スポーツ根性マンガの主人公が、足腰の鍛錬のために日頃から重い鉄下駄を履き、試合本番当日に通常のシューズや足袋を履くと、足が軽く感じられたり、また脚の筋肉を鍛えられるとのことで、筋力アップになる、といわれている。
実際の鉄下駄を履くことの効果が、どうなのかについては検証の余地があるかと思われる。
ぽっくり
お江戸・吉原の花魁が履く下駄が、このぽっくりだ。
安定歩行を阻害するような、どう見ても転ばないように歩くにはそれなりの慣れが必要な下駄だ。
以上駆け足で様々な下駄を紹介してきたが、夏場は靴よりも下駄の方が涼しげだし、いなせに見えるので、履いてみると堂々と振る舞えるかも。